研究開発活動

5 【研究開発活動】

当企業集団において、研究開発活動は、連結財務諸表を提出する当社が主体となり行っております。

当連結会計年度は、当企業集団の独自のシステムにより、環境・安全・安心に配慮した製品の開発を積極的に行い、食生活品質向上のため、環境にやさしい「食品安心技術」で製品の性能を更に高める観点からの研究開発活動を行いました。

当連結会計年度における当企業集団が支出した研究開発費の総額は966百万円です。

 

当社の研究開発活動を品目区分別に見ると、大きく3つに大別されます。

 (1) 冷凍冷蔵庫の成果 

  ① キューブアイス小型製氷機マイナーチェンジ

    キューブアイス小型製氷機のマイナーチェンジを実施しました。今回のマイナーチェンジでは、営業時間外

    などに製氷運転を一時停止するECО(一時停止)モードを新たに搭載しました。また、人感センサー付き庫

    内LED照明(オプション)の対応が可能となり、氷を取り出す時に庫内を明るく照らすことで視認性を向

    上させることが可能です。さらに庫内照明の点灯状況からお客様の使用時間帯を把握し、営業時間外には自

    動でECО(一時停止)モードに切り替わり、省エネ・節水に貢献します。

  ② ブラストチラー/ショックフリーザー100Vの開発

    ブラストチラーは、アツアツの調理品の粗熱取りや急速冷却・凍結をするための機器です。今回開発のブラ

    ストチラー100Vは、W750×D750×H850のコンパクトボディかつ電源単相100Vを実現しました。

    また、従来の冷媒より地球温暖化係数(GWP)が約1/3となる低GWP冷媒R448A(GWP1387)を採用し、環境

    負荷低減を実現しています。飲食店においても、テイクアウトサービスの導入や、冷凍販売への業態転換を

    図るお客様が増加しています。この製品は、設置場所を選ばず、多くのお客様の冷却・凍結のご要望に貢献

    します。

  ③ デュアル冷却式超低温フリーザーの開発

    デュアル冷却式超低温フリーザーを開発しました。超低温フリーザーは、庫内を-80℃以下で保冷し、細胞

    や検体、ワクチンなどを保管できます。デュアル冷却式では、冷凍サイクルを2系統搭載しており、一方の

    冷凍サイクルが故障しても、-70℃以下をキープすることができます。故障時の温度上昇リスクを低減し、

    貴重な収容物を守る信頼性・安全性の高い製品を実現しました。また、ノンフロン冷媒を採用し、環境負荷

    低減を実現しています。

  ④ Galileiスマートショーケースの開発

    テイクアウト需要や無人販売に対応可能なスライド扉スマートショーケースを開発しました。ECサイト

    などでの事前決済した商品の受け取りを非対面で行うショーケースです。2次元コードまたは暗証番号で

    開錠することができ、扉閉め忘れ防止ブザー付きです。12部屋仕様でロック式内扉は、商品がひと目で分か

    るように透明にしました。スライド扉仕様で、通路幅が狭くてもスムーズに商品の出し入れができます。

  ⑤ NoFoodLossロッカーの開発

    世界規模で問題となっているフードロスを削減できる、フードロス受け取りロッカーを開発しました。

    この製品は専用サイト「fuubo」で購入された、賞味期限が近い商品をロッカーで受取れる食品ロス削減専

    用の製品です。設置場所は北海道から沖縄まであり、公共交通機関やショッピングモール、福利厚生など

    様々な場面で活躍しています。又、食品提供者は、ウェザーニュース提供のCO2削減量の試算レポートを受取

    れますので、食品ロスだけでなく、環境問題にも積極的に貢献できます。

  ⑥ ドゥコンディショナーWB仕様の開発

    2020年に2室独立大型ドゥコンディショナーのフルモデルチェンジを実施しました。今回は先の大型ドゥコ

    ンをベースに、食パン専門店にてご使用頂けるホワイトブレッド仕様を開発しました。食パンスクラッチ

    生地の冷凍・冷蔵保存、解凍、発酵に実用するため、冷却性能の向上や各段の発酵スピードの調整など様々

    な改良を行いました。実際の生地を用いて、改善・改良を繰り返すことで、食パン専門店でもご使用頂ける

    WB仕様を取り揃えました。

 

