当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスワクチン接種が進んだことや緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発出等による感染抑制の効果もあり、経済社会活動が段階的に再開され、景気は持ち直しの兆しがみられました。しかしながら、新たな変異株による急激な感染拡大のほか、ウクライナ情勢の緊迫化と実施した経済制裁による市場への影響や原材料価格の高騰など依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは「不易流行」を経営方針に掲げ、経営理念等のいつまでも変化しない本質的な「不易」に、時代や環境に合わせて変えるべき「流行」を取り入れ、継続的に現場改善等に取り組み、更に、新型コロナウイルス感染予防等のリスクマネジメントも講じ、供給体制を維持して参りました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,742,273千円(前年同期比21.9%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の回復に伴い、営業利益228,832千円(前年同期比159.8%増)、経常利益258,858千円(前年同期比177.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益217,712千円(前年同期比419.4%増)となりました。
なお、当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。
収益認識会計基準等の適用の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
品目別の経営成績は、次のとおりとなります。
(a)直動機器
主力製品であります直動機器につきましては、中国市場の新型コロナウイルス感染症による影響に改善が見られたことや、半導体業界を中心に市場からの引き合いが強まり、自動化、省人化の流れがコロナ禍で更に加速したことにより、当連結会計年度の売上高は1,837,974千円と前年同期と比べ591,816千円の増加(前年同期比47.5%増)となりました。
(b)精密部品加工
精密部品加工につきましては、レース用部品を中心に、売上高は788,331千円と前年同期と比べ37,082千円の増加(前年同期比4.9%増)となりました。
(c)ユニット製品
ユニット製品につきましては、リピート需要はあったものの、設備投資の減少により低迷した状況から、売上高は115,966千円と前年同期と比べ135,573千円の減少(前年同期比53.9%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ307,506千円増加し、4,896,982千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ74,099千円増加し、1,658,567千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ233,407千円増加し、3,238,414千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、973,455千円となり、前連結会計年度末と比べ19,641千円の増加となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上債権の増加額46,648千円による資金の減少に対し、税金等調整前当期純利益257,933千円の他、減価償却費147,442千円及び仕入債務の増加額31,969千円による資金の増加により、得られた資金は417,356千円(前連結会計年度は166,889千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出190,537千円により、使用した資金は207,558千円(前連結会計年度は133,846千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入100,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出244,749千円により、使用した資金は203,101千円(前連結会計年度は99,932千円の収入)となりました。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は2,742,273千円(前年同期比21.9%増)となり、前年同期と比べて493,325千円増加いたしました。
品目別の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
(a)直動機器
当連結会計年度の売上高は1,837,974千円と前年同期と比べ591,816千円の増加(前年同期比47.5%増)となりました。中国市場の新型コロナウイルス感染症による影響に改善が見られたことや、半導体業界を中心に市場からの引き合いが強まり、自動化、省人化の流れがコロナ化で更に加速したことにより売上高が回復いたしました。直動機器のスマート生産(注)体制を確立させ、生産設備投資を継続し生産増強を図り効率的な生産を行い原価低減を推し進め、利益確保に努める所存であります。
(注)スマート生産=中長期のトレンドを見極めた設備を揃え、生産能力を活かした計画を立て、計画通りに出来高を毎日達成することをスマート生産と定義しています。
(b)精密部品加工
当連結会計年度の売上高は788,331千円と前年同期と比べ37,082千円の増加(前年同期比4.9%増)となりました。レース用部品を中心に、顧客の要望に真摯に応え、品数が増加しても精密加工を短納期で対応し、顧客と連携して自動車レースでも成果に貢献し、新たな製品への対応にも努めて参ります。
(c)ユニット製品
当連結会計年度の売上高は115,966千円と前年同期と比べ135,573千円の減少(前年同期比53.9%減)となりました。精密位置決め製品では、日本・中国でシェアを伸ばしてきており、国内市場での検査・測定器向けのリピート需要がありました。中国市場では、液晶貼合わせ・検査・測定器向け設備投資の需要に対応してきました。顧客ニーズに合わせた製品対応を継続し、様々な用途へ対応して参ります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は705,061千円(前年同期比29.6%増)となり、前連結会計年度と比べて161,201千円増加いたしました。売上総利益率は前連結会計年度比1.5ポイント増加し、25.7%となりました。これは主に設備投資による内製化をすすめ、安定生産による増産効果によります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は228,832千円(前年同期比159.8%増)となり、前連結会計年度と比べて140,740千円増加いたしました。営業利益率は前連結会計年度比4.4ポイント増加し、8.3%となりました。これは主に売上総利益の増加及び、コスト削減効果によるものです。
b.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は4,896,982千円となり、前連結会計年度末と比べ307,506千円の増加となりました。主な要因は、売上債権50,477千円、機械装置及び運搬具197,455千円、繰延税金資産38,733千円の増加によるものであります。
(負債の部)
負債は1,658,567千円となり、前連結会計年度末と比べ74,099千円の増加となりました。主な要因は、借入金144,749千円の減少に対して、未払金81,508千円、営業外電子記録債務63,211千円、未払法人税等55,111千円の増加によるものであります。
(純資産の部)
純資産は3,238,414千円となり、前連結会計年度末と比べ233,407千円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金192,929千円の増加によるものであります。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は66.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、973,455千円となり、前連結会計年度末と比べ19,641千円の増加となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に売上債権の増加額46,648千円による資金の減少に対し、税金等調整前当期純利益257,933千円の他、減価償却費147,442千円及び仕入債務の増加額31,969千円による資金の増加により、得られた資金は417,356千円(前連結会計年度は166,889千円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出190,537千円により、使用した資金は207,558千円(前連結会計年度は133,846千円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金による収入100,000千円による資金の増加に対し、借入金の返済による支出244,749千円より、使用した資金は203,101千円(前連結会計年度は99,932千円の収入)となりました。
当社グループは、中期的には設備投資の合理化や生産能力増強に対応するための設備投資を計画的に行う予定でありますので、今後も営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの増加に努めて行く所存であります。
また、当連結会計年度末の自己資本比率は66.1%(前連結会計年度末は65.5%)となっており、安定した財務基盤を維持しております。新型コロナウイルス感染拡大による厳しい環境下においても金融機関との良好な関係を維持し、資金の流動性と調達力を確保して参ります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、特に以下の会計上の見積りが重要な影響を及ぼすものと考えております。
繰延税金資産
繰延税金資産は、一時差異が解消するときに課税所得を減額する効果を有するものについて認識しております。繰延税金資産の回収可能性の判断においては、取締役会決議の承認を得た中期事業計画に基づいて、将来獲得し得る課税所得の時期及び金額を合理的に見積っております。中期事業計画の策定に際しては、市場の動向や主要販売先からの情報を踏まえて受注計画を立て、売上高成長率、将来の原価低減を踏まえた原価率及び売上高総利益率を考慮しております。そのため、見積りの仮定又は予測に変化が生じ、将来の課税所得の時期及び金額が当連結会計年度の見積りと異なった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
お知らせ