業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりです。

①財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、半導体業界の旺盛な需要が継続したことに加え、地球環境保護への社会的な要請を背景としたカーボンニュートラルや脱プラスチック関連投資も拡大し、総じて好調に推移しましたが、第2四半期以降に顕在化したサプライチェーン混乱に起因する半導体等の部品不足による生産活動への影響が長期化する中で、第4四半期にはロシア・ウクライナ情勢の悪化や上海ロックダウンなど、不確実性が継続した1年となりました。日本経済は、企業の設備投資、生産及び輸出とも持ち直しましたが、年明け以降に個人消費が足踏みするなど、本格的な回復までには至りませんでした。

このような経済状況のもと、当社グループは、5G関連やAI、IoT、EV等の需要期待を背景とした顧客ニーズを捉えた装置の開発と販売、社内改革に基づく効率性の高い経営の実現に努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の業績は、売上高227億96百万円(前連結会計年度比5.8%減)、営業利益15億66百万円(前連結会計年度比115.3%増)、経常利益14億91百万円(前連結会計年度比101.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11億7百万円(前連結会計年度比228.1%増)となりました。

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

(メカトロニクス関連事業)

5G等の電子部品、EV等の車載関連部品向けテーピング装置及び自動機への堅調な需要とパワー半導体素子用レーザアニーラが好調に推移し、増収増益となりました。

これらの結果、メカトロニクス関連事業の売上高は108億66百万円(前連結会計年度比6.9%増)となり、セグメント利益は9億57百万円(同66.9%増)となりました。

(ディスプレイ関連事業)

主要製品のドライエッチング装置は設備投資の期ズレや競争激化もあり減収となりましたが、遠赤外線熱処理装置が堅調に推移したことにより、収益が改善しました。

これらの結果、ディスプレイ関連事業の売上高は36億39百万円(同45.6%減)となり、セグメント利益は10百万円(同セグメント損失2億62百万円)となりました。

(産業機器関連事業)

クリーニング事業から医療リネン事業及び紙包装事業等へのビジネスモデルの転換が進み、増収となりました。しかしながら、まだ転換が十分とは言えない状況にあり、損失の計上となりました。

これらの結果、産業機器関連事業の売上高は10億21百万円(同24.8%増)となり、セグメント損失は1億71百万円(同セグメント損失2億59百万円)となりました。

(電子機器関連事業)

電力会社向け制御通信機器及び人工透析装置が安定的に推移したことにより、増収増益となりました。

これらの結果、電子機器関連事業の売上高は72億69百万円(同11.5%増)となり、セグメント利益は6億29百万円(同34.0%増)となりました。

(2) 当期の財政状態の概況

①資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度における流動資産は288億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億1百万円減少しました。主な増加要因は受取手形及び売掛金3億76百万円、原材料及び貯蔵品3億6百万円であり、主な減少要因は現金及び預金13億13百万円であります。固定資産は81億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億9百万円減少しました。主な増加要因は建設仮勘定2億88百万円、工具、器具及び備品1億9百万円であり、主な減少要因は減価償却累計額(工具、器具及び備品)1億51百万円、減価償却累計額(建物及び構築物)1億41百万円、投資有価証券1億34百万円であります。その結果、総資産は369億97百万円となり、前連結会計年度末に比べて5億10百万円の減少となりました。

流動負債は138億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億64百万円減少しました。主な増加要因は支払手形及び買掛金12億81百万円であり、主な減少要因は短期借入金19億76百万円、前受金7億26百万円であります。固定負債は78億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億45百万円減少しました。主な増加要因は退職給付に係る負債1億26百万円であり、主な減少要因は事業整理損失引当金2億69百万円であります。その結果、負債は216億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億9百万円の減少となりました。

純資産は153億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億99百万円増加しました。主な増加要因は利益剰余金9億53百万円、為替換算調整勘定1億99百万円であります。その結果、自己資本比率は41.3%となり、1株当たり純資産は1,673円48銭となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ13億12百万円減少し、86億19百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、10億93百万円の増加(前連結会計年度は34億77百万円の増加)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益15億90百万円、仕入債務の増額11億88百万円、減価償却費5億26百万円であり、主な減少要因は前受金の減額7億32百万円、棚卸資産の減額6億89百万円、法人税等の支払額5億19百万円、事業整理損失引当金の減額2億69百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、1億95百万円の減少(前連結会計年度は5億40百万円の減少)となりました。主な増加要因は有形固定資産売却による収入50百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出2億97百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、23億2百万円の減少(前連結会計年度は5億48百万円の増加)となりました。主な増加要因は長期借入れによる収入24億79百万円であり、主な減少要因は長期借入金の返済による支出28億86百万円、短期借入金の純減額16億37百万円、配当金の支払額2億円であります。

(3) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

メカトロニクス関連事業(百万円)

8,290

115.3

ディスプレイ関連事業(百万円)

3,503

90.3

産業機器関連事業(百万円)

519

97.8

電子機器関連事業(百万円)

5,161

112.5

合計(百万円)

17,475

108.0

(注)金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

②受注実績

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

メカトロニクス関連事業

12,151

125.4

4,524

139.7

ディスプレイ関連事業

6,549

289.3

6,665

177.5

産業機器関連事業

985

120.0

123

77.3

電子機器関連事業

8,945

113.9

7,861

127.1

合計

28,632

138.8

19,174

143.8

 

③販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

メカトロニクス関連事業(百万円)

10,866

106.9

ディスプレイ関連事業(百万円)

3,639

54.4

産業機器関連事業(百万円)

1,021

124.8

電子機器関連事業(百万円)

7,269

111.5

合計(百万円)

22,796

94.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

ニプロ株式会社

2,627

10.9

3,095

13.6

Wuhan China Star Optoelectronics Technology CO. Ltd.

