業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当期の経営成績の概況

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

  a.当期の経営成績の状況

当連結会計年度(2021年7月1日から2022年6月30日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルスの度重なる感染拡大や新たな変異株の流行等により先行き不透明な状況が続きました。しかしながら2022年3月22日をもって東京や愛知、大阪など18都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置が全面解除され、また国際的な人の往来再開に向け水際措置も段階的な緩和が行われるなど、感染抑止策や医療提供体制は保ちつつも経済社会活動の本格的な再開へ、両立の動きが強まっております。

2022年7月29日に観光庁が公表している最新の宿泊旅行統計調査(2022年5月第2次速報、2022年6月第1次速報)によりますと、2022年5月の延べ宿泊者数は3,674万人泊(前年同月比+77.3%、2019年同月比△28.5%)、6月は3,451万人泊(前年同月比+73.4%、2019年同月比△24.7%)と、大きく前年は上回るものの、コロナ禍以前には至らない水準で推移しております。

このような事業状況の下で、当社運営ホテルにおける月次の客室稼働率及び客室単価は、期中に感染拡大期を含みつつも前年同期の各月を上回る水準で推移し、2022年3月22日のまん延防止等重点措置の全面解除以降、月次の客室稼働率は2019年6月期に近い水準にて推移しております。また客室単価も回復基調で推移し、2021年12月度は6,245円と2020年3月以降で初めて6千円台まで回復し、2022年1月から2月にかけての感染拡大期においても6千円台を下回ることなく推移いたしました。コロナ禍以前インバウンド需要が強く、比較的単価の高かった大都市圏における客室単価は本格的な回復には至っていないものの、客室単価の回復や各種施策により足元の収支は大きく改善しております。

当社グループにおいて宿泊特化型のビジネスホテルを展開するチョイスホテルズ事業では、2020年7月31日開業のコンフォートホテル石垣島(沖縄県石垣市)、2020年11月26日開業のコンフォートホテル松山(愛媛県松山市)、2021年1月8日開業のコンフォートホテル名古屋名駅南(愛知県名古屋市)、2021年1月12日開業のコンフォートイン東京六本木(東京都港区)、2021年3月24日開業のコンフォートホテル京都堀川五条(京都府京都市)、2021年4月8日開業のコンフォートホテル京都東寺(京都府京都市)、2021年5月17日開業のコンフォートイン京都四条烏丸(京都府京都市)、2021年5月20日開業のコンフォートイン福岡天神(福岡県福岡市)、2021年7月5日開業のコンフォートイン那覇泊港(沖縄県那覇市)、2021年10月14日開業のコンフォートホテル名古屋金山(愛知県名古屋市)、2022年3月23日開業のコンフォートホテル高松(香川県高松市)の当連結会計年度における売上高の貢献がありました。営業面においては、各店舗地域の顧客動向、稼働率の回復を見ながら、急速に回復している国内レジャー需要の取り込み施策、回復基調にあるビジネス需要の獲得施策を実施するとともに、「地域割」等各出店地域の需要喚起策に対応したプラン提供、客室単価の回復に繋がる各種プランのバランス、レベニューマネジメントによる販促強化を図った結果、当事業の売上高は前年比71.1%増の20,068百万円となり、客室稼働率は前年比19.1ポイント増の74.0%、客室単価は前年比15.4%増の6,304円となりました。

地域特性に合わせて宴会場等を併設したシティホテルを中心に展開するグリーンズホテルズ事業においては、2020年11月4日開業のホテルメリケンポート神戸元町(兵庫県神戸市)、2021年7月30日開業のhotel around TAKAYAMA(岐阜県高山市)の当連結会計年度における売上高の貢献があった一方、中長期的な観点から事業環境を見極め、ホテルエコノ金沢片町など当事業において5店舗を閉店いたしました。営業面においては、国体をはじめとした各出店地域のイベント等の中止影響があったものの、設備工事やメンテナンス等のビジネス需要の取り込み、「地域割」等各出店地域の需要喚起策に対応したプラン提供、チョイスホテルズ事業同様に各店舗地域の顧客動向、需要の状況に合わせた販促強化を図った結果、売上高は前年比36.5%増の5,199百万円となり、客室稼働率は前年比15.6ポイント増の67.2%、客室単価は前年比8.8%増の5,356円となりました。

なお、当連結会計年度末時点において両事業合わせ11都道府県に対し、新型コロナウイルス感染症の軽症者等宿泊療養施設として一棟貸しによるホテル施設提供を行っております。これにより対象ホテルにおいては契約期間中、適切な価格設定による一定の売上高が確保されることから業績回復の下支えとなっております。また感染拡大防止のために行う非接触型サービスの導入に対する助成制度等の利用により、従前より利便性向上に向け段階的に進めておりましたセルフチェックイン・アウト機の既存店導入計画を大きく前倒しし、当連結会計年度において両事業合わせて11店舗に導入いたしました。

