業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しております。これに伴う当事業年度の売上高に与える影響は軽微であります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により依然として厳しい状況にある中、各種政策の効果や海外経済の改善もあり持ち直しの動きがみられたものの、感染症に加えウクライナ情勢による先行きの不透明感による原材料価格の高騰や資材の調達面での制約、金融資本市場の変動等の影響により、引き続き下振れリスクに十分留意が必要となってまいりました。

 このような情勢のもと、農業機械事業及び軸受事業における業績、ならびに財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

<農業機械事業>

 国内売上高は、国の畜産クラスター事業*1の採択が一定程度進んだことによる高品質な国産飼料増産と食料自給率の向上に寄与する可変径ロールベーラ*2、細断型ホールクロップ収穫機*3等の伸張や、集草作業機ツインレーキ*2のシリーズ化および有機肥料散布機ミックスソーワ*4等の新製品投入効果もあり、増収となりました。また、海外売上高は、感染症の影響により営業活動の縮減が続いたものの、新製品投入効果や中国向けの部品受注の増加、オンライン展示会の活用効果等により増収となりました。

 農業機械事業全体の売上高は66億11百万円と前事業年度に比べ8.9%の増収となりました。

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*1:政府による畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業

*2:エサづくり関連作業機

*3:細断型シリーズ

*4:土づくり関連作業機

 

<軸受事業>

 得意先からの受注の減少により、売上高は4億14百万円と前事業年度に比べ4.7%の減収となりました。

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a.財政状態

 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ4億82百万円増加し、86億47百万円となりました。

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ2億14百万円増加し、17億47百万円となりました。

 当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べ2億68百万円増加し、68億99百万円となりました。

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b.経営成績

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 当事業年度末の経営成績は、売上高70億26百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益5億29百万円(前年同期比32.5%増)、経常利益5億93百万円(前年同期比30.3%増)、当期純利益4億円(前年同期比24.0%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 農業機械事業は、売上高66億11百万円(前年同期比8.9%増)、セグメント利益5億2百万円(前年同期比23.3%増)となりました。

 軸受事業は、売上高4億14百万円(前年同期比4.7%減)、セグメント損失20百万円(前年同期はセグメント損失25百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ3億42百万円増加し12億4百万円(前年同期比39.8%増)となりました。
 また、当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、7億2百万円(前年同期比75.9%増)となりました。
 この主な要因は、税引前当期純利益5億91百万円、減価償却費2億43百万円、仕入債務の増加額2億30百万円、棚卸資産の増加額1億45百万円などを反映したものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、2億円(前年同期比26.3%減)となりました。
 これは主に無形固定資産の取得による支出1億16百万円などを反映したものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、1億58百万円(前年同期比35.6%増)となりました。
 これは主に配当金の支払額1億14百万円などであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

農業機械事業(千円)

6,374,580

119.4

軸受事業(千円)

415,665

94.1

合計(千円)

6,790,245

117.4

 (注)金額は販売価格によっております。

 

b.商品仕入実績

 当事業年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

農業機械事業(千円)

395,628

103.2

合計(千円)

395,628

103.2

 (注)金額は仕入価格によっております。

 

c.受注実績

 当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

農業機械事業(千円)

6,611,613

108.9

 

製商品(千円)

5,721,065

109.3

 

部品(千円)

876,394

105.8

 

その他(千円)

14,153

223.4

軸受事業(千円)

414,459

95.3

合計(千円)

7,026,073

108.0

 (注)1.上表の製商品とは、農業機械事業における作業機本体及びそのアタッチメントのことをいい、部品とは、作業機用の補用部品のことをいいます。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社クボタ

1,641,439

25.2

1,993,906

28.4

ヤンマーアグリ株式会社

1,079,920

16.6

1,134,377

16.1

日本ニューホランド株式会社

777,030

11.9

793,720

11.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産合計)

 当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ4億82百万円増加し86億47百万円となりました。これは主に現金及び預金が3億42百万円、電子記録債権が1億82百万円、商品及び製品が1億16百万円それぞれ増加し、未収入金が1億63百万円減少したことによるものであります。

(負債合計)

 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ2億14百万円増加し17億47百万円となりました。これは主に電子記録債務が1億49百万円、未払法人税等が1億14百万円それぞれ増加し、退職給付引当金が61百万円減少したことによるものであります。

(純資産合計)

 当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ2億68百万円増加し68億99百万円となりました。これは主に利益剰余金が2億84百万円増加し、自己株式が36百万円増加したことによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

