業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況が継続しております。

ワクチン接種の普及拡大による、感染者数の減少から景気の持ち直しが期待されたものの、直近では変異株の感染拡大が始まり、国内外の経済に与える影響について慎重に見定めなければならない不透明な状況が続いております。

当社グループのコインランドリー事業を取り巻く環境といたしましては、健康志向の高まりから、衣類はもとより、毛布や布団など自宅では洗えない大物洗いの需要が増加しております。また、ライフスタイルの変化に伴う単身世帯の増加や、政府主導の「女性の活躍促進」政策による女性の社会進出が進む中、家事労働時間の節約志向はさらに高まることが予想されており、健康・衛生に寄与し、時間を有効活用できるコインランドリーは、利用者層の拡大と需要の伸長が期待されております。

当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、地主様への訪問面談が制限され、新規出店用地の現地調査及び確保が困難となり、FC部門の新規出店数は当初計画の77店舗から59店舗減少の18店舗となりました。

一方、コインランドリー店舗の既存店売上高は、対前年比100%となったことから、当連結会計年度におきましても新型コロナウイルス感染症の店舗への影響は限定的なものとなっており、店舗管理部門、直営部門その他につきましては、堅調に推移いたしました。

店舗への新型コロナウイルス感染症の影響が軽微であったことは、コインランドリーの「景気に左右されない」という特徴と、当社の「安全、安心、清潔」をコンセプトとした店舗運営を創業時から続けてきたことにより、生活に密着したインフラであるとお客様に認識されているものと考えられます。

このような状況の下、当社グループは、当社コインランドリーの利点の普及や新たな店舗利用者数の拡大を目的として、様々な媒体に広告施策を積極的に行うとともに、「プラットフォームとしてのコインランドリー事業」の推進に以下の通り取り組んでおります。

1つめは、WASHハウスアプリによる広告システムでの配信を運用中であります。これは、洗濯中に必ず待ち時間が発生するというコインランドリーの特徴を活かし、反応率の高いスポンサー広告を提供するものであります。

2つめは、このWASHハウスアプリの「広告システム」と「相互送客システム」につきまして、8月に特許を取得いたしました。これは当社が創業当時より実現を目指している「洗濯を無料で提供する」ことにかかる特許取得であり、新規出店を中心とした当社の収益が、WASHハウスアプリをご利用いただくことによる収益へと将来変わるとともに、従来のコインランドリーのあり方を大きく変える転換点となるものと考えております。

3つめは、洗剤を製造する工場として宮崎工場を2月に落成し、試験運用を経て九州内の店舗から順次全国へ供給先を拡大しており、将来の大幅なコスト削減を目指しております。

日本国内の店舗展開としましては、既存エリア及び新規エリアでの営業活動に加え、フランチャイズ(以下、「FC」という)オーナーの新規開拓も行いながら、チェーンストア様敷地内へのFC店舗の出店を中心に取り組んでおります。

 

以上の結果、新型コロナウイルス感染症の影響は、店舗管理部門、直営部門その他には軽微であったものの、FC部門にはその影響を受けたことから、当連結会計年度の売上高は、2,132,240千円(前期比2.3%減)となり、営業損失は140,927千円(前期は124,677千円の営業損失)、経常損失は142,206千円(前期は90,996千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は176,743千円(前期は128,432千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 

当社グループはコインランドリー事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメントの情報を省略しております。なお、コインランドリー事業における主要な部門別の業績は次のとおりであります。

 

a. FC部門

当社グループのFC出店につきましては、コインランドリー機器等をパッケージングしたものを基本として販売しております。受注単価については郊外型店舗1店舗当たり23,000千円を見込み、取り組んでまいりました。

FC部門の売上高は、当連結会計年度の新規出店数が18店舗(前期比8店舗減)となったことから、464,309千円(前期比18.7%減)となりました。FC部門の売上原価につきましては、コインランドリー機器等をパッケージングしたものを基本としておりますので、売上高店舗数と比例しており、318,751千円(前期比17.3%減)となりました。

