業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

また、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得および企業収益の改善が続き緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外経済については、米中の貿易摩擦や各国の政策運営、英国のEU離脱問題、地政学リスクの高まり等、先行きは不透明な状況が継続しました。

このような環境のもと、当連結会計年度の経営成績は、受注高は21,400百万円(前期比8.7%増)、売上高は19,402百万円(前期比1.7%増)、営業損失は566百万円(前期は営業利益484百万円)、経常損失は487百万円(前期は経常利益535百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は363百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益355百万円)となりました。

当社の属する事業のうち造船および船舶関連市場においては、低迷が続いていた海運マーケットは底を脱したとみられますが、船舶の供給過剰感は払拭されず、本格的な回復にはなお時間を要すると考えられます。一方、発電・産業システム市場では、2016年以降の電力・ガスの全面自由化および2018年に閣議決定した第5次エネルギー基本計画による再生可能エネルギーへの転換等、市場環境、電力需給の変化は継続しております。このような状況のなか、売上高、受注高とも前期を上回りましたものの、損益につきましては、発電機の特定機種で故障事例が発生し、類似機種を含めてその改修に費用が発生したこと及び、品質確保のために原価率が増加した物件があったことが影響し、大幅な損失を計上しました。

当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報にかえて主要製品別の業績を示すと次のとおりであります。

船舶用電機システムについては、貨物船、タンカー向け発電機、電動機等のコンポーネント製品の受注落ち込みを、電気推進システム、軸発電システム等のシステム製品およびコンテナ船、LNG船向け大型発電機がカバーして、好調に推移したことにより、受注高は10,032百万円(前期比43.6%増)となりました。一方、売上高は海運マーケットの悪化による前期までの受注量の減少が影響し、8,058百万円(前期比5.0%減)となりました。 

当連結会計年度において、内航貨物船向けに国内初の電池推進システムを納入しました。リチウムイオン電池搭載型ハイブリッド推進システムにより、停泊時及び港湾内航海においてCO₂ゼロエミッションを実現、高い省エネ性能、環境負荷性能を実現しています。また、官公庁向けに本年度就役し、海底地形調査等の海洋調査に従事する大型測量船向けに電気推進装置一式を納入いたしました。

発電・産業システムについては、受注高は11,367百万円(前期比10.5%減)と前期を下回ったものの例年と比べると高い水準で推移しています。一方、売上高は、首都圏の再開発向け発電機、再生可能エネルギーへのシフトを背景とした中小水力発電機が好調に推移したことにより、11,343百万円(前期比7.1%増)となりました。

当連結会計年度において、電力会社向けに中小水力発電用発電機と制御盤、重電機器メーカへは試験用電源として電圧・周波数変換装置(M-Gセット)を納入いたしました。また、自動車製造業者の工場向けに常用ガスエンジン用発電機を発電機制御盤とセットで納入いたしました。この設備では工場で使用される電力量の約半分をまかなっております。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

  ① 生産実績

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の生産実績を主要製品別に示すと、次のとおりであります。

主要製品の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

船舶用電機システム(千円)

8,020,941

△4.5

発電・産業システム(千円)

11,579,064

7.8

合計(千円)

19,600,006

2.4

 

(注) 1.上記金額は販売予定価額で示しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ② 受注実績

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の受注実績を主要製品別に示すと、次のとおりであります。

主要製品の名称

受注高

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

受注残高
(2019年3月31日)

前年同期比(%)

船舶用電機システム(千円)

10,032,378

43.6

10,831,458

22.3

発電・産業システム(千円)

11,367,901

△10.5

10,721,974

0.2

合計(千円)

21,400,279

8.7

21,553,433

10.2

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

  ③ 販売実績

当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を主要製品別に示すと、次のとおりであります。

主要製品の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

船舶用電機システム(千円)

8,058,583

△5.0

発電・産業システム(千円)

11,343,726

7.1

合計(千円)

