当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の断続的な発令によって、企業活動および個人消費は、極めて厳しい状況で推移しました。その後、ワクチン接種が普及し、9月末に緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が解除されたことにより、経済活動の正常化の動きが見られるものの、新たな変異株による感染拡大、加えてウクライナ情勢の影響により、資源やエネルギー、食料品価格の高騰など様々な経済情勢が混迷を極め、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが主として事業を展開しております新聞業界は、インターネットの普及などに伴い新聞の需要が減退しており、販売部数の落ち込み、広告収入の減少傾向に歯止めがかからない状況です。このため、依然として新聞社の設備投資に対する慎重な姿勢は変わらず、当社にとりまして厳しい事業環境が続いております。
このような状況のなか、当社グループは、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底しつつ、新聞発行という公共性の高い事業を支える社会インフラの提供に努めてまいりました。
また、2022年1月14日に策定いたしました中期経営計画で示した経営理念である「顧客の課題に向き合い、柔軟なカスタマイズ力により新たな価値を創造し、課題解決をサポートする」を基本方針に輪転機事業と新規事業、それを支えるICTプラットフォーム事業の3区分に事業を再構築し、事業構造を複線化することで、早期の業績回復の実現と更なる企業価値の向上を目標に事業活動を展開してまいりました。
具体的には、ランニングコストの大幅な削減を可能とし、かつ環境適合性の優れた「カラートップ・エコワイドⅡオフセット輪転機」を朝日新聞社様の名古屋工場に納入いたしました。そのほか、静岡新聞社様、新潟日報社様、北國新聞社様、読売新聞東京本社様から受注済みの「カラートップ・エコワイドⅡオフセット輪転機」を生産中であり、収益認識基準に従い売上高を一部計上しております。
この結果、当連結会計年度の 売上高は68億5千8百万円 ( 前期比37.0%減 )となり前連結会計年度と比較し減少いたしました。利益面につきましては、 営業損失は6億6百万円 ( 前期は営業利益1億4千1百万円 )、 経常損失は3億8千4百万円 ( 前期は経常利益3億9千6百万円 )となりました。また、特別利益として固定資産売却益 1億6千9百万円 を計上および特別損失としてアドバイザリー費用 3億5千9百万円 、訴訟関連費用 1億1千3百万円 、事業構造改革費用 1億9百万円 などを計上したことなどにより 親会社株主に帰属する当期純損失は8億5千万円 (前期は 親会社株主に帰属する当期純利益3億円 )となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少等により、前連結会計年度末に比べ10億4千7百万円減少した結果、当連結会計年度末には22億6千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は22億3千3百万円(前連結会計年度は16億9千7百万円の使用)となりました。資金増加の要因は主に、売上債権及び契約資産の増減額12億3百万円の減少によるものです。資金減少の要因は主に、仕入債務の増減額21億2千3百万円の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は2億4千5百万円(前連結会計年度は2億7百万円の獲得)となりました。資金増加の要因は主に有形及び無形固定資産の売却による収入3億4千9百万円によるものです。資金減少の要因は有形及び無形固定資産の取得による支出1億8百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は9億3千7百万円(前連結会計年度は4億8千3百万円の獲得)となりました。資金増加の要因は短期借入による収入15億円によるものです。資金減少の要因は主に、短期借入金の返済による支出5億4千7百万円によるものです。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度で割合が10%未満の金額は記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、104億9千5百万円(前年同期は127億9千万円)となり、22億9千5百万円減少しました。現金及び預金の減少(33億2千3百万円から22億7千9百万円へ10億4千3百万円減少)および受取手形、売掛金及び契約資産の減少(78億2千3百万円から66億2千7百万円へ11億9千6百万円減少)が主な要因であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、34億5千7百万円(前年同期は37億3千7百万円)となり、2億8千万円減少しました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、30億4千9百万円(前年同期は41億9千5百万円)となり、11億4千5百万円減少しました。支払手形及び買掛金の減少(29億6千4百万円から9億5千8百万円へ20億6百万円減少)が主な要因であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、29億2百万円(前年同期は35億8千4百万円)となり、6億8千2百万円減少しました。退職給付に係る負債の減少(34億7千2百万円から28億5千2百万円へ6億1千9百万円減少)等が要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、80億円(前年同期は87億4千7百万円)となり、7億4千7百万円減少しました。親会社株主に帰属する当期純損失の計上で利益剰余金が減少したことが主な要因であります。
(売上高)
売上高は68億5千8百万円(前期比37.0%減)と前連結会計年度と比較し減少いたしました。受注を見込んでいた新規案件の契約の翌年度への延期や、案件の更新計画の見直しなどに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による新聞社の設備投資計画の先送りなどもあり、前連結会計年度を下回る結果となっております。
(営業損益)
営業損失は6億6百万円(前期は営業利益1億4千1百万円)となりました。売上の減少に伴う間接費率の上昇による採算の悪化や、利益貢献度の高い当社の保守サービス事業の売上減少などにより、営業損失の計上となりました。
(経常損益)
経常損失は3億8千4百万円(前期は経常利益3億9千6百万円)となりました。営業外収益では、為替差益1億2千6百万円および助成金収入9千7百万円等を計上、営業外費用では、支払利息4千3百万円等を計上いたしました。
(特別損益)
特別利益に、2022年3月に清算結了した連結子会社東機不動産株式会社が所有していた不動産の売却等により、固定資産売却益1億6千9百万円を計上しております。特別損失では、係争関係にあったアジアインベストメントファンド株式会社およびアジア開発キャピタル株式会社との係争関連費用として、アドバイザリー費用3億5千9百万円、訴訟関連費用1億1千3百万円を計上いたしました。また、希望退職者募集に伴う事業構造改革費用1億9百万円を計上いたしました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
税金等調整前当期純損失は7億6千5百万円(前期は税金等調整前当期純利益4億1千万円)となり、法人税等合計7千9百万円、非支配株主に帰属する当期純利益6百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は8億5千万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3億円)となりました。
「第2 事業の状況の3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(業績等の概要)(2) キャッシュ・フロー」を参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社が製造および販売する新聞用オフセット輪転機は、受注から納入までの期間が長く、生産活動による仕入債務の発生から売掛債権の回収までの期間が長いため、一定水準の運転資金の確保が必要であり、資金の流動性には留意しております。
当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末より3.3%増加し、50.3%となりました。また、当連結会計年度末において当社グループとして有利子負債は短期借入金14億5千2百万円およびリース債務1千万円となっております。引き続き資金調達も含めた流動性資金の安定的確保に努めてまいります。
該当事項はありません。
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