 

b. 店舗管理部門

店舗管理部門の売上高の内訳は、FC店舗から受領する洗剤販売、店舗管理料、清掃受託費、広告分担金となっております。これらの売上高はFC店舗数に比例し、ストック収入となることから、FC部門で見込んでおります店舗数に、直前期実績をベースにそれぞれ内訳別に金額を計画し取り組んでまいりました。

店舗管理部門の売上高は、1,037,135千円(前期比0.0%増)となりました。店舗管理部門の原価につきましては、667,518千円(前期比0.1%減)となりました。

 

c. 直営部門その他

直営店の売上高につきましては、FCを含めた全店舗の1年目の実績を月割りした数値に季節変動指数を加味して算出し、既存店である59店舗の売上高に関しては、基本的に直近3年間の売上高を平均して年間予想売上高を計画し、取り組んでまいりました。

直営店以外の売上高としては、店舗の修繕、事務手数料等があります。店舗の修繕については過去の既存店の平均に店舗数を乗じて算出し、事務手数料につきましては、主に店舗毎のガス料金の精算手数料となっており、直前期実績を基にガス使用量を予測し、手数料を計画して取り組んでまいりました。当連結会計年度は宮崎県1店舗を新規出店いたしました。また、既存FC店舗のうち、福岡県1店舗、宮崎県2店舗の3店舗を直営店とし、直営店舗2店舗は借地契約終了により閉店となったため、当事業年度末での直営店舗数は61店舗(前期比2店舗増)となりました。

この結果、直営部門その他の売上高は630,796千円(前期比9.8%増)となりました。また、直営部門その他の売上原価につきましては、519,892千円(前期比20.6%増)となりました。

 

②財政状態の状況

a. 資産

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ146,425千円減少3,957,121千円となりました。これは主に、洗剤工場落成に伴い有形固定資産の建物が244,790千円、構築物が53,960千円、機械及び装置が80,893千円、土地が53,897千円、無形固定資産が78,662千円増加した一方で、流動資産の現金及び預金が278,758千円、洗剤工場建設に係る有形固定資産の建設仮勘定が431,386千円減少したこと等によるものであります。なお、直営店舗2店舗の固定資産に関して26,366千円の減損処理を実施しております。

b. 負債

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ9,395千円増加2,241,159千円となりました。これは主に、流動負債の1年内返済予定の長期借入金が40,404千円、預り金が22,386千円、固定負債の長期借入金が285,879千円増加、長期未払金が46,859千円増加した一方で、流動負債の短期借入金が388,000千円減少したこと等によるものであります。

c. 純資産

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ155,820千円減少の1,715,962千円となりました。これは、非支配株主持分が7,747千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失176,743千円の計上があったこと等によるものであります。

 

 

コインランドリー店舗数の推移

(単位:店舗) 

 

2020年12月31日現在の店舗数

期中増減

2021年12月31日現在の店舗数

FC店舗

直営店舗

合計

FC店舗

直営店舗

FC店舗

直営店舗

合計

東北エリア

1

1

 

青森県

 

1

1

関東エリア

37

11

48

△5

32

11

43

 

東京都

 

30

9

39

△4

26

35

 

埼玉県

 

1

1

 

千葉県

 

2

2

4

 

神奈川

 

4

4

△1

中部エリア

11

11

11

11

 

愛知県

 

7

7

 

岐阜県

 

1

1

 

三重県

 

3

3

関西エリア

25

4

29

25

29

 

大阪府

 

16

4

20

16

20

奈良県

 

5

5

兵庫県

 

4

4

中国エリア

64

4

68

△1

63

67

 

鳥取県

 

1

岡山県

 

14

14

△1

13

13

広島県

 

15

4

19

△2

13

17

山口県

 

35

35

36

36

四国エリア

23

1

24

26

27

 

愛媛県

 

11

1

12

13

14

香川県

 

11

11

11

11

徳島県

 

1

1

九州エリア

414

38

452

415

40

455

 

福岡県

 

206

12

218

(注1) 

(注1) 

209

12

221

佐賀県

 

21

21

21

21

長崎県

 

12

1

13

△1

11

12

大分県

 

38

6

44

△2

36

42

熊本県

 

57

3

60

58

61

宮崎県

 

47

9

56

(注2)△1

46

11

57

鹿児島県

 

33

7

40

(注3) 

