当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。なお、以下の経営成績等は、IFRSに準拠した連結財務諸表に基づいて記載しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期の経済情勢を概観しますと、世界経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、ワクチン接種の進展もあり経済活動が再開し景気は回復し始めました。しかしながら、半導体不足、コンテナ不足等による物流の混乱、期末にかけてのロシア、ウクライナ情勢悪化などの影響から、その回復の勢いは弱まりつつあります。また、日本経済も世界経済に遅れながらも回復傾向が見られましたが、同様にそのペースは鈍化しております。このような情勢のなかで、当社グループは、品質優先を基本に、お客様の信頼におこたえしますとともに、各市場の動きに的確に対応して、販売の拡大に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度を5,868億円(28%)上回る2兆7,051億円となりました。
利益につきましては、原材料の値上がり、人件費の増加などがありましたものの、主に売上の増加により、営業利益は前連結会計年度を409億円(35%)上回る1,590億円、税引前利益は前連結会計年度を621億円(34%)上回る2,461億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度を436億円(32%)上回る1,803億円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(自動車)
自動車におきましては、市場はアジアで増加し、全体で小幅に回復しました。こうしたなかで、当セグメントの売上高は前連結会計年度を2,012億円(34%)上回る7,928億円となりました。営業利益は前連結会計年度を283億円(590%)上回る330億円となりました。
このうち車両につきましては、RAV4が国内、海外向けともに減少したことにより、売上高は前連結会計年度を49億円(6%)下回る834億円となりました。
エンジンにつきましては、主にGD型ディーゼルエンジンが増加したことにより、売上高は前連結会計年度を1,277億円(91%)上回る2,676億円となりました。
カーエアコン用コンプレッサーにつきましては、主に北米で増加したことにより、売上高は前連結会計年度を545億円(18%)上回る3,561億円となりました。
電子機器ほかにつきましては、主にACインバーターが増加したことにより、売上高は前連結会計年度を239億円(39%)上回る855億円となりました。
(産業車両)
産業車両におきましては、市場は北米や欧州が拡大し、全体で好調に推移しました。そのなかで、主力のフォークリフトトラックが主に欧州で増加したことにより、売上高は前連結会計年度を3,580億円(25%)上回る1兆7,894億円となりました。営業利益は前連結会計年度を37億円(3%)上回る1,136億円となりました。
(繊維機械)
繊維機械におきましては、市場は主力の中国を含むアジアで堅調に推移しました。こうしたなかで、織機や繊維品質検査機器が増加したことにより、売上高は前連結会計年度を284億円(69%)上回る692億円となりました。営業利益は55億円(前連結会計年度は営業損失11億円)となりました。
資産につきましては、主に投資有価証券の評価額が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ1兆1,232億円増加し、7兆6,271億円となりました。負債につきましては、主に繰延税金負債が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ4,237億円増加し、3兆6,051億円となりました。資本につきましては、前連結会計年度末に比べ6,994億円増加し、4兆219億円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税引前利益を2,461億円計上したことにより、3,210億円の資金の増加となりました。前連結会計年度の3,823億円の増加に比べ、613億円の減少となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出が2,373億円あったことにより、2,298億円の資金が減少しました。前連結会計年度の4,041億円の減少に比べ、1,743億円の支出の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、主に社債の償還による支出が1,840億円あったことにより、921億円の資金の減少となりました。前連結会計年度の1,054億円の減少に比べ、133億円の支出の減少となりました。これらの増減に加え、換算差額、期首残高を合わせますと、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,470億円となり、前連結会計年度末に比べ88億円(4%)の増加となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 自動車セグメントにつきましては、トヨタ自動車株式会社および株式会社デンソーから生産計画の提示を受け、生産能力を勘案し、見込生産を行っているため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引につきましては相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループにおける重要な会計方針および見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記 2.作成の基礎 (4) 見積りおよび判断の利用」および「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表に対する注記 3.重要な会計方針」を参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高につきましては、前連結会計年度を5,868億円(28%)上回る2兆7,051億円となりました。利益につきましては、営業利益は前連結会計年度を409億円(35%)上回る1,590億円、税引前利益は前連結会計年度を621億円(34%)上回る2,461億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度を436億円(32%)上回る1,803億円となりました。
(売上高)
売上高の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
営業利益の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(税引前利益)
税引前利益は、前連結会計年度を621億円(34%)上回る2,461億円となりました。これは、主に営業利益が前連結会計年度を409億円(35%)上回る1,590億円となったことによります。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度を436億円(32%)上回る1,803億円となりました。基本的1株当たり当期利益は、前連結会計年度の440円28銭に対し、580円73銭となりました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、次のとおりであります。
(資金需要と株主還元)
当社グループの資金需要の主なものは、研究開発、設備投資、M&Aなどの長期資金需要と当社グループの製品製造のための材料および部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費などの運転資金需要であります。
当社グループは研究開発および設備投資に資金を重点的に配分するほか、事業の拡大、持続的発展に資すると判断する場合にはM&A等の投資にも資金を配分する方針であります。
株主還元につきましては、連結配当性向30%程度を目安に配当額を決定しております。配当政策に関する詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」を参照ください。
(財務政策)
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持および健全な財政状態の維持を財務方針としております。
当社グループの財務状況は引き続き健全性を保っており、現金及び現金同等物、有価証券などの流動性資産に加え、営業活動によるキャッシュ・フロー、社債の発行と金融機関からの借入れによる調達などを通じて、現行事業の拡大と新規事業の開拓に必要な資金を十分に提供できるものと考えております。
当社グループは、S&Pグローバル・レーティング・ジャパン株式会社、ムーディーズ・ジャパン株式会社および株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、有利な条件での資金調達を実現するため、格付の維持、向上につとめております。
当社グループの資金マネジメントにつきましては、日本国内におきましては、当社が国内子会社を対象に資金集中管理を実施しており、北米におきましては、トヨタ インダストリーズ ノース アメリカ株式会社(以下、「TINA」という。)が北米の子会社の資金集中管理を実施しております。また、欧州におきましては、トヨタ インダストリーズ ファイナンス インターナショナル株式会社(以下、「TIFI」という。)が、欧州の子会社の資金集中管理を実施しております。
当社とTINA、TIFIが緊密な連携をとることにより、資金効率の向上をはかっております。
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