上記の結果、当連結会計年度における当社グループ全体の客室稼働率は前年比18.4ポイント増の72.5%、客室単価は前年比14.5%増の6,107円、ホテル軒数は100店舗、客室数はチョイスホテルズ事業11,505室、グリーンズホテルズ事業3,170室の合計14,675室となっております。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高25,437百万円(前期比61.9%増)、営業損失2,157百万円(前年同期は営業損失8,573百万円)、経常損失2,021百万円(前年同期は経常損失8,346百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,178百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失8,803百万円)となりました。

 

(注)文中記載の客室稼働率ならびに客室単価は、当連結会計年度における数値となります。月別の数値に関しましては当社ホームページに掲載しております。

株式会社グリーンズ https://www.kk-greens.jp/

 

 b.当期の財政状態の状況

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産につきましては25,932百万円(前連結会計年度末17,296百万円)と、8,636百万円増加いたしました。

うち流動資産は13,159百万円(同6,283百万円)と、6,876百万円増加いたしました。これは主に増資に伴う現金及び預金の増加、売掛金の増加、未収消費税等が減少したことによるものであります。

固定資産は12,772百万円(同11,013百万円)と1,759百万円増加いたしました。これは主に建設仮勘定の増加によるものであります。

負債につきましては24,585百万円(同20,229百万円)と4,355百万円増加いたしました。

うち流動負債は16,583百万円(同10,472百万円)と6,111百万円増加いたしました。これは主に短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の増加によるものであります。

固定負債は8,002百万円(同9,757百万円)と1,755百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。

純資産につきましては1,347百万円(同△2,933百万円)と、4,280百万円増加いたしました。これは主に増資によるものであります。この結果、自己資本比率は5.2%となりました。

 

 ②当期のキャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて6,133百万円増加し、10,015百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は1,029百万円となりました。収入の主な内訳は減価償却費が522百万円、減損損失が118百万円、支出の主な内訳は税金等調整前当期純損失が2,132百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は2,253百万円となりました。収入の主な内訳は有形固定資産の売却による収入が159百万円、差入保証金の回収による収入が141百万円、支出の主な内訳は差入保証金の差入による支出が124百万円、有形固定資産の取得による支出が2,289百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は9,416百万円となりました。収入の主な内訳は株式の発行による収入6,431百万円、短期借入金の純増加額2,000百万円、長期借入れによる収入1,991百万円、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出が731百万円であります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループはホテル事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

  至 2022年6月30日)

前年同期比(%)

チョイスホテルズ事業(千円)

20,068,319

171.1

グリーンズホテルズ事業(千円)

5,199,346

136.5

その他の事業(千円)

169,622

96.3

合    計(千円)

25,437,288

161.9

(注)  1.事業部門間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や取引状況等を勘案し、会計基準の範囲内かつ合理的と考えられる見積り及び判断を行っている部分があり、その結果を資産・負債及び収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関する会計の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における資産につきましては25,932百万円(前連結会計年度末17,296百万円)と、8,636百万円増加いたしました。

うち流動資産は13,159百万円(同6,283百万円)と、6,876百万円増加いたしました。これは主に増資に伴う現金及び預金の増加、売掛金の増加、未収消費税等が減少したことによるものであります。

固定資産は12,772百万円(同11,013百万円)と1,759百万円増加いたしました。これは主に建設仮勘定の増加によるものであります。

(負債合計)

負債につきましては24,585百万円(同20,229百万円)と4,355百万円増加いたしました。

うち流動負債は16,583百万円(同10,472百万円)と6,111百万円増加いたしました。これは主に短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の増加によるものであります。

固定負債は8,002百万円(同9,757百万円)と1,755百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。

(純資産合計)

純資産につきましては1,347百万円(同△2,933百万円)と、4,280百万円増加いたしました。これは主に増資によるものであります。この結果、自己資本比率は5.2%となりました。

 

2)経営成績

(売上高)

当連結会計年度の売上高は25,437百万円(前期比61.9%増)となりました。比較的単価の高かった大都市圏における客室単価は本格的な回復には至っていないものの、客室単価の回復や各種施策により足元の収支が大きく改善したことによるものであります。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上高の増加等により売上原価は23,007百万円(前期比15.1%増)、販売費及び一般管理費は4,587百万円(前期比7.0%増)となりました。

(営業利益)

売上は増加したものの、2019年6月期の売上までは回復しておらず、営業損失は2,157百万円(前年同期は営業損失8,573百万円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純損失は2,178百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失8,803百万円)となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績の概況 ②当期のキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、自己資本の増強及び財務基盤の安定化は重要な課題であると認識しております。アフターコロナにおける成長軌道回帰の実現に必要な投資資金の確保も視野に、資本性のある資金を調達することが必要であるとの考えから、2021年10月19日に、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当によるA種優先株式及び近畿中部広域復興支援投資事業有限責任組合を割当先とする第三者割当によるB種優先株式を発行し、6,000百万円及び500百万円の資金調達を行いました。

また既存借入の借換えを含む運転資金として、総額17,500百万円のシンジケートローン契約(3,000百万円の資本的劣後ローンを含む)、500百万円の資本的劣後ローン契約を締結しております。なお、一部の財務制限条項に抵触しておりますが、主たる各金融機関に対して当該財務制限条項の判定の免除を依頼し承諾を得ております。

 

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