業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

 

 ①経営成績

 

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大等により、依然として先行き不透明な状況が続いています。

このような状況の中、当社グループは、国内において2025年度から予定されている次世代スマートメーターの導入や、海外でのソリューション・サービスの拡大などへ向けて、中期経営計画の重点戦略である「スマートメーターを活用した付加価値創出とエネルギー・ソリューションの拡大」、「コアとなる新製品・新事業の創出」、「利益を重視したグローバル成長」、「グループ経営基盤の強化」を推進しています。

国内計測制御事業については、スマートメーターが減収となったことに加え、前年度に一定量を出荷した賃貸物件向けスマートロックの減収等により、売上高は前年度比4.5%減の46,006百万円となりました。利益面においては、前述の減収に加えて原材料費の高騰等により利益率が低下し、営業利益は前年度比60.9%減の1,225百万円となりました。

海外計測制御事業については、オセアニア向け及び英国向けの出荷は新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年度と比較して増加しました。一方で、前年度の業績に貢献したイラク・クルド自治政府向けの売上は需要の一巡により減少しました。これらにより、売上高は前年度比10.1%増の30,068百万円、営業利益は58百万円(前年度は467百万円の損失)となりました。

製造装置事業については、新型コロナウイルス感染症の影響による受注の減少等により売上高は前年度比27.9%減の692百万円、営業利益は282百万円の損失(前年度は264百万円の損失)となりました。

不動産事業については、売上高は前年度比0.1%増の553百万円、営業利益は前年度比0.2%増の271百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は76,184百万円と前年度比71百万円(0.1%)の減収、営業利益は1,277百万円と前年度比1,407百万円(52.4%)の減益、経常利益は1,189百万円と前年度比1,698百万円(58.8%)の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は658百万円の損失(前年度は482百万円の利益)となりました。

なお、当期から報告セグメントの変更を行っており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

<連結業績>

       (単位:百万円)

 

2021年3月

実績

2022年3月

実績

年度

期初計画

期初計画比

金額

比率

金額

比率

売上高

76,255

76,184

△71

△0.1%

83,000

△6,815

△8.2%

 

国内計測制御事業

48,193

46,006

△2,186

△4.5%

 

 

 

 

海外計測制御事業

27,301

30,068

2,766

+10.1%

 

 

 

 

製造装置事業

960

692

△268

△27.9%

 

 

 

 

不動産事業

553

553

0

+0.1%

 

 

 

 

調整額

△753

△1,137

△384

 

 

 

営業利益

2,684

1,277

△1,407

△52.4%

3,500

△2,222

△63.5%

 

国内計測制御事業

3,136

1,225

△1,910

△60.9%

 

 

 

 

海外計測制御事業

△467

58

525

 

 

 

 

製造装置事業

△264

△282

△17

 

 

 

 

不動産事業

270

271

0

+0.2%

 

 

 

 

調整額

9

4

△5

△54.6%

 

 

 

経常利益

2,888

1,189

△1,698

△58.8%

3,300

△2,110

△64.0%

親会社株主に帰属

する当期純利益

482

△658

△1,140

3,000

△3,658

 

 

 

 当連結会計年度における生産実績、受注状況(見込み生産を行っているものを除く)及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 a生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

国内計測制御事業

45,482

△2.9

海外計測制御事業

29,044

+9.6

製造装置事業

562

△39.6

合計

75,089

+1.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

 b受注状況

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

国内計測制御事業

12,384

+28.7

6,854

+51.1

製造装置事業

1,675

+110.3

1,426

+249.6

合計

14,059

+35.0

8,280

+67.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 海外計測制御事業については見込生産を主体としているため、記載を省略しております。

 

 c販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

国内計測制御事業

45,983

△4.5

海外計測制御事業

29,095

+9.1

製造装置事業

657

△31.6

不動産事業

448

+0.1

合計

76,184

△0.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

関西電力送配電株式会社

15,925

20.9

15,283

20.1

 

 

 

 

  ②財政状態

 

項目

前連結会計年度
2021年3月31日

当連結会計年度
2022年3月31日

増 減

総資産額(百万円)

90,989

91,222

233

負債合計額(百万円)

32,101

33,610

1,509

純資産額(百万円)

58,887

57,611

△1,276

自己資本比率(%)

51.2

49.6

△1.6

 

当連結会計年度末における総資産は、受取手形及び売掛金が450百万円減少しましたが、棚卸資産が450百万円、建設仮勘定が412百万円それぞれ増加したこと等により、前年度末と比較して233百万円増加し、91,222百万円となりました。

