課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は創業以来、輪転機及び工作機械の製造会社として長い伝統のもとで真の物づくりに邁進してきたことで、内外の一流のお客様に恵まれ、今日の基礎を築き上げてまいりました。

しかし近年はインターネットの普及に伴う新聞発行部数の減少による市場縮小・需要減により、極めて厳しい経営環境を迎えております。

当社は、経営方針として以下を掲げ、株主の皆様をはじめ当社グループに信頼をお寄せ頂いている方々の期待にお応えしてまいります。

・新聞社との親密感ではなく、顧客満足を追求して対価を得る経営を行う

・主要な機関投資家と定期的に議論を行い、ガバナンス体制を強化する

・自社の強みを再定義し、足りない力は外部に求め、良い製品・サービスを創る

・組織を集約化し、各人が仕事の領域を広げ、グループ全体の利益を追求する

・グループ内各社が対等な関係に立ち、互いの良いところを融合させ、シナジーを創る

・痛みの伴う構造改革を断行し、収益体質を構築し、長期的に公共社会へ貢献する

(2) 中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題

当社は、2022年1月14日に『TKSグループ中期経営計画』を策定し、「顧客の課題に向き合い、柔軟なカスタマイズ力により新たな価値を創造し、課題解決をサポートする」を経営理念として掲げております。

また、経営目標として、2024年3月期までに現在進めている構造改革をやり遂げ、以降の3年間で収益を拡大し、2027年3月期までの復配を目指しております。具体的には、2024年3月期の売上高80億円、営業利益2億4千万円~3億2千万円、ROE3~4%を、2027年3月期の売上高100億円、営業利益7億円~8億円、ROE6~8%を経営目標数値としております。

これらの経営目標を達成すべく、以下の項目を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として、グループを挙げて取り組んでまいります。

1. 財務戦略

バランスシートの構造改革(運用勘定、調達勘定)を進め、効率的な財務戦略を進めてまいります。

(1)新規事業の投資資本の確保(運用勘定の改革)

輪転機の新台は受注から納品までの期間が長く、運転資金を厚めに持つ必要があり、新規事業開発の投資資金が不足することが課題でしたが、支払い条件を重視した受注判断、資金回収が早い保守・メンテナンスに人員リソースを注力することにより、新規事業開発に向けた設備投資を実施してまいります。

(2)グループCMSの導入(調達勘定の改革)

これまで当社グループ各社は、個別に必要資金を金融機関から調達していましたが、今後は窓口を当社に一元化し、グループ各社の資金調達をコントロールすることで、効率的な資金融通を行ってまいります。

 

2. 事業戦略

 「輪転機事業」と「新規事業」、それを支える「ICTプラットフォーム事業」の3区分で事業を再構築し、事業構造を複線化します。

(1)輪転機事業

新台は、顧客業界の収益構造転換に沿った次世代輪転機を開発しつつ、外部との新規協業による調達原価低減により変動費率の大幅削減を進めています。保守・メンテナンスでは、新台買控えに伴う延命需要が増加しており、単価改善、支払条件の改善を顧客と交渉してまいります。

(2)新規事業

新規事業は、輪転機事業で培った技術・製造の人的・物的インフラを活用しつつ、組織改革を通じた生産性の向上により、本格展開を加速化してまいります。

AGVは、引合増加を踏まえて、大阪と千葉の2拠点生産体制を整備しました。競合の少ないカスタム品市場においてリーディングプレイヤーを目指すとともに、外部パートナーとの協業によりFA市場の取込みを狙ってまいります。

加工組立は、本年3月1日に公表しました「新規事業「加工組立事業」開始のお知らせ」のとおり、輪転機新台の生産設備と高度な技術力を活かして、産業機械等の市場のニーズに応える製品づくりを目指してまいります。

(3)ICTプラットフォーム事業

機械制御技術を活かし、各事業の付加価値を高める取組みを推進(輪転機AI、等)してまいります。

 

3. 組織戦略(持続的成長に向けたガバナンス体制の強化、サステナビリティ経営の実践)

 過去の経営の問題に対して真摯に向き合い、痛みの伴う構造改革を断行し、収益体質を構築し、長期的に公共社会へ貢献してまいります。その実現に向けて、中長期に当社株式を保有する機関投資家株主とも定期的に対話を行い、持続的成長に向けたガバナンス体制の強化、サステナビリティ経営の実践に向けた各施策を実施してまいります。

(1)取締役会の独立性・多様性の確保

経営戦略を踏まえた取締役会の構成・スキルセットの検討(専門性の確保)、経営監督機能強化の観点から新たな社外取締役を選任するための議案を2022年6月28日の定時株主総会に上程いたしました。

(2)取締役の任期

株主に対する取締役の受託者責任・説明責任を明確化します。定款上の取締役の任期を1年に短縮するための議案を2022年6月28日の定時株主総会に上程いたしました。

(3)株主との継続的な対話

中期経営計画の内容、計画の進捗、ガバナンス体制について、継続的な対話を実施してまいります。

(4)サステナビリティ経営の実践

改訂コーポレートガバナンス・コード原則2-3、補充原則2-3①の趣旨を踏まえて、サステナビリティを巡る課題は重大なビジネスリスクの減少のみならず、新たなビジネス機会と捉えております。代表的な取組みとして、最先端の研究・生産体制の拠点である「かずさテクノセンター」においては、省資源・省電力を実現した輪転機「カラートップ・エコワイドⅡ」や、AI搭載型輪転機を導入しております。

その結果、①輪転機総重量の削減(金属使用量20%/13.5トン削減)②消費電力の低減(消費電力12%削減)等を実現しております。今後もより一層、推進してまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得