当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次の通りであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況の分析
社会人教育市場はオンライン研修の普及、4月以降は対面型研修の増加などにより回復傾向にあることを受けて、当社グループではオンライン研修や人事サポートシステム・LMS(※1)「Leaf」、eラーニング・動画などの非対面型サービスの強化に加え、対面型研修の営業強化及び新作研修開発を強化しました。また顧客セグメントにあわせた営業体制の構築及び新サービスを開発・リリースしました。
講師派遣型研修事業では、第2四半期にコロナ第6波の影響で官公庁を中心に延期・中止が発生したものの、第3四半期より民間企業・官公庁共に対面型研修が増加しました。また年間を通し、収益性の高いDX研修が民間企業を中心に増加しました。その結果、研修実施回数は前年比19.1%増加し、オンライン研修の構成比は43.3%となりました。
公開講座事業では、2022年1月にリリースした新サービスである中小・成長企業向け教育プラン「バリューパック」の好調により取引先が増加、また「Python学院」などのDX研修の伸長及び対面型研修増加により、総受講者数は前年比20.7%増加しました。総受講者数に占めるオンライン受講者数の構成比は83.1%となり高い水準を維持しました。
ITサービス事業では、2022年9月末時点で「Leaf」の有料利用組織数が522組織(前年9月末比110組織増、同26.7%増)となりました。ユーザー数は211万人を超え、Leaf月額利用料(MRR※2)は堅調に増加、年間経常収益(ARR※3)は636百万円(前年比21.1%増)となりました。
その他事業では、eラーニングのニーズは堅調に増加、また2022年6月にリリースした動画教材の簡易カスタマイズサービス「イージーオーダー」が好調に推移し、売上増になりました。加えて、2021年7月の株式会社インソースマーケティングデザイン、2022年6月の株式会社ビー・エイ・エスのグループ化も売上増に寄与しました。
また販管費については、売上増加及び人件費率低下により、前年比3.4pt減の40.8%となりました。
※1 MRR:Monthly Recurring Revenueの略称、月間経常収益
※2 ARR:Annual Recurring Revenueの略称。各期末月のMRRを12倍して算出
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
① 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,963,085千円増加し、8,729,790千円(前連結会計年度比29.0%増)となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ338,072千円増加し、2,604,353千円(同14.9%増)となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,625,012千円増加し、6,125,437千円(同36.1%増)となりました。
イ.流動資産
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,501,128千円増加し、5,260,816千円(前連結会計年度比39.9%増)となりました。これは主に、現金及び預金が1,203,388千円、売掛金が305,192千円増加(回転期間は概ね1~2か月)したこと等によります。
ロ.固定資産
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ461,956千円増加し、3,468,974千円(同15.4%増)となりました。これは主に、建物(純額)が661,100千円増加したこと等によります。
ハ.流動負債
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ357,096千円増加し、2,559,407千円(同16.2%増)となりました。これは主に、未払金が178,610千円増加したこと等によります。
ニ.固定負債
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ19,023千円減少し、44,945千円(同29.7%減)となりました。これは主に、資産除去債務が16,683千円減少したこと等によります。
ホ.純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1,625,012千円増加し、6,125,437千円(同36.1%増)となりました。これは主に、利益剰余金が1,581,190千円増加したこと等によります。
② 経営成績
当連結会計年度の売上高は9,418,481千円(前連結会計年度比25.6%増)、営業利益は3,367,383千円(同40.1%増)、経常利益は3,346,340千円(同38.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,233,615千円(同42.2%増)となりました。
イ.売上総利益
当連結会計年度の売上高は、9,418,481千円(前連結会計年度比25.6%増)となりました。これは主に、対面型研修ニーズが高まり、講師派遣型研修実施回数・公開講座受講者数共に大きく増加したためであります。
また、売上原価は、2,204,368千円(同23.9%増)となりました。売上原価率がほぼ横ばいになったことは主に、研修実施回数・研修単価向上・原価率低減による影響が、オンライン研修比率低下の影響を上回ったことによるものであります。
以上の結果、売上総利益は、7,214,112千円(同26.1%増)となりました。
また、売上総利益率は、前連結会計年度比0.3ポイント増の76.6%となりました。
ロ.営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,846,729千円(同16.0%増)となり、販売費及び一般管理費率は、同3.4ポイント減の40.8%となりました。これは主に、売上増加及び上期の人件費率が低下したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、3,367,383千円(同40.1%増)となりました。
また、営業利益率は、前連結会計年度比3.7ポイント増の35.8%となりました。
ハ.経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、保険解約返戻金3,045千円、基地局設置収入2,008千円等を計上し、9,848千円となりました。一方、営業外費用は30,891千円となりました。これは主に、株式報酬費用消滅損29,297千円を計上したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、3,346,340千円(同38.5%増)となりました。
また、経常利益率は、前連結会計年度比3.3ポイント増の35.5%となりました。
ニ.親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度は、投資有価証券評価損29,995千円等を計上し、特別損失は29,995千円となりました。また、法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額等を合わせた法人税等合計は、1,082,729千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,233,615千円(同42.2%増)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益率は、前連結会計年度比2.8ポイント増の23.7%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度において、現金及び現金同等物は1,203,388千円増加し、当連結会計年度末における残高は3,827,499千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、2,544,151千円の収入(前連結会計年度は2,356,950千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,316,344千円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、687,153千円の支出(前連結会計年度は1,544,804千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出695,583千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、655,065千円の支出(前連結会計年度は408,168千円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額652,425千円等によるものです。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、教育サービス事業の単一セグメントであり、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
② 受注実績
生産実績と同様の理由により、記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の事業種別毎の販売実績は次の通りであります。なお、当社グループにおける研修サービスの提供期間は概ね短期であります。
(単位:千円)
事業の名称 |
第19期連結会計年度 (自 2020年10月1日 至 2021年9月30日) |
前年同期比 (%) |
第20期連結会計年度 (自 2021年10月1日 至 2022年9月30日) |
前年同期比 (%) |
講師派遣型研修事業 |
3,797,792 |
139.4 |
4,665,297 |
122.8 |
公開講座事業 |
1,827,138 |
144.2 |
2,218,265 |
121.4 |
ITサービス事業 |
1,022,731 |
156.0 |
1,197,880 |
117.1 |
その他事業 |
853,453 |
180.7 |
1,337,036 |
156.7 |
合計 |
7,501,115 |
146.5 |
9,418,481 |
125.6 |
(注)1.当社グループの報告セグメントは単一であるため、事業種別毎に記載しております。
2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源
当社グループは、運転資金、設備資金等の所要資金につきましては、原則として自己資金で賄うこととしております。
② 資金の流動性
資金の流動性についての分析につきましては「(2)キャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りに与える影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
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