3,587

14.8

475

2.1

 

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は、次のとおりであります。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の計上、偶発債務の開示に関連して、種々の見積りを行っております。経営者は、これらの見積りが過去の実績や状況に応じて合理的であると考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

a.貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性がありますが、重要な顧客に対する債権について、早期回収のための取組みを行っております。

b.受注損失引当金

当社グループは、受注契約に係る将来損失に備えるため、損失見積額を受注損失引当金として計上し、対応する仕掛品と相殺して表示しております。詳細は「第5経理の状況 注記事項」に記載しております。

c.投資有価証券

その他有価証券のうち時価のあるものについては、期末の市場価格等に基づく時価法、時価のないものについては移動平均法による原価法で評価しております。その他有価証券のうち時価のあるものについては、時価の変動により投資有価証券の価額が変動し、その結果純資産が増減します。また、その他有価証券について、時価又は実質価額が著しく下落した場合には、回復する見込みがあると認められる場合を除き、減損しております。将来、時価又は実質価額が著しく下落し、回復見込みが認められない場合には、減損する可能性があります。

d.繰延税金資産

会計上と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果につきましては、期末におけるスケジューリング可能な将来減算一時差異において、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。

なお、評価性引当額は将来税務上減算される一時差異及び繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる部分について設定しております。

e.退職給付費用

当社は、確定給付型の退職一時金制度と企業年金基金制度を採用しております。

国内連結子会社は、主に確定給付型の退職一時金制度及び確定拠出型の企業年金制度を採用しております。退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算において想定される前提条件に基づいて算出されております。具体的には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づく死亡率などがその前提条件となります。これらの前提条件のうち、特に割引率については、それらが変動することにより退職給付費用及び退職給付債務の額に大きな影響を与えることがあります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績において、売上高は前連結会計年度比5.8%減の227億96百万円となりました。サプライチェーンの混乱から顧客の設備投資が遅れたこと及び部品等の調達ができなかったことが主因であります。一方で、営業利益は前連結会計年度比115.3%増の15億66百万円となりました。効率経営の推進により、粗利率が26.9%と(前連結会計年度は21.1%)大幅に改善した結果によるものでございます。

なお、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」欄もご参照ください。

③経営成績に重要な影響を与える要因について

メカトロニクス関連事業、ディスプレイ関連事業及び産業機器関連事業は、市場の設備投資の増減に多大な影響を受けます。従って、市場の変化を一早く読み取り、即応できる開発・生産体制の構築が不可欠であります。また、電子機器関連事業におきましては、安心と安全を担保する技術革新の構築が不可欠だと考えております。

④経営戦略の現状と見通し

a.メカトロニクス関連事業

メカトロニクス関連事業におきましては、5Gや自動制御の進化、地球環境問題への関心の高まりに伴う自動車のEVシフトにより、新たなニーズが次々と生まれております。このような状況のもと、刻々と変化する顧客のニーズを捉えた製品の開発及び販売拡充に努めてまいります。

b.ディスプレイ関連事業

ディスプレイ関連事業におきましては、新しいデバイス向けの需要が拡大しており、最先端のデバイスに対応した製品の開発及び販売拡充に努めてまいります。

c.産業機器関連事業

産業機器関連事業におきましては、国内におけるクリーニング市場は飽和状態にありますが、医療リネン事業及びeコマース向け紙包装事業において新たな需要が生まれております。このような状況のもと、国内外の販売代理店との連携を強化し、販売拡充に努めてまいります。

d.電子機器関連事業

電子機器関連事業におきましては、世界的に拡大する人工透析需要と電力自由化の普及に伴う設備投資により、新たなニーズが次々と生まれております。このような状況のもと、顧客のニーズを捉えた製品の開発及び販売拡充に努めてまいります。

⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フロー

「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)当期の財政状態の概況 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」の項に記載の内容をご参照ください。

 

b.財務政策

当社グループは運転資金・各種投資資金を金融機関からの借入金及び社債に依存しております。当連結会計年度末の有利子負債額は、前連結会計年度末の152億64百万円から132億36百万円へ減少しております。

当社グループは、安定した期間利益の確保に基づく財務体質の改善が経営上最も重要な課題のひとつであると認識しており、今後とも業績の向上に努めてまいります。

なお、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」欄もご参照ください。

⑧経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループ各社間の連携と競争によって企業体質の強化を図り、持続的な成長が可能な企業集団を目指してまいります。

 

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