(1) 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する各種政策や国内でのワクチン接種などの効果により持ち直しの動きが見られました。しかし、変異株の急速な感染拡大など依然として収束しておらず、資源価格の高騰、世界的な半導体不足が続くなか、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が重なり、景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。
当業界におきましては、建設投資が控えられた2020年度からの回復が認められたものの、半導体不足に伴う部品の納期遅延などが発生し、空調機の全国出荷台数は前年同期に比べほぼ横ばいで推移いたしました。
こうした情勢のもと、当社グループは今年度よりスタートした中期経営計画「move.2025」において、ヒートポンプAHUの販売強化、工事・サービス事業及び中国事業の利益率の改善などに取り組んでまいりました。また「SIMA(SINKO Innovative Manufacturing of AHU)」プロジェクトを中心にして更なる生産性向上を図るほか、製造に関わる人員の確保、世界的な原材料価格の高騰や部品調達難への対応に努めてまいりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<日 本>
国内外の建設投資の回復が見られるなか、物量の確保を目指す販売活動を行った結果、売上高は35,787百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。利益面におきましては、空調工事を中心とした戦略受注の効果は見られたものの、原材料や物流コスト高騰の影響から、セグメント利益(営業利益)は5,587百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。
<アジア>
中国では、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響により、一部地域で経済活動が抑制されていますが、景気は持ち直しの動きが見られます。数年来進めてきた採算性重視の販売戦略と原価管理の強化に加え円安の影響もあり、売上高は6,204百万円(前連結会計年度比17.3%増)、セグメント利益(営業利益)は78百万円(前連結会計年度はセグメント損失89百万円)となりました。
この結果、当社グループの売上高は41,964百万円(前連結会計年度比7.1%増)となり、利益面におきましては、営業利益は5,712百万円(前連結会計年度比13.0%減)、経常利益は6,048百万円(前連結会計年度比13.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,097百万円(前連結会計年度比18.4%減)となりました。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は72,046百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,046百万円増加となりました。これは主に、売上債権の増加2,121百万円及び棚卸資産の増加737百万円等によるものであります。
負債は18,064百万円となり、前連結会計年度末に比べ45百万円増加となりました。これは主に、仕入債務の増加984百万円、有利子負債の減少516百万円及び未払消費税等の減少208百万円等によるものであります。
純資産は53,982百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,001百万円増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上4,097百万円及び剰余金の配当1,297百万円等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ140百万円増加し、当連結会計年度末には14,125百万円(前連結会計年度比1.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は3,638百万円(前連結会計年度比1,985百万円収入の減少)となりました。増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は1,217百万円(前連結会計年度比8,034百万円支出の減少)となりました。減少の主な要因は、固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は2,299百万円(前連結会計年度比2,607百万円支出の増加)となりました。減少の主な要因は、配当金の支払いによるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ140百万円増加し、当連結会計年度末の残高は14,125百万円となりました。この結果、正味運転資金(流動資産から流動負債を控除した金額)は29,451百万円となりました。
自己資本比率:自己資本 / 総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額 / 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債 / キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー / 利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースでの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
翌連結会計年度の重要な資本的支出として、国内の製造設備への投資を予定しております。また、資金の調達源としては、自己資金を予定しております。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記のほか建物設備全般の総合管理等を行っている連結子会社があります。
3 金額は販売価格によっております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 受注予測に基づく見込生産については、上記受注実績には含めておりません。
2 上記のほか建物設備全般の総合管理等を行っている連結子会社があります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定は、過去の実績等を勘案し合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
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