研究開発活動

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、「素材に形をいのちを」を企業理念に、金属、セラミックス、樹脂等の素形材関連設備及び消耗品を主体とするメーカーとして、これら素材の成形を基本としたコア技術とその周辺技術、関連技術に関する研究開発を行っております。特に従来の資源循環型スマート社会の構築に向けた新プロセス・新商品・新事業の提案と実用化に加えて、IT化、再生エネルギー、軽量化などの社会ニーズにも応えるべくグループトータルでの技術開発を推進しております。中でも産業用ロボットに採用が期待される高分解能の力覚センサーを開発し、さらに、介護市場向けに排泄検知センサーの事業を開始するなど、新規事業開発で今後の成果が期待されます。
 研究開発関係等に要した費用の総額は2,589百万円であり、セグメント別の主な研究開発活動の状況及び研究開発費を示すと次のとおりであります。なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない基礎的研究費421百万円が含まれております。

 

(1)表面処理事業

 主に、当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。

 当事業では、ブラスト、研磨精密処理、投射材の3事業部が「サーフェステックカンパニー」として一体化し、お客様の求める「機能」を満たす表面性状を提供するために「最適な処理条件」、それを実現するための「投射材、研磨材」、「装置」及び、適切に処理がなされたことを確認するための評価を含めて開発を行っております。
 直近の取組としては、活発に進められるインフラ開発需要に対し、使用される鉄骨など鉄鋼材料の接合摩擦面の処理を行う鉄骨ブラストのシリーズを拡充のほか、ばねや締結部品などの材料となる線材向けショットブラストの更新機SMIX-0をリリースしました。

 

 

 また新規業界への取組として、金属加工製品の評価技術を応用し、食品への金属異物混入を検出する食品用金属検出装置TecnoeyeTMの販売を進めています。食品製造において金属異物混入は3大危害要因の1つであり、2021年6月から義務化されたHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point 食品等事業者が食中毒菌汚染や異物混入などの危害要因を把握し、除去または低減させるための管理手法)への需要に対応し、食の安心・安全を提案しています。

 当該事業に係る研究開発活動は、432百万円であります。

 

(2)鋳造事業

 主に、当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。

当事業はグローバル市場という視点から見ると、中国・インドを中心に安定的成長が今後も見込まれますが、国内や欧米市場では産業としての成熟期を迎え、品質向上と安定かつ効率的な設備稼働を指向する技術が強く求められています。当社はこれを受け、理想の鋳造工場を「SINTO SMART FOUNDRY(略称SSF)」と名付け、環境負荷の低減を含めたお客様視点での「いい鋳物づくり」への貢献を果たすべく、革新的なIoT応用技術、モニタリング技術の開発を進めております。その成果は、砂管理を高度化するIDSTフィードバックシステム、徹底した見える化とトレサビ対応をサポートする統合管理システム、画像解析による自動検査装置等のSSF商品を計画的に市場投入してきております。

 当該事業に係る研究開発活動は、491百万円であります。

 

(3)環境事業

 主に、当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。

 「働く人の安全と健康を守る」という活動方針に向かい、集塵・排ガス処理・水処理・磨き床の各カテゴリで開発および商品展開を推進しております。集塵分野では、高濃度微細ダストにも対応できる対向パルス方式を採用した、高性能汎用集塵機シリーズ機を開発完了し市場投入しました。この他にも「火の粉消火装置」「早期火災検出システム」「難燃性フィルタ」など、火災リスク低減に寄与する技術・商品や、これらを組み合わせた「火災対策システム」のご提案、作業エリアの環境を把握するシステムなどの開発を推進しています。また水処理分野では、新構造を採用することにより従来機よりも大幅にランニングコストを削減できる新機種を開発し市場投入していますが、この新構造を採用した大容量シリーズ機もラインナップしています。磨き床においては、美観、意匠性の付加価値提供に加え、新規機能付与にも取り組んでいます。

 当該事業に係る研究開発活動は、154百万円であります。

 

(4)搬送事業

 主に、子会社の株式会社メイキコウが中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。

 少子高齢化社会が進む中、工場や倉庫等での入出庫作業における人手不足解消に貢献する省力機械の製品開発を行っており、当期は冷凍コンテナからの食品用荷下ろし装置をリニューアルいたしました。

 感染症の拡大により好調な通販関連業界等においては、機械に不慣れな作業員増加の対応として、より高い安全性を備えた搬送装置「セーフティコンベヤシリーズ」を開発し販売を開始しました。

 また、近年自動車等で一部無人運転が始まっておりますが、工場や倉庫等でも入庫作業の無人化に向けた取り組みを進めており、更なる人手不足解消に対応する商品を開発中です。

 当該事業に係る研究開発活動は、70百万円であります。

 

(5)特機事業

 主に当社が中心となって当該事業の研究開発活動を行っております。

 検査装置分野では、E/HVのインバーターの心臓部となる次世代パワー素子の検査装置において、従来機より高精度・高速・低インダクタンス化した新型テスタの開発を行いました。また、ワークへのダメージが少ない高速・高精度ハンドラの開発を行いました。これにより、ハンドラとテスタをトータルに開発することが出来、装置全体のインダクタンス低減が可能となりました。

 メカトロ分野では「油圧から電動へ」をキーワードに、電気/自動車分野の部品圧入に用いられる電動シリンダのユーザービリティを向上させた改良開発を行いました。さらに、全個体電池の緻密化に使われるオール電動・サーボ化した高圧ロールプレスの開発を完了し市場投入し、また、露点-60度のドライ環境のドライボックスをプロセスセンター内に設置し、お客様のテスト対応し評価を頂いています。
 機能性粉末分野では、新東のコア技術である溶融金属のアトマイズ技術を深耕し、粒径2μmと微細かつ球状の金属ガラス磁性材料を開発・市場投入し、車載用磁性材市場で高評価を得ています。また、新たな金属磁性材料の開発を進め、非常に優れた磁気特性の材料開発に成功しました。

 当該事業に係る研究開発活動は、1,019百万円であります。

 

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