業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

(1)業績に関する説明

①経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高42,337百万円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益4,780百万円(同38.8%増)、経常利益5,572百万円(同31.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,541百万円(同35.0%増)となりました。

(ご参考値)事業部別の状況

(単位:百万円) 

事業部

(製品区分)

当連結会計年度
2021年4月1日 2022年3月31日

連結売上高

(前年同期増減率)

連結営業利益

(前年同期増減率)

エアエナジー事業部

25,015

19.9%

2,513

38.0%

 

圧縮機

22,950

18.9%

 

真空機器

2,064

32.2%

コーティング事業部

17,321

17.7%

2,267

39.7%

 

塗装機器

14,451

25.9%

 

塗装設備

2,869

△11.4%

合計

 

42,337

19.0%

4,780

38.8%

 

(注)事業部別の連結営業利益は、当社グループ独自の基準により算定しております。

②財政状態の分析
1)資産

資産は、流動資産が、34,326百万円(前連結会計年度比18.8%増)となりました。これは主に、「商品及び製品」が1,858百万円増加したことや、「受取手形及び売掛金」が1,368百万円増加したことなどによるものです。固定資産は、21,492百万円(同4.5%増)となりました。これは、主にIT投資の強化により 「ソフトウェア」が429百万円増加したことなどによるものです。その結果、総資産は55,818百万円(同12.9%増)となりました。

2)負債

負債は、流動負債が、11,616百万円(同20.9%増)となりました。これは主に、「支払手形及び買掛金」が1,120百万円増加したことなどによるものです。固定負債は、3,992百万円(同7.4%増)となりました。これは主に、「長期借入金」が283百万円発生したことなどによるものです。その結果、負債合計は15,608百万円(同17.1%増)となりました。

3)純資産

純資産は、40,210百万円(同11.3%増)となりました。これは主に、「利益剰余金」が2,487百万円増加したことなどによるものです。また、純資産より非支配株主持分を除いた自己資本は35,623百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末の65.2%から63.8%と1.4ポイントの減少となりました。

③キャッシュ・フローの状態

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます)は、前連結会計年度末に比べ1,273百万円増加し、当連結会計年度末には12,916百万円(同10.9%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

1)営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、資金収支は3,889百万円の収入(同15.5%減)となり、前連結会計年度末に比べ712百万円の減少となりました。これは主に、「売上債権の増減額」の変動により収入が2,038百万円減少したことなどによるものです。

 

2)投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、資金収支は1,078百万円の支出(同1.0%増)となり、前連結会計年度末に比べ10百万円の支出の増加となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」が354百万円増加したことなどによるものです。

3)財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、資金収支は2,103百万円の支出(同7.4%増)となり、前連結会計年度末に比べ145百万円の支出の増加となりました。これは主に、「非支配株主への配当金の支払額」が214百万円増加したことなどによるものです。

 

(2)生産、受注及び販売の状況

①生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

セグメント

金額(百万円)

前期比増減率(%)

日本

18,665

8.9

ヨーロッパ

1,705

23.4

アジア

13,057

45.7

その他

692

46.7

合計

34,122

22.1

 

(注) 1.アジアの増加は、主に圧縮機及び塗装設備を製造している中国の子会社実績等によるものです。

2.その他の増加は、主に圧縮機及び真空機器を製造しているアメリカ及びブラジルの子会社実績等によるものです。

②受注実績

当連結会計年度における塗装設備の受注状況は、次のとおりであります。

セグメント

受注高(百万円)

前期比増減率(%)

受注残高(百万円)

前期比増減率(%)

日本

2,308

102.9

1,453

259.2

ヨーロッパ

アジア

1,171

19.4

420

△ 46.5

その他

3

△ 94.2

合計

3,483

59.3

1,873

57.6

 

(注) 1.この受注及び受注残高は、塗装設備製品のものです。塗装設備製品以外は受注から販売までが短期間であり、受注及び受注残高の管理対象としておりません。

2.日本の受注及び受注残高の増加は、主に自動車生産に関連した設備投資が増加したことなどによるものです。

3.アジアの受注残高の減少は、主に中国における木工品生産に関連した設備投資が減少したことなどによるものです。

4.その他の受注高の減少は、主にメキシコにおける自動車生産に関連した設備投資が減少したことなどによるものです。

③販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメント

金額(百万円)

前期比増減率(%)

日本

16,313

3.6

ヨーロッパ

5,484

29.7

アジア

14,492

32.3

その他

6,045

30.0

合計

42,337

19.0

 

(注) 1.ヨーロッパの増加は主にフランス、イタリアの塗装機器の販売が増加したことなどによるものです。

2.アジアの増加は、主に中国の圧縮機及び塗装設備の販売が増加したことなどによるものです。

3.その他の増加は、主にアメリカの圧縮機の販売が増加したこと、及び同国の連結子会社にて事業を譲り受けたことにより塗装機器の販売が増加したことなどによるものです。

 

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①概要及び経営成績

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進み、回復基調が続きました。一方で、米国金利の上昇、ヨーロッパ東部における紛争など地政学的リスクの顕在化や継続する半導体不足、資源価格の高騰などにより、景気悪化への懸念が高まっています。日本経済においては、継続する原材料費や物流費の高騰、半導体不足などに伴う生産計画の見直しなどを受けて、回復は力強さを欠く状況が続きました。
 このような状況の中、当連結会計年度の業績は、売上高42,337百万円(前連結会計年度比19.0%増)、営業利益4,780百万円(同38.8%増)、経常利益5,572百万円(同31.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,541百万円(同35.0%増)となりました。これらの結果により、当連結会計年度のROEは10.4%(同2.1ポイント増)となり、売上高及び全ての利益指標で創業以来の過去最高実績を実現いたしました。自己資本比率は63.8%と1.4ポイント減少しております。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という)等の適用により、売上高は457百万円減少、営業利益、経常利益はそれぞれ80百万円減少しております。

