当社グループは、「MOTION & CONTROL™を通じ、円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を超えた人と人の結びつきを強める」という企業理念のもと、
①世界をリードする技術力によって、顧客に積極的提案を行う
②社員一人ひとりの個性と可能性を尊重する
③柔軟で活力のある企業風土で時代を先取りする
④社員は地域に対する使命感をもとに行動する
⑤グローバル経営をめざす
という経営姿勢により社会に貢献する企業を目指していきます。
当社グループは、2019年度から2021年度までの3ヵ年を『第6次中期経営計画』と位置づけ、「安全・品質・コンプライアンス・環境」をコアバリューとしたうえで、“次の成長に向けた事業基盤の強化”を目指して、「成長への新たな仕掛け」「経営資源の強化」「環境・社会への貢献」の3つの経営課題に取り組んできました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大、サプライチェーンの混乱、半導体の供給不足、加えて、材料・エネルギー・物流のインフレ影響などもあり、成長性・収益性・効率性は、目標未達となりました。一方、産業機械事業は過去最高の売上高を達成しました。また、財務安定性を維持しながら、自動車の電動化対応を含む次の成長に向けた設備投資や技術開発を実行しました。
当社グループを取り巻く事業環境は、ウクライナ情勢や中国ゼロコロナ政策などの地政学的リスクも加わり、予測困難で不確実性を増しています。また、産業全般における技術革新は急激に進み、AIやIoTの開発及び実用化、自動車産業における電動化・自動化など、企業として取り組むべき課題は拡大を続けています。さらには、カーボンニュートラルへの取り組みなど企業の社会的責任の重要性は増し、経営環境は急速に変化しています。
こうした環境下においても、当社グループは企業理念のもと、トライボロジーとデジタルの融合による価値創出で、持続可能な社会の発展に貢献し、社会から必要とされ信頼される企業を目指していきます。その実現に向けて、2022年度から2026年度までの5ヵ年を期間とする『中期経営計画2026』(以下、MTP2026)をスタートしました。
MTP2026で目指す姿は、“『変わる 超える』で新しい姿の1兆円企業へ”です。当社のコアバリューを、経営の意思決定や行動において、最優先される共通の価値基準とし、「収益を伴う成長」「経営資源の強化」「ESG経営」の3つの経営課題に取り組んでいきます。
3つの経営課題とその取り組み内容は以下のとおりです。
1.「収益を伴う成長」として、
・産業機械ビジネスの拡大及び自動車の電動化への対応を通じて、事業ポートフォリオ変革を進めます。
・ステアリング事業の構造改革による収益改善、及び協業によるシナジーを目指します。
・“Bearings & Beyond”を掲げ、既存製品の商品力強化と、新商品・新事業の拡大を目指します。
2. 「経営資源の強化」として、
・NSKの競争力の源泉である品質、技術及びオペレーション力をさらに強化していくための
デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進します。
・モノづくりの方針として、「生産の超安定化」を掲げ、不良をつくらない工場、
止まらない工場を目指します。
・多様な人材の登用、デジタル人材の育成、適所適材の人員配置などを通じて、
人的資本の価値最大化を目指します。
3. 「ESG経営」として、
・二酸化炭素の自社からの直接排出(Scope 1)とエネルギー使用による排出(Scope 2)について、
2035年度にカーボンニュートラル達成を目指します。
・環境貢献型製品・サービスの提供により循環型社会の構築に貢献します。
・働く環境づくりとして、ダイバーシティ&インクルージョンと働き方改革をさらに進化させます。
・グループガバナンスを強化し、ステークホルダーとの対話を深めていきます。
当社グループは、以上の課題に対して『変わる 超える』への挑戦を続けていくとともに、企業理念に基づいた企業活動とMOTION & CONTROL™の進化を通じ、社会的課題の解決と社会の持続的発展への貢献を続けていきます。
MTP2026(2023年3月期から2027年3月期)で掲げる主な経営指標は以下のとおりです。
(注)MTP2026作成時点
また、非財務目標として、技術開発の取り組みにおいては新製品売上比率の向上、環境についてはCO2排出量とCO2排出原単位の削減及び環境貢献型製品の開発に取り組んでいます。また、安全な職場環境づくりに対しては休業度数率の減少、ダイバーシティ&インクルージョンに関しては、従業員及び管理職における多様性(女性、外国人、中途採用比率)の向上などに取り組んでいます。
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