課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「全ての発想をお客様の立場で考えることを基準とし、真に社会から必要とされる存在であり続ける」ことを企業理念としております。

当社はFC店舗数に比例して得ることができる店舗管理収入によるストックビジネスでの安定した経営基盤を築くことを基本方針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、中長期的な会社の経営戦略

当社は、(1)会社の経営の基本方針で記載したとおり、店舗管理収入による安定した経営基盤を築くことを基本方針としているため、売上高を重要な指標としております。FC店舗数を増加させることで、安定したストックビジネスによる収入も増加することから、FC出店数及び在庫数の増加に注力しております。

中長期的な経営戦略としては、FC店舗を加速度的に増加させることはもちろん、洗剤の自社製造を始めとする、コインランドリー周辺事業ならびに関連事業へ進出する予定であります。将来的には、これら新規事業とストックビジネスとを合わせて展開し、事業規模の拡大と収益性の両面を追求し、継続的に安定した経営基盤と財務体質の維持を築いていく方針であります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

コインランドリー業界につきましては、生活スタイルの変化やアレルギーに対する関心の高まり等により、店舗数が増加し競争が激化することが予想されます。

このような状況の下、当社グループは過年度から継続して物件の現地調査活動や地主様及びFCオーナー様への訪問面談などを行い、新規出店を行っております。

継続的な事業の発展及び経営基盤の安定を図り、「安心、安全、清潔」な店舗をご利用いただけるようにするためには、現在の店舗の基本コンセプトは守りつつも、出店地域における消費者の家族構成、住居形態、住宅地の立地、交通アクセスなどに応じた店舗フォーマットの開発や修正を行い、タイムリーに市場へ投入していく体制を整える必要があると考えております。

一方で、中長期的な経営戦略として取り組んできた洗剤の自社生産やWASHハウスアプリの開発により、当連結会計年度よりコインランドリー周辺事業ならびに関連事業が開始されました。

特にWASHハウスアプリは、サービス向上及び広告収入を得られる3つのシステムから構成されており、累計ダウンロード数は20万を超え、現在も順調に増加しております。このWASHハウスアプリが大きな基盤となり、既存店舗からのストック収入や新規出店が主な売上および利益となっておりました当社の収益構造が、以下の通り今後変化いたします。

1つめは、「スポンサー広告配信」であります。洗濯中に必ず待ち時間が発生するというコインランドリーの特徴を活かし、反応率の高い広告を提供するWASHハウスアプリ広告システムによる配信を運用中であります。なお2022年度1月に「メディア事業部」を新設しており、今後スポンサー広告事業を伸長してまいります。

2つめは、「自社広告の内製化」であります。当社アプリの利用率上昇を受け、従来FCオーナー様から収受している広告分担金を、全社及び店舗の認知度を高めるため、様々な媒体に広告を出稿しておりましたが、今後その一部を、WASHハウスアプリでの広告に切替えてまいります。これにより、アプリを利用した割引クーポンの配布やプッシュ通知など、各店舗の個別戦略を行うことが出来るようになり、各店舗の売上向上に繋げてまいります。

3つめは、「洗剤の内製化」であります。従来、店舗で使用しております洗剤は外注で賄っておりましたが、洗剤を生産する拠点として宮崎工場を2021年2月に落成し、試験運用を経て全店舗へ供給できる体制が整いました。これは将来の「洗濯を無料で提供する」という目標のための原価引き下げ施策の一つであり、2022年度から本格稼働を進めてまいります。

近年は新型コロナウイルス感染症等拡大防止の観点から、出店用地確保の活動を積極的に行うことができず、継続した営業損失を計上しておりますが、事業活動に必要な現預金を確保しているとともに、当座貸越契約を締結するなど取引金融機関とは良好な関係が維持されており、翌連結会計年度を含めて当面の期間において、新たな収益構造を実現していくための資金繰りに懸念はないものと判断しております。このため、創業当時から長期的な目標としている「洗濯を無料で提供する」ことに向けて、現在取り組んでいるコインランドリー事業のプラットフォーム化につきまして、今後も積極的に推進してまいります。

この取り組みを進めることで、新規出店を中心とした当社の収益が、WASHハウスアプリをご利用いただくことによる収益へと将来変わるとともに、従来のコインランドリーのあり方を大きく変える転換点になるものと考えております。

 

以上のことから、当社グループは利用者の立場で考え、技術革新や商品開発などを行いながら、従来のコインランドリーの考え方や商慣習にとらわれることなく、国際的にも通用するデファクトスタンダードの構築を行うという創業時からの一貫した理念の下、以下の事項を今後の事業展開における主要な課題として認識し、事業展開を図る方針であります。

 

① 店舗売上の維持向上

当社グループには、複数物件を保有するFCオーナーが多く、そうしたオーナーを数多く確保していくことがFC新規出店において非常に重要であります。

今後も、リピートオーナーを確保し続けるためにはFC店舗の投資効率の維持・向上に取り組む必要があります。

当社グループでは、出店基準にもとづいて採算性が高いと判断した物件を厳密に選定した上で出店をしておりますが、首都圏に出店しておりますコインランドリーにつきましては、九州エリアと違い、当社グループの認知度はまだ低い状況であります。また、出店した後に競合店が近隣へ進出する場合もあり、最終ユーザーであるお客様から継続的に支持される店舗運営を行っていくことが引き続き大切であると考えております。

2022年12月期においては、自社での出店地開発は引き続き行ってまいりますが、「WASHハウスアプリ」の「キャッシュレス決済システム」を活用し、お客様の利便性の向上に寄与する取り組みを実施するとともに、施設敷地内の店舗とお互いに集客と送客が出来る「相互送客システム」を利用し、チェーンストア本部様とも引き続き協調して新規出店を行ってまいります。

また、当社グループの基本コンセプトであるQSC(クオリティー・サービス・クレンリネス)の向上に向けた取り組みを実践し、各店舗の状況に応じて改善を図っていくとともに、様々な媒体への広告施策やWASHハウスアプリでの通知やクーポン配布などにより、店舗周辺世帯のお客様の利用率をさらに引き上げる活動を継続しております。

 

② 人材の確保と育成について

当社グループのさらなる成長を達成するためには、人材の確保と育成は不可欠であり、またその強化が大きな課題と認識しております。人材の獲得に向けて積極的に活動を行うため、採用と社員育成を行う人材開発室を2022年1月に新設いたしました。これにより教育制度や管理職者のマネジメント力向上に資する研修の実施および充実を図るとともに、組織として力を発揮できる基盤づくりに取り組んでおります。

 

③ 経営管理体制の強化

当社グループでは、海外も含めた業容の拡大等に伴う経営管理体制の充実・強化が重要な課題であると認識しており、経営バランスをとりながら企業価値、社会貢献度を高め、ステークホルダーの皆様に信頼される企業となるためには、コーポレート・ガバナンスのさらなる強化に向けた取り組みが必要と考えております。そのため、社会環境と安全性を重視し、法令及び規則の遵守をより確実に実践するために、取締役会、リスク管理プロジェクトの機能強化と社内の徹底した情報共有のための施策に取り組み、統制の整備、強化を進めております。

 

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