業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中でもワクチン接種等の政策によって経済活動の持ち直しに期待感が高まりましたが、新型コロナウイルスの変異株による感染再拡大、世界的な半導体等の部品不足、原材料価格の高騰など先行きにつきましては、依然として不透明な状況が続いております。

当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染症により、国内外の移動制限に伴う営業活動の停滞など、引き続き事業活動へ影響を受けたものの、次世代通信規格「5G」市場及び半導体向けのパッケージ基板の需要が拡大しており同分野での設備投資が増加したことや中国経済の拡大等により、前連結会計年度と比較して増収増益となりましたが、一方では半導体などの電子部品の供給不足、原油や天然ガスの価格高騰等生産活動の下振れリスクの高まりには十分注意する必要があります。

当連結会計年度の売上高は144億23百万円(前連結会計年度比24.5%増)となり、営業利益は17億70百万円(前連結会計年度比64.1%増)、経常利益は17億31百万円(前連結会計年度比61.8%増)となりました。また、当社において繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、繰延税金資産を計上し、税金費用が抑えられたことなどにより親会社株主に帰属する当期純利益は14億90百万円(前連結会計年度比105.1%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(電子機器部品製造装置)

プリント基板分野では、前連結会計年度に続き次世代通信規格「5G」市場及び半導体向けのパッケージ基板の需要が拡大し同分野での設備投資が増加したことなどから、前連結会計年度と比較し売上高は増加いたしました。

液晶関連分野におきましては、液晶パネルの生産が高水準で推移し生産消耗品の販売は増加いたしましたが、インクジェットコーターの販売台数は減少したため、前連結会計年度と比較し売上高は減少いたしました。

その結果、売上高は46億26百万円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益は9億15百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。

 

(ディスプレイおよび電子部品)

自動車向け印刷製品は、新規顧客向けの生産が順調に推移し前連結会計年度と比較し売上高は増加いたしました。また、工作機械および産業用機械分野についても、半導体などの電子部品の供給不足による納期の長期化を見越した顧客からの先行発注の動きが増加する中、部材調達先の拡大など生産体制維持に努めた結果、売上高は前連結会計年度と比較し増加いたしました。

連結子会社であるJPN,INC.は、フィリピン国内において新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中でも引き続き通常の生産体制を維持し顧客の需要増加に対応した結果、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。上海賽路客電子有限公司についても、次世代通信規格「5G」、産業機械、家電製品などを中心に中国経済の回復傾向が続く中、電子部品実装の需要が増加し前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

その結果、売上高は97億87百万円(前連結会計年度比39.3%増)、営業利益は8億55百万円(前連結会計年度比261.3%増)となりました。

 

b.財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ10億98百万円増加の134億87百万円となりました。

流動資産は、81億46百万円となり前連結会計年度末と比べ11億1百万円増加いたしました。これは現金及び預金が3億63百万円、たな卸資産が3億96百万円、受取手形及び売掛金が2億88百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

固定資産は、53億40百万円となり前連結会計年度末と比べ2百万円減少いたしました。これは有形固定資産が40百万円増加しましたが、無形固定資産が64百万円減少したことなどによるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比べて6億92百万円減少の80億23百万円となりました。

流動負債は、67億47百万円となり前連結会計年度末と比べ17億40百万円増加いたしました。これは、短期借入金が5億70百万円減少しましたが、1年内返済予定の長期借入金が19億67百万円、支払手形及び買掛金が5億42百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

固定負債は、12億76百万円となり前連結会計年度末と比べ24億32百万円減少いたしました。これは長期借入金が23億67百万円減少したことなどによるものであります。

純資産は、54億63百万円となり前連結会計年度末と比べ17億91百万円増加いたしました。これは剰余金の配当を81百万円実施したものの、親会社株主に帰属する当期純利益を14億90百万円計上し、利益剰余金が14億9百万円増加したこと、為替換算調整勘定が3億76百万円増加したことなどによるものであります。この結果自己資本比率は40.5%になりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億48百万円増加し、26億94百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は16億75百万円(前連結会計年度比21.1%減少)となりました。主な増加要因は税金等調整前当期純利益17億24百万円、減価償却費5億20百万円、仕入債務の増加額4億44百万円であり、主な減少要因は前受金の減少額4億10百万円、たな卸資産の増加額3億2百万円、売上債権の増加額1億63百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は3億90百万円(前連結会計年度比22.7%減少)となりました。主な減少要因は有形固定資産の取得による支出4億30百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は11億31百万円(前連結会計年度比65.0%増加)となりました。主な減少要因は短期借入金の純減額5億79百万円、長期借入金の返済による支出4億円、配当金の支払額81百万円であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