②セグメントの業績

当社グループで採用しております地域別セグメントの状況は以下のとおりです。なお、セグメントの業績の詳細については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-〔注記事項〕」の(セグメント情報等)をご参照ください。

(日本)

売上高は22,967百万円(前連結会計年度比9.5%増)、セグメント利益は3,304百万円(同26.2%増)となりました。
 圧縮機製品では、電動機及び電装機器等における供給遅延の影響を受けましたが、購買部門による粘り強い部材調達や顧客離れ防止を目的とした販売キャンペーンの実施などが売上を下支えしました。
 真空機器製品では、依然として半導体需要の拡大が続いており、半導体製造関連装置向け真空ポンプの売上が大きく伸長しました。
 塗装機器製品では、塗料メーカ各社に対する認証取得活動を進め、自動車補修市場向けスプレーガンの売上伸長を図りました。塗装ブースについては、技術者が営業員とともにWEBを活用したリモート商談へ参画したことで受注促進となり、売上は回復基調となりました。
 塗装設備製品では、新型コロナウイルス感染症により営業活動が停滞した影響から売上は減少しましたが、活動制限の緩和に伴い商談が活発化してきたことから来期物件の引合獲得及び受注残は増加傾向にあります。

(ヨーロッパ)

売上高は5,841百万円(前連結会計年度比31.3%増)、セグメント利益は447百万円(同48.5%増)となりました。
 圧縮機製品では、ドイツを中心としたEU諸国において、販路開拓が進展したことでオイルフリー圧縮機の需要が拡大し、売上は伸長しました。
 真空機器製品では、回復基調が続く経済に支えられ、売上は底堅く推移しました。
 塗装機器製品では、変異株の感染拡大下でも、デジタルツールを活用した販促策の実施や塗料販売店との連携強化といった積極的な営業活動の成果により、主に自動車補修市場向けスプレーガンの売上が伸長しました。また、エアーブラシについては、ECサイトを経由した販売が拡大するなど、需要は引き続き好調に推移していま
す。

 

(アジア)

売上高は16,557百万円(前連結会計年度比28.4%増)、セグメント利益は1,475百万円(同41.1%増)となりました。
 圧縮機製品では、年度末にかけて中国子会社の輸出やインド子会社の医療向け圧縮機における販売の拡大には一服の兆しが見られましたが、受注状況は高水準を維持しており、売上は伸長しました。
 真空機器製品では、第3四半期連結会計期間に引き続き中国や東アジアにおいて半導体製造関連市場における需要の拡大や短納期を評価されたことによる受注の獲得などにより、売上が伸長しました。
 塗装機器製品では、東南アジアにおいて新型コロナウイルス感染症の影響により停滞が続いていましたが、規制緩和を受けて回復基調に転じています。
 塗装設備製品では、中国において工事計画が延期されていた案件を着実に納入したことで、売上は伸長しました。東南アジアにおいては、設備投資への慎重な姿勢が続いたことから、受注状況は停滞しています。
(その他)

売上高は6,414百万円(前連結会計年度比30.2%増)、セグメント利益は728百万円(同67.2%増)となりました。
 圧縮機製品では、医療向けや一般工業向け圧縮機の売上が伸長しました。
 真空機器では、新規顧客開拓の奏功や値上げ前の駆け込み需要により、売上が伸長しました。
 塗装機器製品では、第1四半期連結会計期間に実施した事業の譲受によって新規顧客を開拓できたことで、自動車補修市場向けハンドスプレーガンの売上が伸長しました。また、エアーブラシについては、依然として好調に推移しております。

③資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの財源については自己資本を基本としつつも、一部、金融機関等からの借り入れにより調達しています。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は、海外子会社を含む設備投資、M&A等によるものであります。
 また、当社グループの当連結会計年度末において、短期借入金856百万円に対して現金及び現金同等物の期末残高12,916百万円と資金の流動性を確保しています。なお、当座貸越限度額及びコミットメントライン契約額約15,446百万円を結んでおり、これらの契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は377百万円です。

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。当社が採用する重要な会計方針については、「第5〔経理の状況〕-1〔連結財務諸表等〕-〔注記事項〕」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)をご参照ください。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、権限を明確に定め、適切な情報に基づく判断に努めていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
 新型コロナウイルス感染症に関する仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の (追加情報)に記載しております。
 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の (重要な会計上の見積り)をご参照ください。

(有形固定資産及びのれんを含む無形固定資産の減損)

固定資産の減損損失の認識の判定においては、将来キャッシュフローを見積もった事業計画をもとに行っております。当社グループは事業拡大を目的としてM&Aを含む子会社等への投資を積極的に行っているため、特に関係会社株式等や子会社等の保有する固定資産、のれんの減損損失の判定、及びのれん計上時の償却年数の算定は当社グループの業績等に重要な影響を及ぼすと認識しており、その際に使用される見積りや前提条件については慎重に検討し取締役会が監督することで適切性を確保しています。しかしながら、市場環境の変化等により、将来キャッシュ・フローの見積りの前提条件が変化した場合には、減損損失が認識されるか否かの判定及び減損金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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