 売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

(営業利益)

売上原価につきましては、人件費の増加や資材高騰の影響を受けましたものの、売上高の増加に加え、原価低減活動・経費削減等の効果により、売上原価率は前事業年度と比べ1.1ポイント改善し、68.7%となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、人件費や旅費交通費が増加したものの、支払運賃効率の改善や減価償却費の減少により、売上高比率が前事業年度と比べ0.4ポイント改善し、23.7%となりました。

以上の結果、営業利益は、売上高の増加等により前事業年度に比べ1億29百万円増加し、5億29百万円となりました。

なお、農業機械事業のセグメント利益は、売上高の増加により、前事業年度に比べ95百万円増加し5億2百万円となりました。

軸受事業のセグメント損失は、売上高の減少に伴い、20百万円(前年同期はセグメント損失25百万円)となりました。

(経常利益)

営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、受取配当金の増加や売上割引の減少等の要因により前事業年度に比べ8百万円増加し、63百万円の収益計上となりました。営業利益から営業外損益を加減した経常利益は、前事業年度に比べ1億37百万円増加し5億93百万円となりました。

(税引前当期純利益)

 特別利益から特別損失を差し引いた純額は、土地の減損損失の計上等の要因により2百万円の損失計上(前事業年度は31百万円の損失計上)となりました。経常利益から特別利益及び特別損失を加減した税引前当期純利益は、前事業年度に比べ1億67百万円増加し5億91百万円となりました。

(当期純利益)

 法人税等合計は、税引前当期純利益の増加により、前事業年度に比べ90百万円増加し、1億91百万円となりました。税引前当期純利益から法人税等合計を差し引きしました結果、当期純利益は前事業年度に比べ77百万円増加し4億円となりました。

 また、1株当たり当期純利益は、前事業年度に比べ6.79円増加し34.75円となり、自己資本利益率(ROE)は前事業年度に比べ0.90ポイント増加し、5.96%となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

1)資金需要

 当社の運転資金需要は主に製造用部品の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。販売費及び一般管理費における主な資金需要は、人件費、支払運賃、旅費及び交通費等であります。また、設備資金需要としましては、生産設備投資や、研究開発投資に加え、情報処理のためのソフトウェア投資等があります。

 これら運転資金あるいは設備資金につきましては、手持資金(利益等の内部留保資金)、銀行借入金及び売上債権の流動化により調達することとしております。また、今後につきましては、安定的な内部留保の蓄積や債権流動化による売上債権の早期資金化等を通じ、一層の財政状態の健全化を図ってまいります。

 

2)財務政策

 当社は、運転資金及び設備資金につきましては、手持資金又は借入により資金調達することとしております。

 このうち、運転資金につきましては、原則として手持資金で賄っておりますが、不足が生じた場合には、都度金融機関からの短期借入で調達しております。また、設備資金につきましては、設備投資計画に基づき、案件ごとに手持資金で賄えるか、不足するかの検討を行い、不足が生じる場には手許流動性資金を勘案の上、金融機関からの短期借入又は長期借入で調達しております。

 なお、当事業年度末における借入金を含む有利子負債の残高は99百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は12億4百万円となっております。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況

 当社は、安定的に利益を出すことのできる体質を構築し、売上高及び営業利益を重視しておりますが、同時に安定性や効率性を計る指標として、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。

 当事業年度における自己資本比率は79.20%(前事業年度比1.47ポイント減少)であり、自己資本利益率(ROE)は目標の10.0%に対して実績は5.96%(前事業年度比0.90ポイント増加)でした。今後も利益計画の達成を図るとともに、これらの指標について改善されるよう取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、原則として自己資金を財源としておりますが、手許流動性資金を勘案の上、必要都度運転資金としての当座借越による短期借入金の調達をしております。手許資金として現預金のほか、電子記録債権等を保有しており、流動性を確保しております。

 当社の資金需要の動向としましては、ものづくり体制の強化、新製品開発や新技術の研究開発、グローバル化への対応等のための投資に充当しております。株主還元につきましては、経営基盤の強化を図り株主資本の充実に努めることにより、将来にわたり継続的、安定的に適正レベルの配当を実施することを基本方針としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢等による社会・経済への影響が今後さらに拡大、長期化した場合には、需要の減退や、生産活動の停滞、受注済み案件の出荷延期に伴う売上の減少の影響等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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