当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度のわが国経済は、期初にコロナ禍からの急回復で好調に滑り出したものの、年初にはマイナス成長に転じ、その後一旦は回復しましたが直近では個人消費、設備投資、輸出が減少し再びマイナス成長になっています。一方、海外においては、中国および米国経済が足元では成長率が鈍化しているものの堅調に推移し欧州経済もプラス成長となっています。
こうした情勢の下、当連結会計年度における売上高は、機械製造販売事業および化学工業製品販売事業の販売が共に増加したため、前年度比15.1%増の45,132百万円となりました。利益面につきましては、化学工業製品販売事業が増益となったことを背景に営業利益は前年度比25.8%増の2,843百万円、経常利益が前年度比26.6%増の2,905百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は中国の連結子会社清算益を計上したことを主因に前年度比37.6%増の2,108百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(機械製造販売事業)
機械製造販売事業では、国内民需向け機械と装置・工事の販売が伸び悩んだものの、国内官需向け機械と装置・工事および海外向け機械に加えて国内官民需および海外の部品・修理の販売が伸長したため、当連結会計年度の売上高は前年度比6.7%増加し12,322百万円となりました。
利益面につきましては、収益性の低下と販管費の増加により営業利益は前年度比4.3%減少し886百万円となりました。
(化学工業製品販売事業)
化学工業製品販売事業では、前年度後半に新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を大きく受けた自動車業界等の急回復を背景に、国内外の合成樹脂関連の樹脂原料や製品、工業材料・鉱産関連の自動車・建材用途向け材料、化成品関連の紫外線硬化樹脂、塗料・インキ用途向け材料や添加剤を中心に全分野での販売が増加したことから、当連結会計年度の売上高は前年度比18.6%増加し32,809百万円となりました。
利益面につきましては、全分野での増収を受け営業利益は前年度比46.7%増加し1,957百万円となりました。
当連結会計年度末の流動資産は、仕掛品ならびに原材料及び貯蔵品が減少した一方、受取手形及び売掛金ならびに電子記録債権が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,465百万円増加し33,404百万円となりました。固定資産は、建物、土地および退職給付に係る資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,349百万円増加し9,849百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金ならびに未払法人税等が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,642百万円増加し11,412百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,172百万円増加し31,841百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末の77.2%から3.6ポイント低下して73.6%となりました。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で収入となった一方、投資活動および財務活動の各段階で支出となったことにより、前連結会計年度末に比べ749百万円増加し12,607百万円となりました。ここに至る当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とその変動要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、 2,142百万円となりました。これは、売上債権の増加2,330百万円があったものの、仕入債務の増加1,287百万円、税金等調整前当期純利益の2,992百万円、減価償却費による資金の留保381百万円等によるものです。なお、前連結会計年度の661百万円の収入に比べ1,481百万円の収入増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、977百万円となりました。これは、投資有価証券の売却による収入47百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出1,003百万円等によるものです。なお、前連結会計年度の485百万円の支出に比べ491百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、494百万円となりました。これは、配当金の支払額493百万円等によるものです。なお、前連結会計年度の468百万円に比べ25百万円の支出増加となりました。
④ 生産、受注および販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格をもって表示しております。
2.( )は、海外向け生産高を内数で表示しております。
3.上記金額に消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.( )内は、海外向け受注高を内数で表示しております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.( )内は、海外販売高を内数で表示しております。
