業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、前期数値並びに比較増減数値は、会計方針の変更に伴う遡及適用影響額を反映させております。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度の業績に関し、受注高は、グループ全体で155億69百万円(前期比35.0%減)と前期比で減少となりました。主な要因として、上下水道事業において水道事業体の浄水施設改良・更新・改修等の工事受注は引き続き安定して推移しているものの、大型浄水場建設・更新等の整備計画に係る工事発注遅延による減少や、環境事業における民間工場での投資見直しによる減少等が重なり、前期比で減少しました。その結果、当連結会計年度末における受注残高は、260億38百万円(前期比21.6%減)となりました。

 売上高は、グループ全体で226億62百万円(前期比10.0%減)と前期比で減少となりました。主な要因として、浄水場建設案件での出来高進捗が堅調に推移した一方で、前期末における大型下廃水案件の完工に伴う反動減や、環境事業、機器事業とも受注減少により総じて減収となり、前期比で減少しました。

 損益の状況については、工事完工の減少及び事業全般での減収により売上総利益は前期比で減益となり、また、本社改装に係る修繕費の支出等に伴う販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は10億70百万円(前期比29.4%減)と前期比で減益となりました。経常利益は、関連会社への債務保証に対する損失見込み額を持分法による投資損失として計上した結果、1億63百万円(前期比89.3%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は39百万円(前期比95.1%減)となり前期比でそれぞれ減益となりました。

 

セグメント別の課題への取り組み概況及び業績については、次のとおりであります。

[上下水道事業]

(課題への取り組み概況)

・グループ一体での顧客対応による収益基盤の強化

 グループ内において、顧客との接点の最前線であるメンテナンス窓口からの更新情報に関する共有体制の整備を図り、グループ内営業組織体制の最適化検討に着手しました。体制整備の一環としてグループ内での人的リソースの流動的な活用及び人材交流促進のための賃金・等級制度統一を実施いたしました。

・DB案件、DBO案件への取り組みによる将来の収益機会の確立

 今後増加が見込まれるDB案件、DBO案件への対応として、価格並びに技術的な競争力向上や人的リソース確保並びにM&Aを活用した生産体制の整備・強化を引き続き進め、参画体制の強化を図って参りました。

・下廃水分野での収益拡大

 契約案件の完工実績を基に、更新期を迎える施設の探索並びに入札参加を継続することにより、受注拡大を引き続き推進して参りました。

(業績)

 受注高は、浄水場における保守・メンテナンス・修繕は堅調に推移する一方で、当社納入顧客における浄水場大型更新案件の計画・発注が遅延し、143億2百万円(前期比36.0%減)となりました。売上高は、浄水場建設案件等での出来高進捗が堅調に推移したものの、前期末における大型下廃水案件の完工に伴う反動減もあり、213億4百万円(前期比8.2%減)、営業利益は11億14百万円(前期比21.3%減)となりました。

[環境事業]

(課題への取り組み概況)

 Webサイトを活用した顧客開拓手法の導入や難分解性の廃水処理案件への営業展開に注力するとともに、引き続きメンテナンスを起点とした既存顧客への営業強化を行い、受注増への取り組みを進めて参りました。

(業績)

 受注高は、工場向け用廃水設備の受注が減少し、6億19百万円(前期比34.1%減)となりました。売上高は、民間向けメンテナンス案件が堅調に推移しましたが、受注減少により7億22百万円(前期比42.2%減)、営業損失は51百万円(前期は営業利益60百万円)となりました。

[機器事業]

(課題への取り組み概況)

 新たに上市した機能改良製品や災害時に利用する非常用浄水機の拡販を進めるとともに、生産、品質管理体制の整備に取り組んで参りました。

(業績)

 受注高は、薬品注入装置や減圧弁などの浄水場向け標準製品の販売が堅調であった一方、災害対策用小型造水機の発注繰越により6億47百万円(前期比2.8%減)、売上高は6億23百万円(前期比7.5%減)、営業利益は0百万円(前期比99.0%減)となりました。

[その他の事業]

 不動産賃貸等を行った結果、売上高は12百万円(前期比62.2%減)、営業利益は6百万円(前期は営業損失0百万円)となりました。

② 財政状態の状況

(流動資産)

