(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により緊急事態宣言が再発出されるなど非常に厳しい状況で推移いたしました。ワクチン接種の進行により新型コロナウイルス感染者数の減少を受けて持ち直しの兆しも見られましたが、新たな変異株の感染症拡大によりまん延防止等重点措置が発動されるなど先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。また、長期化する半導体の供給不足や部品供給の滞りなど世界的なサプライチェーンの混乱による工場の操業縮小や停止、原油・原材料価格の上昇によるコスト増に加え、ウクライナ情勢の深刻化や急激な円安の進行がみられるなど、国内外の経済は不透明感が益々高まる状況となっております。
当社グループにおきましても、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う国家間の往来制限などにより海外案件の対応に深刻な影響が出たほか、国内においても設備投資意欲の鈍化傾向が顕著になるなど、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループでは2020年4月に策定しスタートさせております「新中期経営計画」に基づき「事業基盤の強化」、「成長戦略を支える強固な経営基盤の構築」、「環境・社会・ガバナンスを重視した経営」の3つの経営基本方針を掲げて全社を挙げて取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高につきましては期初受注残8億2千3百万円(前年比3億9千万円減)とやや厳しい状況でスタートしたほか、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの発動により、受注活動が厳しい状況で推移したことなどから、売上高は19億4千5百万円(前年比15.7%減)となりました。利益面につきましては、徹底した経費節減を実施したことなどにより、営業利益は8千9百万円(前年比47.0%減)となりました。また、経常利益につきましては雇用調整助成金や保険解約返戻金及び昨年10月に株式を取得し当社の持分法関連会社となった株式会社ウェブによる持分法による投資利益などがあったことなどから1億4千9百万円(前年比32.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、本社老朽化により連結子会社である日本ファーネス株式会社の本社部門の大部分を東神奈川の新事務所に移転し、その移転費用である1千6百万円を計上したことなどから、1億2千7百万円(前年比36.6%減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1億2千3百万円減少し45億8千4百万円、負債は、前連結会計年度末と比較して2億7千2百万円減少し8億7千9百万円、純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1億2千7百万円などにより、前連結会計年度末と比較して1億4千8百万円増加し37億4百万円となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(a)工業炉燃焼装置関連
工業炉燃焼装置関連事業につきましては、当連結会計年度での売上高は19億4千5百万円、営業損失は2千3百万円となりました。
事業部門別の売上高につきましては、次のとおりとなります。
[環境装置石油化学部門]
環境装置石油化学部門におきましては、産業用各種燃焼装置、管式加熱炉、石油化学用低NOxバーナ及び各種ガスバーナなどが主力製品となっております。当連結会計年度における売上高は前年比27.3%減の2億5百万円となりました。
[工業炉部門]
工業炉部門におきましては、非鉄金属熱処理炉、一般熱処理炉、鋳造炉及び回転炉などが主力製品となっております。自動車関連企業からの大型の案件が一服したほか、一部の案件において想定以上の原価及び工数が発生するなどしたことから、当連結会計年度における売上高は前年比40.9%減の3億2千4百万円となりました。
[ボイラ用機器部門]
ボイラ用機器部門におきましては、非鉄金属熱処理炉、一般熱処理炉、鋳造炉及び回転炉などが主力製品となっております。自動車関連企業からの大型の案件が一服したほか、一部の案件において想定以上の原価及び工数が発生するなどしたことから、当連結会計年度における売上高は前年比11.3%減の2億6千5百万円となりました。
[工業炉用機器部門]
工業炉用機器部門におきましては、非鉄金属熱処理炉、一般熱処理炉、鋳造炉及び回転炉などが主力製品となっております。自動車関連企業からの大型の案件が一服したほか、一部の案件において想定以上の原価及び工数が発生するなどしたことから、当連結会計年度における売上高は前年比7.2%増の2億3千4百万円となりました。
[産業機械用機器部門]
産業機械用機器部門におきましては、各種ロータリーキルン用バーナ、各種シャフトキルン用バーナ及び熱風発生炉などが主力製品となっておりますが、前期やや回復傾向となったこともあり、当連結会計年度における売上高は前年比2.3%増の1億6千8百万円となりました。
[メンテナンスサービス部門]
各種燃焼設備の整備・工事等を行う、メンテナンス部門におきましては、渡航制限などにより海外案件の対応が困難となっておりますが、数年前より対応している海外製品の取扱高が順調であったことから、当連結会計年度における売上高は前年比91.8%増の2億9千3百万円となりました。
[部品部門]
燃焼装置・機器の部品販売部門におきましては、当連結会計年度における売上高は前年比4.9%増の2億6千4百万円となりました。
[HRS部門]
HRS部門におきましては、鉄・鋳鍛鋼産業関係蓄熱バーナシステムが、主力製品となっておりますが、鉄鋼関連向け製品が大幅に落ち込んだことなどから、当連結会計年度における売上高は前年比51.7%減の1億8千7百万円となりました。
(b)その他
その他の事業につきましては、不動産賃貸収入、経営指導料等が収益の中心となっております。当連結会計年度での売上高は2億7千万円、営業利益は2億5千5百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して8億2千5百万円減少し14億2千万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びその主要な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は3億円(前連結会計年度は4億3千5百万円の獲得)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益1億3千3百万円、棚卸資産の減少額1億1千9百万円、売上債権の減少額2億9千8百万円、仕入債務の減少額1億2千6百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は11億3千2百万円(前連結会計年度は4千8百万円の使用)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出9千7百万円、投資有価証券の取得による支出4億5千3百万円、関係会社株式の取得による支出3億4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は7百万円となりました。これは短期借入金の純増額7百万円によるものであります。
