課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、「人々の生活環境が豊かになることを使命とし、土・水・大気・構造物調査・測量設計等における適切な情報を土木管理総合試験所グループの総力(スピード・対応力・提案力)を挙げ、顧客に対して積極的にコンサルテーションを行う」を経営の基本理念として、事業展開を行っております。

近年は、防災・減災対策、災害からの復旧・復興、老朽化したインフラストックの維持管理問題等、顧客ニーズの多様化が進み、更なる技術革新とスピード感ある対応が求められる状況の中、顧客満足度の最大化と地域社会への貢献を進め、企業の成長と共に株主の皆様の期待に応えられるよう邁進する所存であります。

 

(2)経営戦略

当社グループの中長期的な経営戦略は、基幹業務(土質・地質調査試験、非破壊調査試験、環境調査試験)の継続的な伸長と新規業務(アカウントマネジメント、FC(フランチャイズ)展開)を拡大させることで、当社のワンストップサービスが充実し、かつ今後の世況に合わせた需要の取り込みができると考えております。

業界としては、リニア新幹線関連事業、北陸新幹線延伸関連事業等の大型案件への対応強化を進めると共に、建設コンサルタント業界でも課題となっているICT(情報通信技術)の導入に積極的に取組み、AI、工程の自動化、解析アルゴリズム等の開発を進め、最新技術の導入に注力してまいります。

近年問題となっているインフラストックの老朽化に伴う維持管理問題解決への取組を進め、膨大な試験対象に対応すべく高速調査+高速解析を実現させ需要を効率的に取込んでまいります。道路・軌道の異常度診断ビッグデータ共有システム「ロードス」につきましても受注活動を進めるとともに機能の更新、技術開発を進め最新技術を既存業務に還元しております。

営業展開においては、3試験センター(東日本試験センター、中央試験センター、西日本試験センター)への設備投資を積極的に行い、全国規模でFC展開(フランチャイズ展開)を進め営業エリアの拡大を進めてまいります。新たに建設した北海道苫小牧市の研究施設(ジオロボティクス研究所)も本格稼働させ、当社の研究開発のみならず、様々な企業を誘致することで、当社とのシナジーを期待しております。

海外展開においては、ベトナム支社を中心に海外における市場調査を行い、経済成長の著しい東南アジアでの展開を進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、安定的かつ継続的な成長を目指し、労働集約型からの脱却と事業の大型化に取組むことで、売上高営業利益率5.7%以上、1人当り売上高15百万円以上の二点を目標に掲げ、その向上に努め企業価値の最大化を目指しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社を取り巻く事業環境は、政府の国土強靭化政策のもと、インフラ老朽化対策、防災・減災対策等の社会インフラの整備が必要とされるなかで、激甚化する自然災害の復旧・復興事業への対応、さらにリニア中央新幹線事業等の大型事業を中心に市場の拡大に拍車がかかることが予想されます。また、今までに経験のない自然災害が全国各地で発生しており、予想だにしない災害に対応するため、様々な場面での防災・減災への対応が急務であると考えております。

新型コロナウィルスの影響につきましては、一部で現場の中止や延期がありましたが、大きな影響はありませんでした。しかしながら対面営業の抑制等もあり、営業活動には少なからず影響がありました。

このような状況のなか、当社は変化する社会ニーズに対し的確かつ効率的に応え、成長していくための経営上の対処すべき課題について以下を掲げ取組んでおります。

 

①技術力の向上とサービスの充実・拡大による対応力の強化

変化する世況に対応し顧客の利便性を高めるために、調査・試験並びに設計・工事の各項目の充実や品質の向上を図り完結型サービスの業務範囲を拡大してまいります。

また、既存の業務に囚われることなく最新技術の開発や新規事業の導入を推進し、防災・減災、地域社会への貢献と社会問題解決に寄与できるよう取組んでまいります。

 

②試験センターの充実及び営業エリアの拡大

当社の特徴であり基幹業務である室内試験の更なる受注拡大と、効率的な受注体制を確立するため、3試験センター(中央試験センター、西日本試験センター、東日本試験センター)への設備投資を充実させ試験領域の拡大と対応力の強化を推進いたします。

また、FC店(フランチャイズ店)による拠点展開及び海外を含めた新たな営業エリアでの受注拡大を進め、効率的な営業ブロック体制の構築を目指してまいります。

 

③人材の確保と育成による対応力の強化

当社の技術力の根源である土木技術者の不足は深刻な状況にありますが、当社独自のPS(パートナー・シップ)制度の導入やFC店(フランチャイズ店)の設置を推進し、人材不足に影響されにくい体制を整えてまいります。

また、目まぐるしい環境の変化に対応するための人材教育を積極的に推進し、技術力とサービス力の向上と人材の定着率向上に努め、今後の業容拡大に対応できる体制の構築を目指してまいります。

 

④他社との差別化

国が推進するICT技術を全面に活用した建設現場のi-Construction化により、建設現場の施工管理が大きく変化してきており、建設コンサルタント業界でもICTの活用は急務となっております。長年培ってきた当社の調査・試験・分析技術に加えてAI、自動化、独自アルゴリズム等の最新技術の導入により、他社にないソリューションを提供することで他社との差別化を図ってまいります。

 

⑤海外展開

当社の顧客による海外での事業展開が年々増えており、海外での試験総合サービスのニーズも拡大しつつあります。当社の長期的な成長を実現するためにも海外展開に取組むべきであると認識しております。海外で当社が提供するサービスの中長期的な需要を見極めつつ、海外展開を推進してまいります。

 

⑥リスクマネジメントの強化

激甚化する自然災害が全国各地で発生しており、過去には当社が本社を構える長野県でも大きな台風被害がありました。予期しない自然災害の発生でも業績に影響がでないように事業継続計画(BCP)の重要性が非常に高まっております。当社では大規模な災害が発生した場合でも、被害を最小限にとどめ、業務を継続できるよう、業務インフラ、緊急時連絡体制、本社屋、各試験センターをはじめとする各設備の見直しを行い、多目的な観点からBCPを作成して定期的な見直しを行ってまいります。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得