業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社は、2021年6月24日開催の定時株主総会において、「定款一部変更の件」が承認されたことを受けて、決算期を3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い、決算期変更の経過期間となる当連結会計年度は、2021年4月1日から2021年12月31日までの9か月決算となりますので、経営成績に関する前年同期比については記載しておりません。

 

 a.財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産合計は、5,715,185千円となり、前連結会計年度末に比べ1,706,254千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が868,225千円増加、売掛金が280,356千円減少、前渡金が313,566千円増加したことにより流動資産が前連結会計年度末に比べ919,641千円増加したこと、及び投資有価証券が414,485千円増加、長期貸付金が289,869千円増加したことにより固定資産が前連結会計年度末に比べ786,613千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、295,766千円となり、前連結会計年度末に比べ140,521千円減少いたしました。これは主に買掛金が101,912千円減少したことにより流動負債が前連結会計年度末に比べ145,883千円減少したこと、及び繰延税金負債が5,361千円増加したことにより固定負債が前連結会計年度末に比べ5,361千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は5,419,419千円となり、前連結会計年度末に比べ1,846,776千円増加いたしました。これは主に資本金が1,515,934千円増加、資本剰余金が1,515,934千円増加、利益剰余金が1,225,869千円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は94.0%(前連結会計年度末は88.6%)となりました。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、501,013千円となりました。これは主に既存顧客を中心にした、実証実験及び国家プロジェクトの実施によるものであります。

 

(売上原価・売上総利益)

 当連結会計年度の売上原価は、500,500千円となりました。これは主に実証実験とプラットフォーム機体販売に関わる材料費、外注加工費及び役務提供原価によるものであります。

 その結果、売上総利益は、513千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業損失)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,189,510千円となりました。これは主な費目として研究開発費として604,398千円、人件費等によるものであります。

 その結果、営業損失は1,188,997千円となりました。

 

(営業外損益・経常損失)

 当連結会計年度の営業外収益は、46,093千円となりました。これは主に国家プロジェクトに係る助成金収入の計上によるものであります。

 当連結会計年度の営業外費用は、70,844千円となりました。これは主に日本郵政キャピタル株式会社に対する第三者割当による新株式の発行に係る株式交付費の計上によるものであります。

 その結果、経常損失は1,213,748千円となりました。

 

 

(特別損失・法人税等・当期純損失)

 当連結会計年度において、固定資産の減損損失8,508千円を特別損失として計上したこと、及び法人税、住民税及び事業税3,817千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,225,869千円となりました。

 

 なお、当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ868,225千円増加し、2,759,957千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 なお、決算期変更に伴い、経過期間となる当連結会計年度は、2021年4月1日から2021年12月31日までの9か月決算となりますので、前年同期比については記載しておりません。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は、1,345,852千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失1,222,257千円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は751,875千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出398,584千円、長期貸付けによる支出284,750千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は2,965,517千円となりました。これは主に株式の発行による収入2,932,761千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入31,755千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当社グループの生産品はその大部分が生産後すぐに顧客のもとへ出荷されているため、生産実績は販売実績とほぼ同額となります。従いまして、生産実績の記載を省略しております。下記c.販売実績をご参照ください。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し、売上高の主な内訳別に記載しております。

区分 ※.

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

実証実験

319,620

194,710

プラットフォーム機体販売

88,732

20,915

用途特化型機体販売

806,331

806,331

 

その他

363,047

54,761

合計

1,577,732

1,076,718

 (注) 当社は2021年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。これに伴い、経過期間となる当連結会計年度は、2021年4月1日から2021年12月31日までの9か月決算となりますので、前年同期比については記載しておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはドローン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略し、売上高の主な内訳別に記載しております。

区分 ※.

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

実証実験

(千円)

124,910

プラットフォーム機体販売

(千円)

67,817

その他

(千円)

308,285

合計(千円)

501,013

 (注)1.当社は2021年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更いたしました。これに伴い、経過期間となる当連結会計年度は、2021年4月1日から2021年12月31日までの9か月決算となりますので、前年同期比については記載しておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

21,814

3.5

269,555

53.8

原田物産株式会社

79,196

12.8

744

0.1

※. サービス提供の各段階に関して、実証実験として、顧客のドローン導入のニーズを踏まえて、課題解決のために当社のテスト機体を用いた概念検証(PoC)に係るサービスを提供しております。概念検証(PoC)を経て、顧客先の既存システムへの組み込みも含めた特注システム全体の設計・開発を行っております。

 プラットフォーム機体販売においては、顧客先における試用(パイロット)もしくは商用ベースでの導入と

して、当社のプラットフォーム機体をベースにした機体の生産・販売を行っております。

 用途特化型機体販売においては、特定の領域において量産が見込める機体について、量産機体の開発・生産・販売を行っております。

 その他においては、機体の保守手数料や消耗品の販売料に加えて、国家プロジェクトのうち、NEDOプロジェクトである「安全安心なドローン基盤技術開発」及び「準天頂衛星システムを利用した無人航空機の自律的ダイナミック・リルーティング技術の開発」に係る売上高を含んでおります。一般的に国家プロジェクトにおいて、受託先が収受する補助金に関し、新規技術の研究開発に係るものについては、営業外収益として計上しております。ただし、新規の研究開発を行わず、既存の当社の技術を用いて委託された実験を行うことが主目的のプロジェクトについては、売上高として計上しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.財政状態及び経営成績の分析

 当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に特に重要な影響を与える要因については、以下のとおりであります。

 当社グループに限らず、ドローンに関する重大な事故が発生した場合には、ドローンの安全性に対する社会的信用が低下することにより、顧客からの需要低下、規制の強化等により市場の成長が減速する可能性があります。当社グループでは、事故を起こさないよう、安全性第一のドローンの実現に努めておりますが、万が一、当社グループの製造した機体が墜落すること等により人や財産等に損害を与えた場合には、製造物責任賠償、リコールによる支払や費用発生及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。製品の信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、万が一、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によってはコスト発生や信用の失墜を招き、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関しまして、中長期的に経済の停滞を招くおそれがあります。顧客における新規投資への影響、当社グループにおける事業活動の低下、サプライチェーンにおける影響など事業継続への影響が生じることも考えられ、影響の度合いによっては、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、世界的な半導体不足による、部材の供給の遅れや価格の高騰については、当社の機体生産に影響を与えており、今後も半導体を始めとする部材の供給不足や価格高等が継続する場合には、用途特化型機体の量産等および当社の研究開発活動に影響を与え、当社グループの売上高等の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 その他、経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。

 なお、当社グループの資金の流動性につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。

 

③重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りに関して、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。

 当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(3)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは、自律制御技術を始めとした最先端のロボティクス技術を追求し、それらの技術の社会実装を通じて、人類の活動の基盤となる社会インフラにおける、人類の経済活動の生産性を高め、付加価値の低い業務、危険な業務を一つでも多く代替させ、次世代に向けた社会の進化を推し進めるべく事業を展開しており、各分野のコアクライアントとなるパートナー企業とのプロジェクトを通じ、各種用途の産業向けドローン・ソリューションを構築し、実際の経済効果を生み出すドローン用途を創出していくことを経営の基本方針としております。

 この基本方針を踏まえ、ドローン機体の販売拡大及びシステムインテグレーション、ソリューション構築を通じたドローン機体の利用拡大による売上高の拡大を企図しております。

 経営者は、事業を拡大し、継続的な成長を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、顧客ニーズの把握、製品力の強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。

 なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

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