2021年4月1日付でオルドット株式会社を設立したため、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しておりますので、前事業年度末との比較分析は行っておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済は、期初からの新型コロナウイルス感染症の再拡大を受け、各地での緊急事態宣言の再発令や、まん延防止等重点措置の適用により、社会経済活動が制限されるなど、景気は停滞感を濃くしました。一方でワクチン接種が進み、一時は感染者数が大幅に減少するなど、経済活動の正常化が期待されたものの、新たな変異株による感染再拡大、長期間の社会経済活動の制限による個人消費の低迷、さらに原油価格の高騰、物価上昇等もあり、非常に厳しい環境で推移いたしました。
このような環境において当社グループは、企業理念「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する!」のもと、プリントシール事業の拡大、若年女性層の顧客基盤を活用したマネタイズの多様化、キャラクターIP(知的財産)を利用した商品販売に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は34,058百万円、営業利益は3,709百万円、経常利益は3,707百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,544百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(プリントシール事業)
プリントシール事業におきましては、先述の通り厳しい市場環境が続く中、6月に新機種「97%(キューナナパーセント)」、10月に「猫と彼女。」、2月に「ハルイロセカイ」を発売しました。また、プレイ回数回復に向けた施策としてYouTuberや人気アーティストを起用したプロモーション等を行った結果、当連結会計年度のプレイ回数は3,197万回(前期比105.9%)となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大前の2020年3月期と比較して7割程度のプレイ回数に留まりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は7,576百万円、営業損失は252百万円となりました。
(コンテンツ・メディア事業)
コンテンツ・メディア事業におきましては、緊急事態宣言の発令を受け、プリントシール画像取得・閲覧サービス「ピクトリンク」の有料会員数は一時的に142万人まで減少しましたが、緊急事態宣言解除後は緩やかに増加し、2022年3月末では146万人となりました。
また、カラーコンタクトレンズの販売につきましては、新商品「ramurie(ラムリエ)」を発売しましたが、外出需要の減少等に伴い、前年度の売上を下回りました。データ広告事業につきましては、案件数の増加に伴い、売上が増加しております。ファッションD2C事業につきましては、2021年10月にECサイト「Olu.(オルドット)」をオープンし、順調に売上を伸ばしておりますが、立ち上げ期のため収益を上回る費用が発生しております。
この結果、当連結会計年度の売上高は8,324百万円、営業利益は3,173百万円となりました。
(キャラクタ・マーチャンダイジング事業)
キャラクタ・マーチャンダイジング事業におきましては、人気漫画作品、人気アーティスト及び世界的人気ゲーム等の多数の新規キャラクター版権の獲得とその商品化を行いました。
クレーンゲーム景品は市場の拡大と人気IP関連商品の大ヒット、海外物販は中国に加えアメリカへの販路拡大、高価格帯ホビーはアイテム数の増加等により売上・利益ともに大きく伸ばしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は15,175百万円、営業利益は2,408百万円となりました。
(ゲーム事業)
ゲーム事業における事業別の取り組みは、以下のとおりです。
家庭用ゲームソフト事業につきましては、新作オリジナルタイトル「Caligula2(カリギュラツー)」「モナーク/Monark」を発売しました。
ゲームアプリ事業においては、9月末に新作タイトルの「恋愛戦国ロマネスク~影武者姫は運命をあやなす~」をリリースしました。
アニメ事業は、TVアニメ「ゆるキャン△ SEASON2」のビデオグラム販売や製作委員会の配分金収入等が牽引し、好調に推移しました。また、来期上映に向けて映画「ゆるキャン△」のプロモーションに取り組みました。
この結果、当連結会計年度の売上高は2,980百万円、営業利益は26百万円となりました。
②財政状態の状況
(資産の部)
流動資産は23,386百万円となり、固定資産は4,760百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金14,662百万円、売掛金3,980百万円、棚卸資産2,008百万円、有形固定資産2,633百万円、投資その他の資産1,571百万円であります。
(負債の部)
負債につきましては、6,895百万円となりました。主な内訳は、買掛金862百万円、電子記録債務1,575百万円、未払法人税等1,110百万円、未払費用1,345百万円であります。
(純資産の部)
純資産につきましては、21,250百万円となりました。主な内訳は、資本金1,639百万円、資本剰余金1,614百万円、利益剰余金19,003百万円、自己株式1,000百万円であります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、営業活動による収入が投資活動及び財務活動による支出を上回った結果、14,662百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、税金等調整前当期純利益を3,688百万円、減価償却費を2,094百万円計上しました。また、売上債権が283百万円増加、棚卸資産が198百万円増加、仕入債務が1,027百万円増加し、法人税等の支払額が828百万円となりました。その結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、5,692百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、有形固定資産の取得による支出が1,809百万円、無形固定資産の取得による支出が464百万円となりました。その結果、投資活動によるキャッシュ・フローは、2,274百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、セール・アンド・リースバックによる収入が1,331百万円あった一方で、リース債務の返済による支出が1,336百万円、配当金の支払額が984百万円となりました。その結果、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,013百万円の支出となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、独自の生産拠点・生産工程を有しておらず、生産能力を表示することは困難であるため、当該記載を省略しております。
b.商品仕入実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、商品仕入実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.受注実績
当社グループの事業は、受注の確定から売上の計上までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
プリントシール事業(千円) |
7,576,908 |
- |
コンテンツ・メディア事業(千円) |
8,324,940 |
- |
キャラクタ・マーチャンダイジング事業(千円) |
15,175,504 |
- |
ゲーム事業(千円) |
2,980,830 |
- |
合計(千円) |
34,058,184 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前年同期比は記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、34,058百万円と過去最高を記録しました。これは主に、キャラクタ・マーチャンダイジング事業においてクレーンゲーム景品、海外物販及び高価格帯ホビーの販売が国内・海外いずれも急拡大するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う市場環境悪化の影響を受けたプリントシール事業における総プレイ回数、コンテンツ・メディア事業における「ピクトリンク」有料会員数が回復傾向にあること及びゲーム事業における家庭用ゲームソフトの新作販売本数が増加したこと、アニメ「ゆるキャン△」のヒット等によるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、18,093百万円となりました。これは主に、キャラクタ・マーチャンダイジング事業の売上が増加したこと、プリントシール事業における新機種の製造原価が増加したこと及び家庭用ゲームソフトの新作販売本数が増加したことによるものであります。
(売上総利益)
上記の結果、当連結会計年度の売上総利益は、15,965百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,255百万円となりました。これは主に、キャラクタ・マーチャンダイジング事業の業務拡大に伴う人件費、広告宣伝費、業務委託費等の増加及び家庭用ゲームソフトの広告宣伝費の増加等によるものであります。
(営業利益)
上記の結果、当連結会計年度の営業利益は、3,709百万円となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は、2百万円の損失(純額)となりました。これは主に投資事業組合運用益や為替差損を計上したことによるものであります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、19百万円の損失(純額)となりました。これは主に固定資産除売却損及び減損損失を計上したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、2,544百万円となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因のうち、投資者の判断に重大な影響を与える可能性のある事項については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、十分な手元流動性を有しており、運転資金及び設備投資資金は主として自己資金より充当し、必要に応じて金融機関からの借入れを実施することを基本方針としております。なお、今後、当社グループの成長のために発生する資金需要につきましても、基本方針に基づき、主に自己資金より充当し、必要に応じて金融機関からの借入れを実施する予定です。
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