 (2) 冷凍冷蔵ショーケースの成果

  ① 冷凍機別置型の自然冷媒(CO2冷媒)対応機器の拡充

    冷凍デュアルケースのモデルチェンジ(CT-2シリーズ)を実施し、CO2冷媒対応の標準化実施と共に、リーチ

    イン部扉デザイン・意匠を一新し、CLAIRシリーズとしての一体感を向上させました。

    また、プレハブ用ユニットクーラーのCO2冷媒対応機器のラインナップを追加・標準化しました。

  ② 狭小店舗向け引き違い扉付き冷蔵ショーケース

    狭小店舗における省エネの取り組みの一つとして、扉付き冷蔵ショーケースを導入。狭小店舗において開

    き戸では、開けたときに通路の妨げになる事より引き違い扉を採用。扉ガラスの結露対応としてはヒータ

    ーを内蔵するのではなく、断熱性能をあげた複層ガラスとし,さらなる省エネにも考慮しました。また扉開

    閉のストレスに配慮するため、オートクローズ・ソフトクローズ機構を盛り込みました。

  ③ 店舗の生産性向上に貢献する省人化、省力化の機器の研究開発

    スライド棚板のスライド操作を、より簡単にワンタッチで引き出すことが出来る機構への対応や、デッキ部

    分を引き出して商品の先入れ先出しが可能な機構もブラッシュアップを行いました。

    内蔵ショーケースにおける、凝縮器フィルター清掃のファン制御方式のオプション適用機種を増やし、月3

    回の清掃が必要であったものを月1回のみの清掃へ抑えることで、省手間に貢献します。

  ④ 低温暖化冷媒を用いた冷凍機内蔵型ショーケースモデルチェンジ

    環境負荷低減のため、従来の冷媒より地球温暖化係数(GWP)が約1/3となる低GWP冷媒R448A(GWP1387)へ

    転換を進め、2021年度は下記4シリーズのモデルチェンジを実施しました。

   (1)冷蔵多段ショーケースADシリーズ

   (2)冷蔵セミ多段ショーケースASシリーズ

   (3)対面平型ショーケースAFシリーズ

   (4)小型冷蔵スポットショーケースMETシリーズ

   (1)~(3)は、別置型ショーケースのCLAIRシリーズと同意匠に変更することにより、店舗における一体感

    を実現しました。

 

(3) 店舗システムの成果

 ① AI(機械学習)を用いたSネット24運転データの診断・故障原因推定システムを運用開始

   Sネット24で収集した当社製品の運転状態を、AI(機械学習)を用いて診断するシステムを運用開始しました。

   昨年度から運用している診断・故障原因推定システムに、ビッグデータを解析する機械学習での診断を追加

   することで、データを学習して診断精度を上げ、工事やメンテナンスのデジタルトランスフォーメーション

   化を一層進め、より安心して当社機器をお客様にお使いいただけるようにしていきます。

 ② スーパーなど大型店舗向け集中コントローラを刷新

   スーパーや冷凍冷蔵倉庫、セントラルキッチンなどで当社冷凍冷蔵機器を使用いただく際の集中コントロー

   ラをモデルチェンジいたしました。新しいコントローラはAURO 130(アウロ130)という名称で、機器構成を

   一新し、これからの機器制御・メンテナンスを担うプラットフォームです。この新コントローラをもとに、

   お客様でのデジタルトランスフォーメーションを更に推進していきます。

 ③ HACCP ExAround 温度監視プランの海外対応

   日本国内のお客様に好評なHACCP対応型温度管理システムでのHACCP ExAround 温度管理プランの海外版をリリ

   ースしました。HACCP化の推進は、国内同様に海外でも始まっており、当社機器をお使いの海外のお客様でも

   HACCPに対応した店舗の機器の温度・異常管理をクラウドで確認できるサービスが利用できるようになりまし

   た。

 ④ 店舗環境最適化システムGalilei air-tecの省施工タイプの導入

   スーパーマーケットなどの店舗内の環境を最適化するGalilei air-tecシステムに、店内へ快適空気を導入する

   際にダクトを用いない省施工タイプを開発し導入いたしました。省施工性により、これまで導入が難しいとさ

   れる既存店舗の改装でもシステム導入が可能となりました。

 

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