課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは、以下を対処すべき課題であると認識しております。

 

(1)開発力の強化

 近年の競争が激しい国内外の市場環境に対応するためには、より迅速且つ高度な製品開発が求められております。この課題に対処するため当社では、基礎研究及びコア技術開発の環境が整備された技術センターの活用により、高度な研究開発を推進してまいります。さらに継続して産官学連携共同研究等を推進し「オンリーワン製品」の開発をすすめてまいります。

 また、市場要求と顧客ニーズを的確に捉えたタイムリーな製品開発を行うため、重要度の高い製品開発については、プロジェクト体制を構築し、品質レベルを維持しながら、より一層の開発スピードアップを推進してまいります。

 

(2)ソリューションビジネスの強化・推進

 製品開発力の強化とともに刻々と変化する顧客ニーズを的確に捉え、迅速に対応するために、営業とメンテナンスで個々に保有していた顧客情報を統合いたしました。この情報一元化によって、提案内容やサービスの質を高めることで、顧客へ最適なソリューションの提供が可能となっております。今後も、営業とメンテナンスの連携強化をより一層推進し、併せて関連知識のスキルアップを図ってまいります。更に、顧客からの高度な流体制御に対する要望に応えるため、実液でのシミュレーション評価試験等を踏まえた各種システム提案を積極的に推進してまいります。また、当社製品を長期間にわたり、安心して使用していただくためにビフォアー&アフターメンテナンスサービスをより充実させ、当社ブランドに対する信頼性の向上を図ってまいります。これらソリューションビジネスを、より一層強化・推進することにより、競合との差別化を図り、「ソリューションカンパニー」として世界全市場の顧客から信頼を勝ち取ってまいります。

 

(3)海外事業の拡大

 国内産業構造の海外移転の流れが今後も続いていくなかで、より一層、海外需要を掘り起し、受注拡大が必要であると考えております。この課題に対処するため、当社の海外販売網を活用し、顧客ニーズに的確に応えられる体制の強化を図るとともに、海外への製品供給を円滑に行うため海外調達及び生産を推進し、全体的な海外事業の拡大を図ってまいります。更に、当社グループ間の企業連携強化のため、ITインフラの整備を図ってまいります。

 また、海外事業拡大に向け、各地域の特性を知り、それに適応したマーケティング活動のために、従前より海外関係会社との連携を緊密にとっておりましたが、更なるマーケティング活動の強化と当社関連部門の体制強化を図ってまいります。

 

(4)強化市場への優先的な経営資源の投入

 事業の継続的な成長のために強化市場への優先的な経営資源の投入は不可欠であると考えております。当社グループでは、水処理市場、医療機器市場、新エネルギー市場を強化市場と位置付け、今後も優先的に経営資源を投入してまいります。また、強化市場については、市場環境・経済環境の変化や当社グループの状況なども踏まえ総合的に判断したうえで、適宜見直しを図ってまいります。

 

(5)「イワキグループ10年ビジョン」定量目標の達成

 2015年に策定いたしました「イワキグループ10年ビジョン(以下、10年ビジョン)」は第2期である育成期(2020年3月期~2022年3月期)を終え、第3期である収穫期(2023年3月期~2025年3月期)に入りました。10年ビジョン定量目標である「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」達成に向け、従前より取り組んでまいりましたCS向上を更に加速させると同時に、生産体制の再構築や不具合の撲滅等の各種施策を実施してまいります。

 

(6)サステナビリティ経営の推進

 これまで「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する。」の経営理念のもと、産業界で幅広くケミカルポンプ・流体制御機器をご利用いただくことで社会に価値を提供してまいりましたが、企業を取り巻く環境が大きく変化する中、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と持続的な企業価値向上を両立させることの重要性はより高まっております。そのような中、サステナビリティの観点を踏まえた経営を推進すべく、体制を構築してまいります。またTCFD開示をはじめとした気候変動対応や人権対応等、各種サステナビリティへの課題にも取り組んでまいります。

 

「常に最前線で産業を支え、社会の発展と人々の幸福に寄与する」という当社の経営理念を実現し、価値ある製品と価値あるサービスを提供する「ソリューションカンパニー」として、世界全市場の顧客から信頼を勝ち取るため、「ありたい姿」「経営姿勢」「行動姿勢」の行動指針を定めて取り組んでおります。

また、当社グループでは「ポンプという製品をお客様に提供しているのではなく、ポンプという製品を用いて『薬液を移送する』という機能を提供している」という共通認識の下、すべての従業員がお客様との接点であると考え、従業員一人ひとりの能力や意識を高めることに努め、「企業品質の向上」、「顧客対応能力の向上」、「安定的な収益体制の構築」、「コンプライアンス経営の推進」及び、「10年ビジョンの具現化」の五つの基本方針を基に、持続的な業績の向上を目指してまいります。

加えて、「イワキグループ10年ビジョン」の定量目標であります「2025年3月期連結売上高400億円、営業利益率10%」の達成に向け、売上高前年比増加、営業利益率の改善を重要な指標と位置付けております。

当連結会計年度における「売上高」は32,439百万円、前年比4,277百万円増加(前年比15.2%増)「営業利益率」は、6.6%(前年比0.5ポイント良化)となりました。主には、活況な半導体製造装置への投資の影響を受け半導体・液晶市場向けの売上が大幅伸長した結果、増収・増益となりました。

次期(2023年3月期)連結業績予想については、部品調達難や原材料価格の高騰、長期化も懸念されるウクライナ侵攻による地政学リスク等に対する経済への影響が不透明ではありますが、設備投資動向の回復もみられ、当社グループの受注も堅調に増加していることから、「売上高」は34,830百万円、前年比2,390百万円増加(前年比7.4%増)、費用面では生産体制再構築に係る費用やコロナ影響緩和による経費戻り分などの増加を見込んでおりますが、増収効果により、「営業利益率」は、7.9%(前年比1.3ポイント良化)と予想しております。

これらの指標は引続き、増加または改善されるように取り組んでまいります。また、株主還元の目標として配当性向30%超を重要な指標としており、当連結会計年度における配当性向は30.6%であります。

なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

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