課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、確約されたものではありません。

(1)グループ経営ビジョン

当社グループは、100年企業へ向けて以下の「グループ経営ビジョン」を定めております。

・お客様の立場に立ち、誠心を込めて高性能かつ高品質な製品とサービスをご提供できる、活力と新規性に満ちた開発型企業となる。

・コストダウンや社内コア技術を中心とした改良型商品開発から、市場のニーズを確実に捉え、さまざまな企業とコラボレーションする柔軟な企業となる。

・世界No.1を目指して、グループの全従業員が一丸となり、お客様満足度の最大化に努め、革新的な技術・製品を常に生み出していく、「真のグローバルワン・エクセレントメーカ」になることを目指す。

(2)経営方針・経営戦略等

3ヶ年にわたる新たな中期経営計画に基づく事業活動を2023年3月期より開始しております。

この計画に基づき、成長市場を海外と位置付け、「真の開発型企業」として、「全ての顧客に感動を与える商品開発」と「高性能・高品質」を提供し続けてまいります。

新中期経営計画の概要

①数値目標
  目標(2025年3月期)評価指標(KGI)
  連結売上高500億円以上、連結営業利益55億円以上、ROE10%以上
 (オーガニック成長を基本。以下、内訳としてのご参考値)
  1)エアエナジー事業
     連結売上高295億円以上、連結営業利益29億円以上
  2)コーティング事業
     連結売上高205億円以上、連結営業利益26億円以上

 


 

②コンセプト

専業メーカである当社にとって、対象市場において社会課題の解決に貢献しうる製品・技術を創造し、社会に幅広く提供することは使命であり、そのように社会的価値を追求し、新たなビジネスチャンスを獲得することが当社の成長につながる。

③基本戦略

 1)世界で各地域に見合った「ONLY ONE」の商品をつくり、「NUMBER ONE」のシェアを獲得

  2)子会社間のシナジーを最大限に活用し効果を発揮

 3)日本におけるサービスビジネス拡大とビジネスモデルの変革

 4)新規事業の開発

 5)サステナビリティ経営の強化

a.専業メーカである当社がE,S,Gのそれぞれを大切にしてきたことが2021年度の最高収益達成の原動力であり、その継続・強化が「500&Beyond」の中心にある考え方。「VISION 2030(液体と気体で世界を彩り社会を豊かに)」を掲げマテリアリティの考察、サステナブル・ゴールを設定

b.人材への投資と育成

・今中計期間には人材への投資を重視し、総人件費マネジメントの採用により「一人ひとりが稼ぐ」力を強化、労働生産性の向上

・企業価値向上に向けた、働き方改革の進化と健康経営の継続

c.SDGsの観点に立った製品開発と社会への貢献

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題

次期連結会計年度においては、新中期経営計画をもとに、新型コロナウイルス感染症や地政学的リスクに左右されない強力な経営基盤の確立を実現してまいります。事業拡大の主戦場を海外市場と位置付け、エリアの特性に対応した成長戦略を個別に策定し、世界的に不確実性が高まる状況においてもグループ全社を挙げて経営資源の有効活用を進めます。
 このような経営環境の中、当社グループは、持続的な成長を確保するため多角的な投資を強化してまいります。新たなニーズを開拓する新規事業の開発や、グローバル展開を推進する多様な人材を育成すべく人的投資や開発投資を拡大し、100周年を超え全てのお客様に感動を提供する「真の開発型企業」を目指してまいります。

・事業推進における社会課題への取り組み

エアエナジー事業では、当社が世界で初めて発売したオイルフリースクロールコンプレッサの技術を応用してスクロール膨張機の開発を進めています。当社が蓄積してきたノウハウによって、工場の余剰エネルギーとして排出される水蒸気の再利用の可能性を追求することで、CO2の排出削減に貢献してまいります。また、オイルフリー機の販売比率を高めることで、工業用潤滑油の使用量を削減し環境負荷の低減を目指してまいります。
 コーティング事業では、ほぼ100%の塗着効率を実現する新たな霧化方式であるエレクトロスプレー法の実用化や、VRやIoTなど完全自動化技術を活用した塗装設備の提案などを通じて、環境にやさしいコーティング技術の普及に努めています。さらに、環境負荷の少ない「VOC(揮発性有機化合物)排出ゼロ」の塗装設備の開発に注力してまいります。

・サプライチェーンの最適化

新型コロナウイルス感染症を含む様々な不確実性によるサプライチェーンの分断を回避するため、サプライヤーごとのBCPを策定し、特に特殊な材料や加工、処理を必要とする部品や海外における一国集中生産等に関しては、サプライヤーへの取引条件の支援等とともに、サプライヤー並びに生産地の追加等を進めています。
また、かねてより、生産効率の向上とサプライチェーンの安定化を目指した生産計画改革を進めてまいりましたが、安定した生産と製品供給を実現するため、この改革をさらに強力に推進してまいります。

・お客様との関係性・接点を強化する業務改革

ITの急速な進展により事業環境が大きく変化している状況に対応するため、多様なデジタル経路から製品・サービスに関する情報に容易にアクセス可能な環境を構築することで、世界のお客様に最適な接点を築きブランドの浸透・強化を推進します。加えて、デジタルでお客様とつながる環境の構築を通じて、多様化するニーズに応える製品開発をより一層強化してまいります。

・従業員と家族の健康維持による組織の活性化

当社グループが持続的な成長を遂げる豊かな社会の実現に貢献するためには、従業員とその家族の健康を維持・増進させることが必要不可欠な要素であると認識しています。当社は、代表取締役社長執行役員を健康経営推進最高責任者(CHO:Chief Health Officer)とし、健康経営推進委員会をはじめとした関連部署が一体となり、ヘルスリテラシーの向上やライフワークバランスの確保に向けた働き方改革に取り組んでいます。
 当連結会計年度には、一連の活動が評価され、経済産業省と日本健康会議から「健康経営優良法人2022(ホワイト500)」に、経済産業省と東京証券取引所から「健康経営銘柄2022」に認定されました。今後とも従業員とその家族の健康増進に取り組み、「機械セクタにおけるホワイト企業トップ」を目指してまいります。

 

 

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