19,402,310

1.7

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東芝インフラシステムズ株式会社

2,998,954

15.7

3,904,981

20.1

 

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

 ① 資産

流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ263百万円減少し、13,172百万円(前年同期比2.0%減)となりました。現金同等物(現金及び預金、グループ預け金)は、(3)キャッシュ・フローで後述いたしますが46百万円減少しております。たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)は、生産高の増加により245百万円増加しております。一方、受取手形及び売掛金、電子記録債権につきましては、売上高は増加したものの、一部早期回収物件がありましたことから488百万円減少いたしました。

固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ114百万円増加し、12,785百万円(同0.9%増)となりました。有形固定資産については、当連結会計年度は合理化及び老朽更新中心の設備投資を実施しましたが、ほぼ同額の減価償却により15百万円の減少と前年同期並みとなっております。投資その他の資産は、繰延税金資産が146百万円増加しております。

以上により、資産合計は前連結会計年度末に比べ149百万円減少し、25,958百万円(同0.6%減)となりました。

 

 ② 負債

流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ679百万円増加し、7,751百万円(同9.6%増)となりました。生産高の増加に伴い、材料・部品等の仕入れが増加し、支払手形及び買掛金が637百万円増加しました。また、品質対応費用の追加等により未払金が785百万円増加しました。一方、流動負債のその他は656百万円減少しておりますが、主に前受金の取崩しによるものであります。

固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ411百万円減少し、5,871百万円(同6.5%減)となりました。これは退職給付に係る負債が390百万円減少したことが主な要因であります。

以上により、負債合計は前連結会計年度末に比べ268百万円増加し、13,622百万円(同2.0%増)となりました。

 

 ③ 純資産

純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ417百万円減少し、12,335百万円(同3.3%減)となりました。株主資本は、剰余金の配当△117百万円、親会社株主に帰属する当期純損失363百万円等を反映し、480百万円の減少となっております。その他の包括利益累計額は、63百万円の増加となっております。

以上により、自己資本比率は、前連結会計年度末の48.8%から47.5%へと1.3%減少いたしました。

 

 

(3) キャッシュ・フロー

 ① 現金及び現金同等物

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ46百万円減少し、2,229百万円となりました。

 

 ② 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は485百万円(前年同期は149百万円の獲得)となりました。主な増加要因は、減価償却費354百万円、売上債権の減少額487百万円、仕入債務の増加額639百万円、未払金の増加額785百万円等であります。一方、主な減少要因は、税金等調整前当期純損失487百万円、たな卸資産の増加額248百万円、前受金の減少額530百万円等であります。

前年同期比では336百万円の増加となっておりますが、今後につきましては、継続的な利益確保を目指すとともに、売上債権、たな卸資産の圧縮等を通じて資産効率の改善にも取り組んでまいります。

 

 ③ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は407百万円(前年同期は413百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出391百万円を反映したものであり、前年同様に合理化及び老朽更新中心の設備投資をおこなったことによります。

今後、成長性の高い事業分野並びに企業体質強化のために必要な設備投資を継続していく予定でありますが、市場動向や投資対効果等を勘案し、投資案件の選別を行っていく予定であります。

以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリー・キャッシュ・フローは77百万円のプラス(前年同期は264百万円のマイナス)となりました。

 

 ④ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は120百万円(前年同期は120百万円の使用)となりました。主な要因は配当金の支払額117百万円によるものでありますが、当社は安定配当の継続を基本方針としており、借入金もないことから、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同期と比較してほぼ変動ありません。

 

 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

ア.流動性管理

当社グループの当連結会計年度末の状況としましては、現金及び現金同等物の2,229百万円であります。グループ預け金については、一時的な余資を運用するという当社グループの金融商品の取組方針に基づき、株式会社 東芝に預入を行っております。

一方、当連結会計年度末における有利子負債は、リース債務の2百万円であります。

イ.資金調達

 当社グループは、必要な場合、東芝グループファイナンス制度により資金調達することとしております。

 

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