業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度の当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、経済活動に引き続き多大な影響が発生しており、輸出や消費の減少、企業収益や雇用環境の悪化など厳しい状況が継続しております。各種施策やコロナワクチン接種率の増加等の一方で、変異株の影響等もあり感染者数は増減を繰り返しており、経済活動の回復への影響は限定的で依然として先行き不透明な状況が継続しております。

このような中、当社グループの主力商品であるLPG容器用バルブ部門の売上高は、自動車向け製品群においてコロナ禍の影響を受けたものの、主要な原材料である黄銅材価格高騰の影響を受け下期に販売価格の値上げにご理解を頂いたこと等により、前年同期比増収となりました。配管用バルブ部門の売上高につきましても、販売価格の値上げの浸透や半導体関連業種を始め一部の産業界の好調さに牽引され、前年同期比増収となりました。高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門については、主に海外半導体関連業種の好調さの下支えにより、前年同期比増収となりました。また、黄銅削り粉の売上も黄銅価格の上昇や取扱量の増加に伴い前年同期比増収となり、全体の売上高は94億5千8百万円、前年同期比11億8千2百万円(14.3%)の増収となりました。

 

収益面におきましては、主要な原材料である黄銅材価格の高値が継続しており、これを受けて原価率が上昇し、収益性が大幅に低下しております。一方で、黄銅材価格高騰の影響を受けて販売価格の値上げにご理解を頂いたこと、コロナ禍における企業活動の効率化やコスト削減努力を図ったこと、及び連結子会社である株式会社ハマイコリアの単年度黒字化などの収益状況に改善がみられたことにより、営業利益は5億1千万円、前年同期比1千9百万円(4.0%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益につきましても4億3千3百万円、前年同期比5千6百万円(14.8%)の増益となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

[バルブ事業]
 当社の主力商品であるLPG容器用バルブ部門は売上高35億9千8百万円(前年同期比9.1%増)、配管用バルブ部門は売上高18億5千3百万円(前年同期比30.1%増)、高圧ガスバルブ・ガス関連設備機器部門は売上高22億3千9百万円(前年同期比2.0%増)、その他売上高11億8千8百万円(前年同期比51.8%増)となり、営業利益1億2千2百万円(前年同期比13.1%増)となりました。

[不動産賃貸事業]
 賃貸収入は5億7千7百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は3億8千8百万円(前年同期比1.4%増)となりました。

 

財政状態の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比較して、8億2千3百万円増加し、97億3千8百万円となりました。これは主に売掛金が増加したことによるものです。

当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末と比較して、8千2百万円増加し、85億7千6百万円となりました。これは主に建設仮勘定が減少したものの、投資有価証券の評価替により増加したことによるものです。

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末と比較して、5億5百万円増加し、29億2千5百万円となりました。これは主に買掛金及び電子記録債務の増加によるものです。

当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末と比較して、7千1百万円減少し、17億9百万円となりました。これは主に役員退職慰労引当金の減少によるものです。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比較して、4億7千1百万円増加し、136億8千万円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1千4百万円(前年比0.4%)増加し、39億2千6百万円となりました。

当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4億1千2百万円の収入(前期は11億4千5百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益及び仕入債務の増減額によるものです。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1億9千2百万円の支出(前期は5億2千4百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億7百万円の支出(前期は2億1千1百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払によるものです。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金や設備投資等に必要となる資金を、主に自己資金により調達しております。また、将来の経営環境の変化への対応や業務拡大に備える為、必要な資金を内部留保しております。

当社グループの運転資金のうち、主なものは製品の製造費用と販売費及び一般管理費であり、材料等の購入費、従業員への人件費、光熱費などのその他一般管理費等の支払いに係るものです。

 

(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は経営の収益性の観点から売上高営業利益率10%以上を目標に掲げ、また、経営の効率性の観点からROAやROICを重視項目に掲げております。

各種指標の推移は以下のとおりです。

 

86期

87期

88期

89期

90期

売上高営業利益率

6.4%

5.6%

3.7%

5.9%

5.3%

ROA

2.5%

1.8%

1.3%

2.1%

2.3%

ROIC

3.1%

2.7%

1.7%

2.7%

2.8%

 

(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しております。

 

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成してお

ます。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び

仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものに

ついては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり

ます。

 なお、新型コロナウイルス感染症に関しては、当社グループの経営成績等に与える影響を検討した結果、連結財

務諸表の作成にあたって会計上の見積りに重要な影響を与える事象はないと判断しております。 

 

(6)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

  生産高

(千円)

 

前年同期比
(%)

バルブ事業

7,546,646

18.1

不動産賃貸事業

合計

7,546,646

18.1

 

(注)1上記金額は、製造原価を基準に記載しております。

 2上記金額には、消費税等は含んでおりません。

 

② 受注実績

当社は法令または社内規格に基づき定められた方法による見込生産を主体としており、一部特殊仕様の製品については受注生産を行っておりますが、その売上高に占める割合は僅少であります。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

  販売高

(千円)

 

前年同期比
(%)

バルブ事業

8,880,420

15.3

不動産賃貸事業

577,806

0.4

合計

9,458,226

14.3

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含んでおりません。 

 

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