2.上記金額に消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態および経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの売上高は機械製造販売事業および化学工業製品販売事業の販売が共に増加したため、前年度比15.1%増の45,132百万円となりました。利益面につきましては、化学工業製品販売事業が増益となったことを背景に営業利益が前年度比25.8%増の2,843百万円、経常利益が前年度比26.6%増の2,905百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は中国の連結子会社清算益を計上したことを主因に前年度比37.6%増の2,108百万円となりました。当初計画は売上高41,500百万円、営業利益2,080百万円でスタートしました。その後、自動車業界の急回復を背景とした化学工業製品販売事業の好調を主因に売上高43,700百万円、営業利益2,360百万円に上方修正し、更に想定以上の好調が見込まれたため売上高45,000百万円、営業利益2,800百万円に再度上方修正しました。年間を通じ好業績が持続し売上高、利益共に再上方修正計画を上回る結果となりました。
当社グループでは中長期的戦略の継続的な展開に向けて2019年11月に第12回中期経営計画「Change For The Future(将来のための変革)」(2019年11月~2022年10月)を策定し、その中で柱となる事業分野におけるビジネス基盤を確固たるものにすると共に新たな課題に果敢に挑戦することにより更なる業績向上を図り持続的な企業価値向上を目指した事業運営を推進することを基本方針として掲げ、最終年度の2022年10月期に売上高49,000百万円、営業利益2,600百万円とする目標を立案しました。
初年度は新型コロナウイルス感染症の拡大による影響から業績低迷を余儀なくされました。2年目の当年度は自動車業界の急回復を背景に化学工業製品販売事業を中心に伸長し営業利益については当初の最終年度目標を大幅に上回る結果となりました。一方、最終年度となる新年度については、世界的な半導体不足による自動車の減産、中国の電力規制問題、急激な為替変動、資源価格の高騰、物流停滞といった不安要因があり不透明な情勢が見込まれることに加え、将来の成長に資する営業開発や研究開発のための販管費の増加を見込むことから連結売上高39,650百万円、営業利益2,390百万円を計画します(新年度の連結売上高は新収益認識基準を適用したものになっております)。
(機械製造販売事業)
機械製造販売事業に係る中期経営計画最終年度(2022年10月期)の目標は売上高14,000百万円、営業利益900百万円です。2年目の当初計画は売上高12,850百万円、営業利益790百万円、再修正計画は売上高12,550百万円、営業利益875百万円でした。これに対して当連結会計年度の実績は、売上高12,322百万円、営業利益886百万円となりました。売上高は一部案件の繰延べ等から当初計画、再修正計画をいずれも下回りました。一方、営業利益は当初計画、再修正計画をいずれも上回りました。これは営業開発や研究開発のための販管費が減少したことに因るものです。新年度においては、連結売上高12,800百万円を予定し、営業利益は収益性の良い部品修理販売の減少と将来の成長に資する営業開発や研究開発のための販管費の増加を見込むことから前年度比12.1%減の780百万円となる見通しです。
(化学工業製品販売事業)
化学工業製品販売事業に係る中期経営計画最終年度(2022年10月期)の目標は売上高35,000百万円、営業利益1,700百万円です。2年目の当初計画は売上高28,650百万円、営業利益1,290百万円、再修正計画は売上高32,450百万円、営業利益1,925百万円でした。これに対して当連結会計年度の実績は売上高32,809百万円、営業利益1,957百万円となりました。自動車業界を中心とした急回復を背景に、国内外の合成樹脂関連の樹脂原料や製品、工業材料・鉱産関連の自動車・建材用途向け材料、化成品関連の紫外線硬化樹脂、塗料・インキ用途向け材料や添加剤を中心に全分野の販売が増加したことから売上高、営業利益ともに当初計画、再修正計画を上回りました。新年度においては、連結売上高は26,850百万円を予定し、営業利益は将来の成長に資する営業開発関係の販管費の増加を見込むことから前年度比17.7%減の1,610百万円となる見通しです。
今後においては、「1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略」で前述したように、中期経営計画で掲げた諸課題達成に向けた取り組みを加速させてまいります。
なお、当社グループの当連結会計年度末の財政状態の概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ②財政状態の状況」をご参照下さい。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、運転資金および定常的な設備投資・研究開発は、主に営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金にて賄われております。現時点においては、キャッシュ・フローに大きな影響を及ぼす大型の投資は予定しておりません。また、緊急時の支払いに備えて主要金融機関と当座貸越契約および貸出コミットメントライン契約を締結しております。
③ 重要な会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載した通りであります。
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