当連結会計年度の研究開発活動は、昨年から引き続き新型コロナウイルスの感染防止措置に留意し、当社及び共同開発企業は燃焼試験等を進めて参りました。
セラミック材の高温焼成用キルンに関しては油燃料からガス燃料への転換を試み、2021年4月に顧客の商用設備にて実施した試験によって、ガス燃料に転換しても基準に合格する製品が焼成可能であると実証されました。
また、今後産業界でも採用が本格化していくと予想されるカーボンフリー燃料に対応するため、国内ガス会社の協力により、熱処理炉などの工業炉等で使われるハイスピードバーナをベースに水素バーナの開発に着手し、現在も継続実施中です。今後はラジアントチューブバーナ等にも適用範囲を広げていく予定であります。一方、コロナ禍により国内鉄鋼メーカーとの共同実験の実施が延期されていた、スタンダード型の鉄鋼産業用ラジアントチューブバーナの低NOx性能を改良した実証試験は2022年度から再開する見込みです。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
(研究開発の目的)
1)セラミック焼成用の高温キルンのガス燃転のためのバーナ開発。
2)当社の既存バーナをベースに水素燃料用バーナを開発し、NOx排出特性を競争力のあるものに仕上げ、将来的に製品として実用化。
3)スタンダード型低NOxラジアントチューブバーナの性能改善と拡販のための実証。
(主要課題)
1)キルンバーナ:1700℃以上の高温となるセラミック焼成キルンに適用させるガス燃焼バーナの適正な燃焼条件の探索。
2)水素燃料用バーナ:燃焼速度が速く火炎温度が高くなりやすい水素の特性から、バーナ近傍の混合を制御することにより排出NOxを抑制。また、機種の変更に応用可能な水素燃焼の客観的特性を把握。
3)鉄鋼用ラジアントチューブバーナ:スタンダード型低NOxバーナの改良成果をCOG燃料により検証。
(成果及び進捗状況)
1)実機のセラミック高温焼成用キルンを用いた実証運転の結果、燃焼空気の投入バランスに留意した燃焼で、基準に合格する適正な焼成が可能であることが判明。現在はセラミックメーカにおいて、燃料転換のための設備改造を検討中。
2)水素燃料用バーナのバーナ近傍の混合を制御することによって、排出NOxを実用可能な範囲まで抑制可能となったが、今後もさらなる改善を試行予定。また、水素による燃焼特性の客観化も図る。
3)鉄鋼で最も多く使用されているCOG燃料を用いた、ラジアントチューブバーナの実証試験を大手鉄鋼会社の協力によって2022年度に実施予定。
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