当連結会計年度における当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業集団が判断したものであります。
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国経済は、一昨年から続く世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、雇用・経済・社会生活・企業活動において極めて厳しい状況が続きました。加えて、半導体やその他部品の供給不足、原材料価格の高騰の影響及び地政学リスク等の要因もあり、先行きについて不透明な状況にあります。
当企業集団を取り巻く環境は、外食産業では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための外出自粛や営業時間の短縮要請などにより売上が減少しており、依然として厳しい状況が続いておりますが、政府による各種経済政策などにより、業態転換や改装といった設備投資の動きも見られます。また、流通産業では、コロナ禍における生活習慣の変化や家庭内消費の増加によって食品需要が高まり、設備投資の需要は堅調に推移しておりますが、個人所得や消費マインドの停滞などが続けば、先行き不透明な状況が続くと予想されます。
冷凍冷蔵庫販売では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるテイクアウトなどの需要増加に伴い、ブラストチラーやドゥコンディショナー、コールドロッカーなどの売上が増加しました。ファストフード向けなどの販売が堅調に推移し、業務用冷凍冷蔵庫の売上も一昨年の水準には至らないものの回復傾向にあったため、売上高は212億8千万円(前年比7.1%増)となりました。
医療・理化学製品販売では、病院・クリニック向けにメディカルフリーザーや薬用保冷庫などの汎用性の高い製品の売上が好調だったことや、調剤薬局・ドラッグストア向けの販売が増加したこと、再生医療等の研究施設向けの販売が堅調だったことなどにより、売上高は23億8千2百万円(前年比17.5%増)となりました。
冷凍冷蔵ショーケース販売では、昨年度下期に引き続き、スーパーマーケットやドラッグストアにおいて店舗の改装需要を中心に売上が堅調に推移しました。また、コンビニエンスストア向けに、自然冷媒を採用したショーケースの売上も増加したため、売上高は363億2千8百万円(前年比16.2%増)となりました。
大型食品加工機械販売では、トンネルフリーザーにおいては、大手食品メーカーやコンビニベンダーを中心に設備投資意欲が回復し、冷凍食品やチルド弁当などの需要増加に伴い売上が増加しました。また、収益認識会計基準等の適用により、進行中の食品工場向けの売上を計上した結果、売上高は74億2千万円(前年比54.5%増)となりました。
大型パネル冷蔵設備販売では、食品工場やEC拡大を背景にした物流倉庫などへの設備投資が活発であり、大型物件の売上が堅調に推移しました。また、収益認識会計基準等の適用により、進行中の低温物流倉庫などの売上を計上した結果、売上高は123億1千1百万円(前年比23.9%増)となりました。
小型パネル冷蔵設備販売では、引き続きスーパーマーケットにおいて店舗の改装需要に伴った受注が増加したことなどにより、売上高は61億7千7百万円(前年比10.7%増)となりました。
サービス販売では、各製品の販売拡大に伴いメンテナンス売上、保守契約ともに売上が増加しました。トンネルフリーザーの冷凍機入れ替え等の大型メンテナンス需要もあり、売上高は101億7千2百万円(前年比13.3%増)となりました。
製造部門においては、生産計画の調整や製造ラインの改修などを行い、需要の増加に柔軟に対応いたしました。半導体不足や原材料価格高騰の影響により、製造原価が膨らみ、部品の転注や生産効率の向上による原価低減など、影響を最小限にとどめるよう製販一体となって取り組みました。世界的な新型コロナウイルス感染症の感染拡大による物流の混乱、自然災害による材料メーカー被災等の影響により、第2四半期から期末にかけて生産の遅れや受注を停止する局面がありましたが、3月に受注を再開しております。現在も部品供給は不安定な状態が続いておりますが、通常生産に向けて全力を尽くしてまいります。
ガリレイグループでは、サスティナブルビジョン「Dramatic Future 2050」を策定し、2050年までに食品の生産からテーブルに並ぶまで温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることに挑戦します。2022年1月に、岡山工場に自家消費型太陽光発電設備を導入し、それに加えて、購入する電力を全て再生可能エネルギー由来の電力に切り替え、100%再エネ電力工場となりました。2022年3月には、滋賀(水口)工場に自家消費型太陽光発電設備を導入しております。このほか、「グリーン冷媒への転換」「環境性能の高い製品を開発・提供」「冷媒ガス漏洩防止」のアクションを戦略的に推進し、バリューチェーン全体のCO2排出量削減に取り組むことで、環境先進企業として価値を提供してまいります。
その結果、当連結会計年度の売上高は960億7千3百万円(前年比16.5%増)、営業利益は98億6百万円(前年比21.7%増)、経常利益は112億6千5百万円(前年比30.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は81億7千2百万円(前年比29.7%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は34億2千1百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ5億3千1百万円増加しております。詳細につきましては、第5 経理の状況 (1)連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)に記載のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は731億3千7百万円(前連結会計年度は670億8千5百万円)となり、60億5千2百万円増加しました。これは主として現金及び預金が増加したことによるものです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は305億6千2百万円(前連結会計年度は298億2千5百万円)となり、7億3千7百万円増加しました。これは主として投資有価証券が増加したことによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は299億5千8百万円(前連結会計年度は305億5千9百万円)となり、6億1百万円減少しました。これは主としてその他に含まれる未払消費税が減少したことによるものです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は18億3千1百万円(前連結会計年度は16億5千1百万円)となり、1億8千万円増加しました。これは主として繰延税金負債が増加したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は719億1千万円(前連結会計年度は647億円)となり、72億1千万円増加しました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益を112億6千5百万円計上し、投資活動や財務活動に25億6千8百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ43億7千8百万円増加し、439億5千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、65億7千3百万円(前年同期比46億2百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、15億4百万円(前年同期比1億4千9百万円減)となりました。これは主に有形固定資産の取得を行ったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10億6千3百万円(前年同期比2千7百万円減)となりました。これは主に配当金の支払いを行ったことによるものです。
② 資金需要
当社グループは、事業運営上、必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、配当金の支払い等であります。また、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行借入によるものを基本としております。
なお、最近3連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドを示すと以下のとおりとなります。
(注) 1 上表中の各指標は以下のとおり算出しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
4 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の状況
製品生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目区分別に示すと、以下のとおりであります。
(注)当企業集団の製品は単位に大きな差があるため、販売価格によっております。
重要な受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を品目区分別に示すと、以下のとおりであります。
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