34

41

合計店舗数

574

59

633

△2

572

61

633

 

 

(注)1.当期において、福岡県ではFC店舗を8店舗新規出店しましたが、既存FC店舗のうち1店舗を直営店とし、4店舗はオーナー様事情により退店、また、直営店舗1店舗は借地契約終了により閉店となったためFC店舗は3店舗増加、直営店舗の増減はありませんでした。

(注)2.当期において、宮崎県ではFC店舗を2店舗、直営店舗を1店舗新規出店しましたが、既存FC店舗のうち2店舗を直営店とし、1店舗はオーナー様事情により退店、また、直営店舗1店舗は借地契約終了により閉店となったため、FC店舗は1店舗減少、直営店舗は2店舗増加しております。

(注)3.当期において、鹿児島県ではFC店舗を2店舗新規出店しましたが、既存FC店舗のうち1店舗はオーナー様事情により退店となったため、FC店舗は1店舗増加しております。

以上の結果、期中増減における、FC店舗の合計店舗数は当期FC店舗新規出店数の18店舗から20店舗減少した△2店舗、直営店舗の合計店舗数は当期直営店舗新規出店数の1店舗から1店舗増加した2店舗となっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、278,758千円減少し932,257千円となりました。

当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は、30,509千円(前連結会計年度末113,178千円の支出)となりました。これは主に、減価償却費の増加が166,379千円あった一方で、税金等調整前当期純損失が168,573千円、法人税等の支払額が10,551千円、たな卸資産の増加が13,838千円計上されたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、198,277千円(前連結会計年度末632,418千円の支出)となりました。これは主に、洗剤工場建設に係る有形固定資産の取得による支出が159,262千円、無形固定資産の取得による支出が33,022千円計上されたこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果増加した資金は、70,616千円(前連結会計年度末697,589千円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が400,000千円あった一方で、短期借入れによる純減額が388,000千円、長期借入金の返済による支出が73,717千円計上されたこと等によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループはコインランドリー事業を主要な事業として行っており、生産に該当する事項はありません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社グループはコインランドリー事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、コインランドリー事業における主要な部門別の記載としております。

部門の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

FC部門

338,079

51.1

48,825

29.2

 

(注) 1.店舗管理部門、直営部門その他に関しては受注生産を行っておりませんので、当該記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.契約済かつ入金済の案件を受注としております。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績を部門別に示すと、次のとおりであります。なお、当社グループはコインランドリー事業を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、コインランドリー事業における主要な部門別の記載としております。

(単位:千円)

部門の名称

販売高

前期比(%)

 FC部門

464,309

81.3

 店舗管理部門

1,037,135

100.0

 直営部門その他

630,796

109.8

合計

2,132,240

97.7

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は2,132,240千円(前期比2.3%減)となりました。

(営業利益)

販売費及び一般管理費767,006千円の計上により当連結会計年度の営業損失は140,927千円(前期は124,677千円の営業損失)となりました。

販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料及び手当190,896千円、役員報酬138,975千円であります。

(経常利益)

営業外収益、営業外費用の計上により、当連結会計年度における経常損失は142,206千円(前期は90,996千円の経常損失)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税は9,943千円となりましたが、税効果会計により法人税等調整額を842千円計上したことから、法人税等合計は9,100千円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は176,743千円(前期は128,432千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、この詳細は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b. 財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用、当社子会社がオーナー様に融資を実施するための資金によるものです。投資等を目的とした資金需要は、新規事業、直営店舗増設・店舗維持等の設備投資をするためのものです。資金の財源は上場時に調達した自己資金で賄えますが、今後の経済情勢、会社運営を踏まえて、良好な関係である金融機関との打ち合わせを行いながら、短期借入金及び長期借入金を資金需要のタイミングに合わせて調達をしていく予定であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行いますので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

 

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。

 

 ④ 経営者の問題意識と今後の方針

当社の経営者は、FC店舗数に比例して得られるストック収入による安定した経営基盤を築くことを目標としておりますが、今後は新規事業にも進出する予定であります。そのため、FC店舗を加速度的に展開していくことに加え、有能な人材の確保等が重要であると認識しております。

以上から、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した様々な課題に対処してまいります。

 

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