電子機器部品製造装置

2,835,325

96.0

ディスプレイおよび電子部品

7,741,041

137.8

その他

1,598

80.7

合計

10,577,964

123.4

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子機器部品製造装置

5,949,265

158.2

3,943,596

150.5

ディスプレイおよび電子部品

10,910,285

150.8

2,021,358

224.9

その他

9,455

102.9

合計

16,869,005

153.3

5,964,954

169.5

 (注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

電子機器部品製造装置

4,626,508

101.6

ディスプレイおよび電子部品

9,787,744

139.3

その他

9,455

102.9

合計

14,423,708

124.5

 (注)1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年2月1日

至 2021年1月31日)

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

兼松㈱

2,336,908

20.2

(注) 当連結会計年度の兼松㈱に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は144億23百万円(前連結会計年度比24.5%増)となりました。

当社においては大型パネル向けのインクジェットコーターの販売が減少し液晶関連分野の売上高は減少いたしましたが、プリント基板分野においては前連結会計年度に続き次世代通信規格「5G」市場および半導体向けパッケージ基板の需要が拡大し、工作機械および産業用機械向けの操作パネルも電子部品の供給不足による納期の長期化を見越した顧客からの先行発注の動きが増加し、共に売上高は増加したことなどから全社ベースでは前連結会計年度の実績を上回りました。

連結子会社においてもJPN,INC.では印刷量産製品の需要が拡大し、上海賽路客電子有限公司でも、中国経済の拡大が続き電子部品実装の需要が増加したことから共に前連結会計年度の実績を上回りグループ全体で前連結会計年度の実績を上回りました。

営業利益は17億70百万円(前連結会計年度比64.1%増)となりました。これは売上高が増加したことが主要因であります。

経常利益は17億31百万円(前連結会計年度比61.8%増)となりました。これは営業利益が増加したことが主要因であります。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、本業に加え為替変動等、営業外のリスクも考慮した経営管理を行うことを目的に売上高経常利益率を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。

当連結会計年度における売上高経常利益率は12.0%となり、前連結会計年度比2.8ポイント増加いたしました。当社グループは、売上総利益率の改善や販売費及び一般管理費の削減など引き続き当該指標の向上に努めてまいります。

 

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

(電子機器部品製造装置)

当セグメントの経営環境は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営環境」に記載のとおりであります。

売上高は前連結会計年度比1.6%増の46億26百万円となりました。液晶関連分野でインクジェットコーターの販売が減少したものの顧客の液晶パネル生産は高水準で推移し生産消耗品の販売は増加したこと、プリント基板分野で次世代通信規格「5G」市場および半導体向けパッケージ基板の需要が拡大し同分野での設備投資が増加したことなどからセグメント全体で売上高はほぼ前連結会計年度と同水準の結果となりました。

営業利益は9億15百万円(前連結会計年度比8.4%増)となりました。セグメント全体で売上総利益率が上昇したことなどが要因であります。

 

(ディスプレイおよび電子部品)

当セグメントの経営環境は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 3.経営環境」に記載のとおりであります。

売上高は前連結会計年度比39.3%増の97億87百万円となりました。

当社においては自動車向け印刷製品、工作機械および産業用機械向けの操作パネルの販売が増加し、連結子会社上海賽路客電子有限公司でも、中国経済の拡大が続き電子部品実装需要が増加し、JPN,INC.では印刷量産製品の需要が拡大したことなどからセグメント全体で売上高が増加いたしました。

営業利益は8億55百万円(前連結会計年度比261.3%増)となりました。セグメント全体で売上高が増加したことなどが要因であります。

 

財政状態の分析は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要があります。

運転資金は、製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、設備資金は、生産設備の能力増強、合理化、更新のための必要資金であります。

これらの資金需要については自己資金および金融機関からの借入金により資金調達しております。このうち、借入金による資金調達は当社において、極度額2,500,000千円のコミットメントラインを含む総額5,904,000千円のシンジケートローンを組成して調達しております。資金の流動性については現金及び現金同等物に加え、コミットメントラインを締結することで十分な流動性を確保しております。

なお、当連結会計年度末の借入金を含む有利子負債の残高は3,969,476千円であります。

また、新型コロナウイルス感染症等により先行きが不透明な中、不測の事態に対しては、コミットメントラインから追加資金を確保できる体制(当連結会計年度末未実行残高1,600,000千円)を整えており、当面安定的な経営が可能な状態にあります。事業環境の急激な変化にも対応できるよう、引き続き、適時に必要資金を確保できる体制を維持してまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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