(生産、受注及び販売の実績)
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント等の名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
工業炉燃焼装置関連 |
1,945,094 |
△15.7 |
(内訳)環境装置石油化学部門 |
205,661 |
△27.3 |
工業炉部門 |
324,856 |
△40.9 |
ボイラ用機器部門 |
265,241 |
△11.3 |
工業炉用機器部門 |
234,984 |
7.2 |
産業機械用機器部門 |
168,833 |
2.3 |
メンテナンスサービス部門 |
293,692 |
91.8 |
部品部門 |
264,591 |
4.9 |
HRS部門 |
187,231 |
△51.7 |
その他 |
900 |
△50.0 |
合計 |
1,945,994 |
△15.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント等の名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
工業炉燃焼装置関連 |
1,979,879 |
3.3 |
858,617 |
4.2 |
(内訳)環境装置石油化学部門 |
470,315 |
145.9 |
363,033 |
269.0 |
工業炉部門 |
164,136 |
△63.9 |
22,669 |
△87.6 |
ボイラ用機器部門 |
258,352 |
35.4 |
115,623 |
△5.6 |
工業炉用機器部門 |
245,500 |
47.4 |
49,089 |
27.3 |
産業機械用機器部門 |
120,051 |
△14.0 |
25,485 |
△65.7 |
メンテナンスサービス部門 |
206,959 |
4.0 |
116,883 |
△42.6 |
部品部門 |
259,423 |
△9.4 |
58,659 |
△8.1 |
HRS部門 |
255,139 |
△11.8 |
107,173 |
172.9 |
その他 |
0 |
- |
0 |
- |
合計 |
1,979,879 |
3.3 |
858,617 |
4.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント(部門別内訳含む)ごとに示すと、次のとおりであります。
セグメント等の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
工業炉燃焼装置関連 |
1,945,094 |
△15.7 |
(内訳)環境装置石油化学部門 |
205,661 |
△27.3 |
工業炉部門 |
324,856 |
△40.9 |
ボイラ用機器部門 |
265,241 |
△11.3 |
工業炉用機器部門 |
234,984 |
7.2 |
産業機械用機器部門 |
168,833 |
2.3 |
メンテナンスサービス部門 |
293,692 |
91.8 |
部品部門 |
264,591 |
4.9 |
HRS部門 |
187,231 |
△51.7 |
その他 |
900 |
△50.0 |
合計 |
1,945,994 |
△15.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先の別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
トヨタ株式会社 |
140,795 |
12.8 |
- |
- |
三井物産プラントシステム株式会社 |
- |
- |
212,561 |
10.9 |
3.主な相手先別の販売実績のうち、該当販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1億2千3百万円減少し45億8千4百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末と比較して12億1千6百万円減少し22億9千万円となりました。主な内訳としては現金及び預金が8億2千5百万円の減少となったこと、受取手形、売掛金及び契約資産が2億9千8百万円減少したことなどによります。
固定資産は前連結会計年度末と比較して10億9千2百万円増加し22億9千3百万円となりました。主な内訳としては建物及び構築物が7千9百万円の増加となったこと、投資有価証券が7億7千5百万円増加したことなどによります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して2億7千2百万円減少し8億7千9百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末と比較して2億7千5百万円減少し3億2千7百万円となりました。主な内訳としては支払手形及び買掛金が1億2千6百万円減少したことなどによります。
固定負債は前連結会計年度末と比較して3百万円増加し5億5千2百万円となりました。主な内訳としては長期借入金2億4千万円を計上したことなどによります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1億2千7百万円などにより、前連結 会計年度末と比較して1億4千8百万円増加し37億4百万円となりました。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては19億4千5百万円(前年比15.7%減)となり、前連結会計年度に比べて3億6千3百万円減少いたしました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は5億5千8百万円(前年同期比10.8%減)となりました。売上総利益率は前連結会計年度比1.6ポイント増加し、28.7%となりました。これは厳格な案件管理を実施し、前連結会計年度で発生した想定を大幅に上回る費用を要する案件がなかったことなどによります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は8千9百万円(前年比47.0%減)となりました。
(c)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、M&A及び新規事業関連、純投資関連などについても積極的に実施しております。当社グループでは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを目指しております。運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、株式の発行などを基本としており、当連結会計年度においては、1千5百万円の借入を実施いたしました。
当社グループの当連結会計年度末における設備の新設、改修等に係る投資予定金額とその資金調達については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2億5千5百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14億2千万円となっております。
(d)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
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