 前期と比較して6億56百万円減少し、169億81百万円となっております。主な要因は、現金及び預金が6億11百万円増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が15億8百万円減少したこと等によるものです。

(固定資産)

 前期と比較して3億18百万円増加し、47億70百万円となっております。主な要因は、有形固定資産が5百万円、無形固定資産が35百万円、投資その他の資産が繰延税金資産の増加により2億78百万円増加したことによるものです。

(流動負債)

 前期と比較して10億86百万円減少し、84億69百万円となっております。主な要因は、賞与引当金が4億14百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が12億24百万円、短期借入金が4億94百万円減少したこと等によるものです。

(固定負債)

 前期と比較して8億84百万円増加し、35億43百万円となっております。主な要因は、持分法適用に伴う負債が8億70百万円増加したこと等によるものです。

(純資産)

 前期と比較して1億35百万円減少し、97億40百万円となっております。主な要因は、利益剰余金が1億96百万円減少したこと等によるものです。
 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益1億63百万円の計上、売上債権の減少15億8百万円があった一方、仕入債務の減少7億84百万円があったこと等から、前連結会計年度末に比べ6億15百万円増加し、当連結会計年度末には54億48百万円(前期比12.7%増)となりました。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果収入となった資金は、16億33百万円(前期は4億55百万円の支出)となりました。これは主に税

金等調整前当期純利益1億63百万円、売上債権の減少15億8百万円の計上があった一方、仕入債務の減少7億84百

万円、法人税等の支払2億22百万円があったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、2億47百万円(前期は68百万円の収入)となりました。これは主に有形固定資

産の取得による支出2億7百万円、無形固定資産の取得による支出65百万円があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、7億69百万円(前期は2億51百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入30億円があった一方で、短期借入金の返済による支出35億26百万円、配当金の支払額2億35百万円があったこと等によるものです。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

a) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

上下水道(百万円)

21,159

92.3

環境(百万円)

702

56.9

機器(百万円)

625

93.8

合計(百万円)

22,487

90.6

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の生産実績は、外注加工費及び購入部品費を含んでおります。

 

b) 受注実績

 当連結会計年度の受注実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 当社グループは主として受注による生産を行っておりますが、一部見込みによる生産を行っております。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

上下水道

14,302

64.0

25,829

78.4

環境

619

65.9

165

61.8

機器

647

97.2

43

224.0

合計

15,569

65.0

26,038

78.4

(注)当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。

 

c) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

上下水道(百万円)

21,304

91.8

環境(百万円)

722

57.8

機器(百万円)

623

92.5

 報告セグメント計(百万円)

22,649

90.1

その他(百万円)

12

37.8

合計(百万円)

22,662

90.0

(注)当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載の通りとなります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a) キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りとなります。

b) 資金調達の状況

 当社は、資金効率及び調達コスト等の観点から、自己資金及び工事契約に基づく顧客からの工事前払金により資金調達を行っております。

c) 資金需要の状況

 当社の資金需要のうち、主なものは運転資金となります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入の他、仕入のうち大きな割合を占める外注製作・工事費の外注作業等に係る支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、設備更新・成長投資や株主還元等があります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来発生する事象に対しての見積り及び仮定設定を行う必要があり、経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と判断した見積りや仮定を継続的に採用しております。しかしながら、これらの見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、新型コロナウィルス感染症の影響に係る仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載の通りとなります。

a) 収益及び費用の計上:当連結会計年度末までの進捗部分について工事請負契約等を締結の上で履行業務を認識し、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行業務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。

 履行業務の充足に係る進捗度の測定は、各報告機関の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っております。

b) 受注損失引当金:受注工事の損失発生に備えるため、当連結会計年度末の手持受注工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見込額を計上しております。

c) 貸倒引当金:取立不能の恐れのある債権には、必要と認める額の貸倒引当金を計上しております。

d) 繰延税金資産:法人税に対応する繰延税金資産は、評価性引当額を除きその全額が回収可能であるとの判断に基づき計上しております。

e) 投資の減損:保有する取引先等及び関係会社の株式等について、上場株式は、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合に、また、非上場株式及び関係会社株式・出資金は、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合に、将来の回復可能性を検討し、評価損を計上しております。

 

 

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