今後の事業環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の継続、原油価格の高騰による樹脂原材料の高騰、ロシア・ウクライナ情勢の影響等による世界経済の混乱、ならびに、半導体不足による電気品納期の長期化及び世界的な物流混乱などの影響を受け、先行きの不透明な状況が続くと予想されます。
当社は、インフレーションフィルム成形機、ブロー成形機及びリサイクル装置の製造販売を主な内容とした事業活動を展開しております。
当社の中核事業の一つであるインフレーションフィルム成形機事業においては、市場は成熟化しているものの、競合他社の新機能製品を上回る製品開発が求められ、生分解フィルム等用途が拡大する分野での新機能開発や特許取得等開発投資が必要です。社会問題となっておりますマイクロプラスチックや廃プラスチック問題に対して、生分解性樹脂、及びバイオプラスチックを用いた包装資材用フィルム成形機の製造生産を引き続き強化してまいります。また、当社は、生産されたプラスチックを資源として循環させることを戦略としており、今後も「リサイクル事業部」を中心にプラスチック資源循環の取組を促進してまいります。ただし、全体的には当社機械のユーザーであるフィルムメーカーは原材料費高騰のため、設備投資には消極的な姿勢が見受けられます。
当社の中核事業の一つであるブロー成形機事業は、購入先の一つである自動車メーカーを中心に飛躍的な技術開発が進んでいます。世界的な半導体不足による自動車生産の停滞という問題がありますので、既存製品分野では大きな伸びは難しいと考えています。これまでのガソリン車を中心とした製造から、将来は電気自動車や燃料電池車(水素自動車)等への移行が進むことが予想されており、従来のニーズを凌駕する変革に対応していく必要があります。そのため、これまでのブロー成形機を基にして、高機能かつ高効率化新製品開発が必要であり、様々な研究開発投資が必要となります。2022年4月にはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業の一部門である「車載機器用高圧水素適合性高分子材料検討ワーキンググループ」に参加が認められ、次世代自動車の研究開発の一翼を担うことになりました。今後、新しい技術開発に向けて研究開発を行ってまいります。
当社は、事業基盤の獲得・拡大を目的としたプラスチックリサイクル機器製造販売並びに廃プラスチックのリサイクル活用等、環境省が主導するプラスチックリサイクルに沿う事業を成長させていくと同時に、当該関連事業を当社グループのもう一つの柱として、成長スピードの向上を目指しております。こうした日々強まる社会的ニーズにこたえ、中核事業として成長せしめることにより、安定した事業運営可能な体制を整えるため、当社事業に関連する企業のM&Aを推進してまいります。
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