研究開発活動

5 【研究開発活動】

当社グループは、創造的な知恵と技術で多種多様な流体制御と自動化の技術を活かし、豊かな社会づくりに貢献できる商品の開発をしております。また、市場のタイミングを逃がさないスピードでお客様に満足いただける商品とサービスが提供できるように、開発・生産・販売の各部門が組織的な活動を進めております。

商品開発の基本指針としましては、「グローバル化を推進するための海外商品開発の活動」「環境対応ビジネスを促進するエコ商品の開発活動」「5年10年後を見据えた先端技術開発活動」に取組んでまいりました。

当連結会計年度における各事業部門の研究開発項目は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の研究開発費は、3,639百万円であり、各セグメントに配分できない基礎的研究費用440百万円が含まれております。

 

(1) 自動機械部門

当部門では、環境への配慮と社会に貢献する商品開発に取組んでおります。薬品包装部門ではFBPシリーズを多数お使いいただいているお客様への生産サポートを充実させるサービスツールの開発を進めています。コロナ禍の中で人の移動や接触が制限される環境での生産支援を可能とする「視野共有・遠隔制御」システムを開発し、グループ会社のCKDフィールドエンジニアリング (株) を活用することにより、お客様にご満足いただけるサポートビジネスを展開しております。今後も生産データを活用した生産性向上支援や予知保全など、充実したサポートをご提供するための商品開発に取組んでまいります。

薬品包装機の売上拡大のため事業の軸を海外にシフトする商品開発も進めています。中国の薬品包装市場を攻略するため新型機開発をシリーズ化で行い、中国市場に日本品質の安定生産を提供する商品を投入していきます。

電池部門では、車載用電池の市場拡大に伴い、リチウムイオン電池用巻回機の開発で培った技術を基に、安全・高品質な電池生産を可能とする設備を提供し、更なる生産性向上への取組みを進めるとともに、電池の性能・寿命を向上させる技術開発に取組んでまいります。

はんだ印刷検査部門では、中国市場や成長市場である車載関係に向け、VPシリーズをよりグローバルに展開できるよう“デザイン”と“操作性”にこだわった「VP9000シリーズ」のバリエーションを拡充するとともに、シェア拡大のために更なるコストパフォーマンスの高い機種の開発も進めてまいります。

食品包装部門では、当社の強みである加熱、深絞り成形、シール、MAPに関するコア技術を活用し、フードロスを減らす提案機種の開発や、脱プラスチックに寄与する包装技術の開発に取組んでまいります。

また、発売中のVパックの技術や新素材の成形技術を応用して新たなビジネスの土台を固めてまいります。

新市場向け開発として、薬品包装機で培った当社のコア技術である画像検査技術を応用した、透明体検査装置IS-UVCL01の機能を向上させ、目視では検査できない透明フィルムの穴あき検査やガラスの検査など新たな市場へ展開を図ります。

研究開発費の金額は、636百万円であります。

 

(2) 機器部門

将来を見据え「電動事業の強化・拡大」と「成長業種攻略に向けた商品開発」を重点に取組んでおります。特に当社の強みを活かした電動機器と空気圧機器を融合した商品など、お客様にとってベストな提案ができる商品を目指しております。また、サスティナブルな企業として、カーボンニュートラル、温室効果ガス抑制、産業廃棄物の削減など環境へ配慮した環境負荷低減商品の開発に継続的に取組んでまいります。

電動事業では、回転型ダイレクトドライブモータで好評を頂いておりますABSODEX™(アブソデックス™)に続く商品として、直動型電動アクチュエータをROBODEX™(ロボデックス™)と命名し、新たな商品群として電動事業の更なる強化・拡大に取組んでおります。二次電池製造工程用P4※シリーズに電動アクチュエータを追加、スライダタイプEBS-Lに低発塵仕様を追加するなど、ROBODEX™をご使用いただけるシーンを大幅に拡げました。

製造業における生産性向上のニーズが高まる中、急激に加速するIoTやAIのデジタルテクノロジーの一手として、ROBODEX™用コントローラなどを介して当社の豊富な製品機種群を『つなげる』ことができ、データ収集や簡単な制御を行うことができる、ExiaStudio™デバイスビジュアルプログラミングツールのパイロットセールスを開始しました。また、ExiaStudio™に、2021年発売後好評を頂いております専門的なプログラミングスキルを必要としない画像処理ビジュアルプログラミングツールFacilea™を組み合わせて連携することで、高度なIoTシステムを簡単に構築することが可能になります。

女性やシニアの活躍をサポートする助力装置パワフルアームPAWシリーズをさらに安心して安全にお使いいただけるようにメカロック仕様を追加しました。メカロック機構により急激なワーク質量の変化によるアームの浮き上がりや沈み込みを解消して作業性が向上するうえに、動力 (エアー、電力) ダウン時でも位置を保持するので安全性が向上しました。

環境負荷低減商品といたしましては、カーボンニュートラルへの取組みでクリーンエネルギーとして期待されている水素の利活用分野において、水素ガス燃焼システムの構築に欠かせない水素対応遮断弁や流量切替電磁弁を業界に先駆けて発売いたしました。今後も機種を拡大してお客様のカーボンニュートラルへの取組みを強力にサポートしてまいります。

バイオマス発電、水処理プラントなど環境施設で活用いただいている屋外向け商品WPシリーズに新たに4シリーズを追加発売、10シリーズにバリエーションの追加を行い商品ラインナップの充実を図りました。さらに屋外での設備使用を想定して仕様面でも使用温度範囲をマイナス20℃へ拡げるなど、屋外機器の必要条件追求、使用領域とバリエーションを拡大しました。過酷な環境下の屋外設備をサポートしてまいります。

高耐久機器HPシリーズに新たに2シリーズを追加発売、4シリーズにバリエーションの追加を行い、商品ラインナップの充実を図りました。HPシリーズについては、機械の長寿命化を実現し、廃棄物を削減させることで製品ライフサイクルにおけるカーボンニュートラルに大きく貢献するものであり、今まで進めてきた環境に対する取組みや姿勢を認めていただき、2021年に「愛知環境賞」最高の金賞を受賞いたしました。引き続き2022年度もシリーズの拡充を進めてまいります。

研究開発費の金額は、 2,562 百万円であります。

 

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