課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.経営方針

 当社グループは経営理念として、“「独創的」な製品作りに情熱を持って「挑戦」し、会社と社員の永遠の幸福を目指す”を掲げ、1963年の創業以来、技術を原点としたハイテクに情熱を傾ける技術集団として、高い信頼性を得て社会の発展に努力してまいりました。今後も、高付加価値製品の技術開発に注力し、既存市場のみならず、新規市場の開拓を続けてまいる所存であります。この経営理念実現のために、以下のことを当社グループ一丸となって推進してまいります。

(1) 世界一の技術集団として永遠の成長を目指す。

(2) 「人」を大切にし、活躍の場を提供する。

(3) 地域に根ざした企業活動を通じ、経済社会に貢献する。

 

2.目標とする経営指標

 当社グループは本業に加え為替変動等、営業外のリスクも考慮した経営管理を行うことを目的に売上高経常利益率を経営指標としております。コア技術の深掘り、横展開による新製品開発、新市場の開拓および低コスト化の推進により、常に安定的な収益と永続的成長を目指してまいります。

 

3.経営環境

 当社グループの経営環境は次のとおりであります。

(電子機器部品製造装置)

 プリント基板分野では、当社グループはプリント基板の製造工程における研磨、表面処理を行う装置を販売しております。機械剛性が高く幅広い板厚で高精度研磨へ対応できることを強みとしております。当連結会計年度は引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の移動制限に伴う営業活動の縮小を余儀なくされる状況になりましたが、次世代通信規格「5G」市場および半導体向けパッケージ基板の需要拡大に伴い同分野での設備投資が増加し、前連結会計年度と比較して売上高は増加いたしました。今後も高精度研磨に対応する当社グループ製品への需要は堅調に推移すると予想する一方で部材価格の高騰、納期遅延が発生しており生産活動に影響を与えることが懸念されます。

 液晶関連分野におきましては、当社グループは塗布のスピード・均一性に優れた液晶大型パネル向けのインクジェットコーターを販売しております。当連結会計年度は、巣ごもり需要等によるモバイルモニター向けなどの液晶パネルの需要増加に伴いパネル生産が高水準で推移したことから、生産消耗品の販売は増加しましたが、大型液晶パネル向けのインクジェットコーターの販売が減少したため、前連結会計年度と比較して売上高は減少いたしました。足元では液晶パネル需要が増加し液晶パネル投資も活発化しておりますが、長期的視野に立てば今後液晶大型パネル向けの投資は減少していくものと予想しております。

 

(ディスプレイおよび電子部品)

 自動車向け印刷製品は、前年からスタートした新規顧客向けの生産が順調に推移したことにより前連結会計年度と比較して売上高が増加いたしました。今後も業績は堅調に推移する見込みですが、半導体不足等に起因する自動車メーカーの生産調整の影響に注意が必要です。

 工作機械および産業用機械分野については、当社グループは機械の操作パネルを供給しております。内部基板、表示シートを一貫生産し顧客ニーズに的確に対応することを強みとしております。当連結会計年度は半導体などの電子部品の供給不足による納期の長期化を見越した顧客からの先行発注の動きが増加する中、部材調達先の拡大など生産体制の維持に努めた結果、前連結会計年度と比較して売上高は増加いたしました。

 連結子会社であるJPN,INC.は、フィリピンでシルク・ラベル印刷製品を生産しておりますが、同国内で新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中でも通常の生産体制を維持し顧客の需要増加に対応した結果、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。プリント基板実装を主力とする上海賽路客電子有限公司についても、次世代通信規格「5G」、電気自動車(EV)、産業機械、家電製品などを中心とした中国経済の拡大に伴い電子部品実装の需要も増加したことから前連結会計年度に比べ増収増益となりました。中国経済は引き続き堅調に推移していくと思われますが、一方で、世界的な半導体不足の拡大による顧客の生産計画変更や生産拠点の見直しなどによる減産リスクを想定する必要があります。

4.経営戦略及び対処すべき課題

 このような経営環境のもと、当社グループが認識している対処すべき課題及び対応策は次のとおりであります。

 

(1) 高収益の技術集団を目指す

 当社グループは創業以来、顧客ニーズに即した新製品の開発を行うとともに新規顧客の開拓に取り組んでまいりました。今後も顧客に対して、高い生産性の装置を提供すること、オンデマンドに製品提供を行うことが、当社グループの安定と成長に結びつくものであると考えております。そのために、成長見込みの高い分野に対しての開発力強化、不要な在庫の削減、着実なコストダウンの実現など、製造業の原点回帰に注力いたします。また、変化が速くグローバルな市場環境において成長するため、今後も適時・適材・適所をボーダレスに実現する人事制度の再構築を進める所存であります。

 

(2) 財務体質の強化

 機動的な経営を実現するために、財務的基盤を安定させることが重要であると考え、連結キャッシュ・フロー改善を推進してまいります。業務効率改善推進による在庫の削減、債権回収の早期化、歩留りの向上による短納期・低コスト化に挑戦し続けてまいります。また、シンジケートローン契約は、2022年5月期日であります。

 

(3) 環境への配慮

 地球環境問題は、企業の社会的責任として益々重要になることを十分認識し、積極的に取り組んでまいります。当社グループでは、太陽光発電やLED照明への切り替えなどエネルギー使用量削減および紙資源の削減、工場排水等の有害物質管理の徹底などにより、積極的に環境の負荷低減に努めております。

 

(4) 人を活かす経営

 当社グループの目指す企業体制の構築には、既存技術の向上と新技術に対応できる人材の育成が重要と認識し、社員教育の充実と人事制度の改革により、技術および生産性の向上、地域社会への貢献を果たせるよう人材育成、開発に努めてまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上の課題

① さらなる事業の安定化と特定事業領域への依存からの転換

 自動車向け印刷製品においては、前連結会計年度からスタートした新規顧客向けの生産が順調に推移いたしました。電気自動車(EV)の普及等今後大きな事業構造の変化が想定される自動車業界において同事業を安定的に拡張していくため、当社の印刷技術を応用し意匠性の高い特徴的な車載部品を提案し続けることができるよう取り組みを続けてまいります。

 液晶関連分野におきましても、当連結会計年度においては巣ごもり需要等によるモバイルモニター向けなどの液晶パネル需要増加に対応して生産消耗品の売上高が増加し、液晶パネル投資も活発化いたしましたが、長期的視野に立てば、液晶テレビやハイエンドのスマートフォンに搭載されるディスプレイパネルにおいて、有機ELパネルの搭載が増加していることなどから今後液晶パネルの需要の減速が予想されます。このような環境変化に対応するため、当社グループの持つインクジェット塗布技術を液晶関連分野以外の半導体、電子デバイス、エレクトロニクス関連分野など有望な分野へ展開できるように開拓を推進いたします。

 

② 新型コロナウイルス感染症への対応

 新型コロナウイルス感染症の影響は、引き続き社会構造に変化をもたらしており、終息時期や影響の程度が見通せない中、当社グループでは感染対策として、マスクの着用及びうがい、手洗いやアルコール消毒の奨励、定期的な換気の実施などを周知徹底し、従業員の意識を高めております。また、様々な行動制約を受ける中で、Web会議等オンラインシステムを有効に活用し効率的な事業活動を行っております。

 

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