負債は、流動負債のその他が514百万円、支払手形及び買掛金・電子記録債務が386百万円増加したこと等により、前年度末と比較して1,509百万円増加し、33,610百万円となりました。

純資産は、為替換算調整勘定が451百万円増加しましたが、利益剰余金が1,648百万円減少したこと等により、前年度末と比較して1,276百万円減少し、57,611百万円となりました。

 

  ③キャッシュ・フロー

 

分類

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増 減
(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

10,503

4,422

△6,080

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,187

△1,219

△31

財務活動によるキャッシュ・フロー

△6,939

△2,934

4,005

現金及び現金同等物の期末残高

14,654

15,335

680

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前年度末に比べ680百万円増加して15,335百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,114百万円、減価償却費2,536百万円、売上債権の減少額1,240百万円、棚卸資産の減少額353百万円等の資金増加要因が、法人税等の支払額1,343百万円等の資金減少要因を上回ったことにより4,422百万円の資金増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,444百万円等の資金減少要因により1,219百万円の資金減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、海外での長・短期借入金の純減少額568百万円、非支配株主も含めた配当金の支払額1,639百万円、自己株式の取得による支出406百万円等の資金減少要因により2,934百万円の資金減少となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

47.8

51.2

49.6

時価ベースの自己資本比率(%)

26.7

32.8

24.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.6

2.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

27.4

15.4

 

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
   時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
   インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

*営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

2020年3月期は営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは記載しておりません

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
 

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の「4 会計方針に関する事項」に記載しております。

 また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②経営成績の分析
 

2022年3月期は、世界的な電子部材の調達難の影響により、国内計測制御事業、海外計測制御事業 ともに、売上高、営業利益が期初計画を下回りました。

また、国内計測制御事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、エネルギーマネジメ ント関連製品・サービスや賃貸物件向けスマートロックなどが厳しく推移しました。さらに、期初計画で見込んでいた海外連結子会社の売却益の計上が次期となったため、当期純利益が期初計画を大幅に下回りました。

製造装置事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による受注の減少により、売上高、営業利益が期初計画を下回りましたが、 不動産事業においては高い稼働率を維持したことにより、期初の計画線上で推移しました。

 

 

これらの結果、下表のとおりの連結経営成績となりました。

                                       (単位:百万円) 

 

2022年3月期

実績

前年度比

期初計画比

金額

比率

金額

比率

売上高

76,184

△71

△0.1%

△6,815

△8.2%

営業利益

1,277

△1,407

△52.4%

△2,222

△63.5%

経常利益

1,189

△1,698

△58.8%

△2,110

△64.0%

親会社株主に帰属する

当期純利益

△658

△1,140

△3,658

 

 

以上のように、当連結会計年度において、売上高は世界的な電子部材の調達難の影響により、期初計画を下回りました。利益面においても、減収に加えて原材料費の高騰により期初計画を下回りました。このような状況下、グループとして販売費及び一般管理費を抑制しつつ、グループの中期的な成長へ向けた取り組みを推進しました。なお、2023年3月期以降は、国内でのスマートメーターの新たな付加価値創出や、脱炭素化やGX化をワンストップで提供するソリューションビジネスへの注力 、海外でのソリューション・サービスの拡大など、中期的な成長へ向けて取り組みます。

 

③資本の財源及び資金の流動性

 

当社グループの事業活動に必要な資金について、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としつつ、債権回収までに資金が必要な時は銀行借入等による資金調達によって流動性を保持しています。当社グループは中期的な企業価値向上へ向けて、スマートメーター事業や、ソリューション事業の付加価値向上を目的とした開発に資金を投じてまいります。

 

当社と連結グループ会社間は、グループファイナンスにより資金融通を行うことで、グループ内資金の有効活用を図り、資金効率の向上に努めております。一方で、資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やROEへの影響度等、総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。

経営資源については、成長へ向けた投資を進める一方、株主還元の強化に活用します。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 

 当社は株主資本の効率化を重視しており、ROE(自己資本当期純利益率)の持続的な向上を目指しています。2022年5月に公表しました2023-27年3月期の中期経営計画の目標は、下表のとおりです。

 

 

2023年3月期

計画

2024年3月期

目標

2025年3月期

目標

 

2027年3月期

イメージ

ROE

3.5%

3.5%

5.5%

 

8.0%以上

 

 

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