業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢の影響で、先行きが不透明で極めて厳しい事業環境となっております。

上記のような経済環境のもと、日本の総広告費は2021年には、前年比110.4%の6兆7,998億円となり、広告市場全体が大きく回復しました。当社の事業が属するインターネット広告市場は、前年比121.4%の2兆7,052億円となり、マスコミ四媒体広告費の総計2兆4,538億円を上回りました。なお、「運用型広告」は、前年比126.3%の1兆8,382億円となり、インターネット広告費が総広告費全体をけん引する結果となっております(出典:株式会社電通「2021年 日本の広告費」による)。背景として、インターネット広告のみで解決できないマーケティング課題を、従来からある媒体と組み合わせるなどして解決する統合ソリューションの進化が進み、データやテクノロジーを活用し、各媒体の強みをさらに高めていく動きが顕著になったことによるものと考えられます。その一方で、個人情報保護の高まりによりcookie規制の取り組みが進められたり、コンプレックスを強調して購買行動を煽るコンプレックス広告に関する規制の要望の高まり等、インターネット広告業界全体に高いコンプライアンス意識が求められるようになっております。

このような状況の中、当社はネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を軸に、広告主(代理店を含む)の広告効果最大化や媒体社(以下メディア)の満足度向上を実現することにより、市場シェアを順調に拡大しました。前連結会計期間に巣ごもり需要を取込み、インプレッション数を増加させたものを、第2四半期及び第3四半期連結会計期間においてLOGLY liftのポートフォリオ戦略を強化したため、さらに増加させることとなりました。他方、広告素材の入替を行ったため、CTR(クリック率)が徐々に減少し、下期にかけて売上高が減少傾向に転じましたが、第4四半期連結会計期間においてはCTRが改善し、売上高も増加に転じました。

一方で、当社は2021年4月に転職アンテナ事業を運営するmoto株式会社を連結子会社化し、新しい事業領域に進出しましたが、計画を大幅に下回る結果となり、第3四半期及び第4四半期連結会計期間において、転職アンテナ事業を運営するmoto株式会社ののれんを減損したため、親会社株主に帰属する当期純利益を大きく減少させることとなりました。

それらの結果、当連結会計年度の売上高は2,681,941千円(前連結会計年度比32.3%減)となりました。また、経常利益は23,239千円(前連結会計年度比88.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失677,560千円(前連結会計年度△25,945千円)となりました。

当社は、ネイティブ広告プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 

 

②財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、1,725,216千円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,377,127千円、売掛金241,052千円であります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は235,678千円となりました。主な内訳は、有形固定資産29,005千円、投資その他の資産206,673千円であります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は854,150千円となりました。主な内訳は、買掛金312,730千円、1年内返済予定の長期借入金254,520千円、前受金120,647千円であります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は617,570千円となりました。主な内訳は、長期借入金617,570千円であります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は489,174千円となりました。主な内訳は、資本金407,687千円、資本剰余金595,403千円、利益剰余金△397,830千円であります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金同等物(以下「資金」という)の残高は、1,367,115千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は195,596千円となりました。これは主に、減損損失596,484千円、のれん償却額65,975千円、売上債権の減少39,800千円、投資有価証券評価損32,108千円があった一方で、税金等調整前当期純損失の計上604,988千円、法人税等の支払額143,886千円、仕入債務の減少80,777千円、があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は625,807千円となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出618,536千円、投資有価証券の取得による支出6,333千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、559,270千円となりました。これは主に、長期借入による収入750,000千円、短期借入による収入100,000千円、一方で長期借入金の返済による支出241,184千円、自己株式の取得による支出49,845千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

当社の販売実績は、次のとおりであります。

なお、当社はネイティブ広告プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ネイティブ広告プラットフォーム事業

2,681,941

67.71

合計

2,681,941

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

a.関係会社株式(moto株式会社)

「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

b.固定資産の減損

減損の兆候がある資産又は資産グループについて減損損失の認識の判定を行い、減損損失を認識すべきであると判定した場合には帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。

moto株式会社ののれんの減損損失の金額を検討するに当たり、回収可能価額を使用価値により測定し、使用価値は、のれんの残存償却年数における将来キャッシュ・フローの割引現在価値として算定しております。当該将来キャ ッシュ・フローは翌年度の予算等に基づき算定しており、成果件数(転職サイトの登録件数)を主要な仮定としております。成果件数の予測は不確実性を伴い、この経営者による判断が将来キャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度においては、moto株式会社ののれんについて減損損失を596,484千円計上いたしました。減損損失の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」をご参照ください。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

財政状態状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

2)経営成績

(売上高)

売上高は、2,681,941千円となりました。これは主に、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)対応による一時的な広告収入減退の後、顧客企業の増加により「LOGLY lift」での広告収入が順調に回復したことによるものであります。

 

(売上原価及び売上総利益)

売上原価は、2,023,202千円となりました。これは主に、「LOGLY lift」の広告配信に対応する広告枠の仕入の増減によるものであります。この結果、売上総利益658,738千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

販売費及び一般管理費は、633,499千円となりました。これは主に、人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。この結果、営業利益は25,239千円となりました。

営業外収益は、主に受取手数料1,605千円、還付加算金1,574千円により4,578千円となりました。

営業外費用は、主に支払利息3,482千円と投資事業組合運用損3,083千円により6,578千円となりました。この結果、経常利益は23,239千円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

減損損失596,484千円を計上し、税金等調整前当期純損失は△604,988千円となりました。法人税、住民税及び事業税を51,766千円、法人税等調整額を20,806千円計上し、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は△677,560千円となりました。

3)キャッシュ・フローの状況

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の経営成績に影響を与える大きな要因は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、媒体社へ支払う仕入額と、従業員に支払う給与、そして本社維持費の地代家賃となっております。

 

財務政策

当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を適宜市場または金融機関より調達を行い、獲得した資金を調達目的の達成を通じて当社の成長性向上に活かしていきます。

 

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