業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

(ⅰ)経営成績

 当連結会計年度の売上高は1,453,943千円(前期比26.0%減)、営業損失は1,216,308千円(前期は営業損失517,904千円)、経常損失は1,197,682千円(前期は経常損失528,261千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は2,510,259千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失852,021千円)となりました。

 当社グループは2021年8月6日に、2022年3月期中は事業構造の転換を敢行し2023年3月期以降Unipos事業専業のSaaS企業として再出発することを公表いたしました。また、当社は2021年6月29日開催の第9回定時株主総会における決議(商号の変更)に基づき、同10月1日付で商号を「Fringe81株式会社」から「Unipos株式会社」に変更しております。

 当連結会計年度末時点で、広告代理サービスにつきましては撤退が完了し、またメディアグロースサービスにつきましても提携先との契約や協業の状況を踏まえ、サービスの終了に至っております。これらの広告事業に所属していた人材についてはUnipos事業へ異動し、また早期の売上高向上のためにUnipos事業の営業部門の幹部人材を採用し組織を再構築いたしました。この結果、Unipos事業は、ストック売上高(継続課金対象となる月額料金)が順調に積み上がり、2022年3月期のUnipos事業の売上高は577百万円(前期比45.4%増)となりました。今後もUnipos事業の陣容を強化し、さらなる成長につなげていきます。

 このほか、賃料等の削減を目的としてオフィスの移転を実施し、2023年3月期につきましては、年間で224百万円の地代家賃の削減効果が見込まれております。構造改革とコストダウンを行うことで2023年3月期以降の赤字幅の圧縮に努め、今後、Unipos事業単体での早期黒字化を目指してまいります。

 一方、広告事業の終了に伴い売上高は510百万円減少いたしました。また広告事業に係るソフトウェア資産及び共用資産として計上する固定資産の減損による影響が863百万円ございますが、キャッシュ・フローへの影響はありません。また賃料等の削減を目的として行った本社オフィス移転に伴う違約金相当額 484 百万円を特別損失として計上しております。

 

(ⅱ)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は15,373千円減少し、2,874,201千円となりました。

 流動資産は429,915千円増加し、2,483,210千円となりました。その主な内訳は、現金及び預金2,165,632千円であります。

 固定資産は445,288千円減少し、390,991千円となりました。その主な内訳は、敷金及び保証金371,173千円であります。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は1,616,987千円減少し、942,292千円となりました。

 流動負債は1,137,433千円減少し、382,292千円となりました。その主な内訳は、1年内返済予定の長期借入金164,608千円、未払金158,221千円であります。

 固定負債は479,554千円減少し、560,000千円となりました。その主な内訳は、長期借入金560,000千円であります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,601,614千円増加し、1,931,908千円となりました。

 その主な内訳は、資本金2,871,175千円、資本剰余金2,950,564千円、利益剰余金△3,900,777千円であります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,165,632千円となり、前連結会計年度末に比べ836,398千円増加いたしました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,473,391千円の支出(前年同期は102,235千円の支出)となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純損失が2,533,064千円あったものの、減損損失863,025千円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、274,103千円の支出(前年同期は512,182千円の支出)となりました。

 これは主として、有形固定資産の取得による支出148,409千円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、2,581,058千円の収入(前年同期は849,295千円の収入)となりました。

 これは主として、長期借入金の返済による支出466,667千円、短期借入金の返済による支出800,000千円があったものの、株式の発行による収入4,124,727千円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(ⅰ)生産実績

当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(ⅱ)受注実績

当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

(ⅲ)販売実績

当連結会計年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。

 

サービスの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

広告事業

876,015

56.0

Unipos事業

577,927

144.3

合計

1,453,943

74.0

(注)1.当社グループはインターネット関連事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

エン・ジャパン株式会社

273,826

13.9

107,361

7.3

株式会社D2C

850,862

43.3

561,840

38.6

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは減損会計における将来キャッシュ・フローであります。なお、当連結会計年度の減損会計における将来キャッシュ・フローに用いた会計上の見積り及び仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表(1) 注記事項 (連結損益計算書関係)※8減損損失」に記載のとおりであります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ)経営成績

 Unipos事業の進捗を表す指標として、当社グループは「売上高」、「ストック売上比率」、「YoY成長率」、「利用件数」を重視しています。

 Unipos事業では、当連結会計年度において、売上高は前年比45.4%を達成し、高い成長率を保ち続けております。売り上げに占めるストック売上比率は90.7%となっており、売上の大部分をストック売上が占めております。また、新型コロナウィルス感染症拡大環境下であることに鑑みてウェビナーによるマーケティング活動を推進した結果、利用顧客件数を伸ばしながらストック売上高を積み上げてきております。

 

 

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 なお、Uniposは継続率が高く長期間にわたる利用を見込んでいますが、昨年度同様に成長投資を継続して行い顧客を増やすフェーズであること、新型コロナウイルス感染症が拡大する状況下を踏まえまして、事業計画の進捗を合理的に見積もった結果、広告事業の固定資産及び新本社を含む共用資産を合わせまして、863,025千円の減損損失を計上することとしました。

 

 費用面においては、継続したコストダウンに取り組んでおりUnipos事業への成長投資を増加させつつも広告事業の撤退に合わせた人件費関連やオフィスの移転による賃料削減により固定費を抑制した結果、販売費及び一般管理費は2,146,898千円(前期は2,100,084千円)となりました。

 この結果、営業損失は1,216,308千円(前期は営業損失517,904千円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は2,510,259千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失852,021千円)となりました。

 

(ⅱ)経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因として、「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営環境、また、「事業等のリスク」に記載したリスクが挙げられます。

 経営環境につきましては、Unipos事業については働き方改革関連市場の広がりが主要な要因となります。また、費用面においてはUniposのマーケティング投資の費用対効果が主要な要因となります。これらの要因の詳細につきましては「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(ⅲ)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、事業環境の変化に耐えうる流動性を確保しつつ、事業の成長に向けた投資を行うために必要な資金を確保することを財務活動の目標ととらえております。

 流動性の確保にあたっては、事業への成長投資を行うべく、金融機関からの借入れにより流動性を高めるよう努めております。

 当社における資金需要としましては、Unipos事業においては顧客獲得に向けたマーケティング投資が中心であります。そのため当社グループでは、金融機関からの借入による資金調達を図っております。

 また、当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、当連結会計年度中に第三者割当によりA種優先株式を発行しました。これにより、Sansan株式会社及び株式会社日本政策投資銀行を割当先とする第三者割当増資により約38億円の調達が完了しております。

 

(ⅳ)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「経営成績」で述べたとおり、Unipos事業の目標達成を判断するための重要指標は、当社グループにおいては「売上高」、「ストック売上比率」、「YoY成長率」、「利用件数」であります。

 

 「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した経営方針のもと、当社グループは以下の中期的方針に沿って取り組んでまいります。

 Unipos事業

 ・風土改革プラットフォームとしての地位を確立する

 ・HRテック市場成長率を上回る売上成長率を目指す

 ・コスト構造を改善し、早期の黒字化を目指す

 

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