文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは、「卓越した創意工夫と最良の科学技術によって、どこにもなかった素晴らしい方法を創出し、人々の役に立つ」という企業理念(The Vision)のもと、家電という道具を通して、素晴らしい体験を社会にお届けすべく事業活動に取り組んでおり、これらの活動が株主価値及び企業価値の最大化につながると考えています。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、成長性、収益性及び効率性向上を重視した経営が必要と認識し、企業価値の向上に努めています。企業価値向上の判断にあたっては、重要な経営指標として売上高及び営業利益率を重視し、収益力の向上及び堅実な経営基盤の構築に邁進していきます。
(3)経営戦略等
当社グループは、 家電 を通じて、心躍るような、素晴らしい体験をお届けすることを目指して事業を展開してきました。これまで以上の幅広い層に、製品を通じて感動をお届けするため、クリーナー等、より市場の大きいジャンルへ進出し、空調関連やキッチン関連に続く製品カテゴリーを確立するため、新たな技術やデザイン性を追求した製品開発を進めています。2021年においては、IT機器やAV機器等の技術集積度の高い製品を扱う新ブランド「BALMUDA Technologies」を立ち上げ、その第一弾製品としてスマートフォンを発売し、携帯端末事業へ参入しました。なお、製品の展開にあたっては、比較的認知度の高い日本、韓国に加えて、2020年に進出した北米を重点地域として経営資源を集中し、ブランドや製品の認知度向上を図るための各種コミュニケーション施策を実施することによって、売上高の拡大を図り、更なる成長を目指していきます。
(4)経営環境
経済産業省の工業統計(品目別)によると、白物家電の主要6品目(電気冷蔵庫、電気洗濯機、電気がま、電子レンジ、電気掃除機、電気アイロン)の出荷額は、冷夏や猛暑といった気候、エコポイント、消費増税等の影響を受けながら、概ね6,000~7,000億円前後で推移しています。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」という)の感染動向が懸念されるなか、今後の経済情勢については不透明感の強く残る状況となっています。
国内は買い替え需要主体の成熟市場であり、長期的には人口減による市場縮小が見込まれます。他方、日本電機工業会(JEMA)によると、共働きや少人数世帯、高齢化世帯の増加、ライフスタイルの多様化に対応する商品や省エネ・高付加価値商品が堅調に伸びるなど、トレンドの変化が生じており、各メーカーは需要の変化を見据えた商品開発を行っています。 感染症の影響による健康清潔意識の高まりや、安全安心な暮らしへの欲求、デジタル消費の加速、内食への回帰と中食の増加、リモートワーク増加による都市部集中の緩和等の動きは、価値観や社会の多様化をさらに加速させていくものと考えられます。
(5)対処すべき課題
当社は、監査等委員会設置会社へ移行しています。経営環境の変化が激しい中で、経営の意思決定をより迅速化するとともに、監査等委員である取締役が議決権を有することにより、これまで以上に取締役の業務執行に対する監督機能を強化し、更なるコーポレート・ガバナンスの強化及び継続的な企業価値の拡大に努めていきます。
② 企業ブランドの構築
顧客の本質的ニーズを考え、卓越した創意工夫と最良の科学技術によって「うれしさや楽しさ」を顧客が体感できる機能、性能を製品に反映していくとともに、適時適切なコミュニケーション施策の展開を通じて、顧客の様々な体験機会を創出することにより、企画・デザイン・技術・ブランド力で競争優位を確立させるよう努めていきます。
製品開発における品質と信頼性の向上に向けて、製品開発プロセスを要所で区切り、進行状況の期限管理を徹底する一方で、企画初期の段階から徹底したリスクアセスメントの実施によって、開発上の対処すべき課題をより広範に洗い出し、次の開発ステップに移行可能かどうかの審査を厳格化することにより、品質の向上に努めていきます。
事業の継続的な発展を実現させるためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化は必須であり、そのために財務報告の信頼性を確保するための内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しています。コーポレート・ガバナンスに関しては、内部監査による定期的なモニタリングの実施や監査法人との連携を図ることにより適切に運用を進めています。ステークホルダーに対して経営の適切性や健全性を確保しつつも、ベンチャー企業としての俊敏さも兼ね備えた、全社的に効率化された組織体制の構築に向けて更に内部管理体制の強化に取り組んでいきます。
今後の更なる成長を目指すうえで、人材の獲得及び育成が重要であると考えています。人材獲得競争は今後も厳しい状況が続くと思われますが、当社の経営方針やビジョンに共感し、高い専門性を有する人材を惹きつけられるように、教育研修制度の整備、福利厚生の充実を図っていくとともに、外部ノウハウの活用等にも積極的に取組み、事業計画達成に必要となる適切な人材リソースの確保に努めていきます。
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