本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は1953年の創業以来、60年を超える歴史があり、モノづくり企業として、品質、コスト、納期など、あらゆる面で顧客の信頼を得ることを経営の基本方針としてまいりました。最近では法令遵守や環境保全、人権尊重などの観点から、企業倫理の確立と企業の社会的責任(CSR)の実践に前向きに取り組んでおります。
当社を取り巻く市場環境は、急激に変化し、ユーザーニーズはますます多様化、複雑化しておりますが、どのような状況下にあっても電気制御機器の専業メーカーとして、自ら創意工夫して技術力を高め、ユーザーとともに切磋琢磨し、社会のトレンドやユーザーニーズに対応した最良の製品を提供する、“共創共生”の関係こそが時代を生き抜くキーワードと考えております。
環境変化に機敏に対応できる強固な経営体質を確立するため、引き続き新製品開発のスピードアップ、品質向上、コストダウン、IT(情報技術)化、人材育成等の重点テーマに経営資源を集中し、「企業は公器」という基本理念のもと、労使一体となって、従業員、得意先、株主、地域社会など、すべてのステークホルダーから信頼される企業づくりを進める所存であります。
(2)経営戦略
当社では、2027年1月期に売上高5,000百万円を目標とする経営計画「STEP50」を策定し、2021年2月(2022年1月期)から、2024年1月期に売上高4,500百万円を目標とする3ヵ年の中期経営計画(フェーズ1)がスタートいたしましたが、重電機器市場では電力システム改革以降の市場競争激化に加え、原油高の影響から設備更新の慎重さが強まっております。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、海外市場の停滞が継続しており、国内でも鉄道利用者が大幅に減少したことで、鉄道変電設備の更新計画の先送りや新造車の生産計画の見直し、既存車両でも機器の延命化により需要が減少していることから、2023年1月期の売上高を4,150百万円から3,900百万円に、2024年1月期の売上高を4,500百万円から4,200百万円にそれぞれ修正しております。
(%表示は、対2021年1月期増減率)
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2021年1月期 |
2022年1月期 |
2023年1月期 |
2024年1月期 |
売上高(百万円) |
3,659 |
3,721(1.7%) |
3,900(6.6%) |
4,200(14.8%) |
重電機器市場の深耕では、発・変電所の新設、更新に向けた販売強化、鉄道車両市場の開拓では、既存・新車両向け製品の販売強化に引き続き努めるとともに、新技術要素をもとにした戦略的開発製品を投入し、新たな市場創出に取り組んでまいります。
海外市場の開拓においては、アジアや中東各国での販売網の強化に加え、海外仕様に特化した付加価値の高い製品の開発・販売を進めてまいります。
このほかにも、仕入販売における取扱商品の拡充による新たな市場の開拓・拡大を目指すほか、外販用の生産装置や金型の製作などに取り組んでまいります。
(3)目標とする経営指標
当社では、企業価値及び株主共同の利益を確保し、または向上させるため、自己資本当期純利益率(ROE)及び1株当たり当期純利益(EPS)を経営指標とし、ROE 5.0%以上、EPS 80円以上を目標としております。
(4)経営環境
当社の主力である重電機器市場は、電力自由化によるコスト競争の激化やシステムのデジタル化、再生エネルギーの活用・電源分散化を前提とした電力網の構築など、事業環境は大きく変化しており、品質やコスト、納期面でも企業間競争が年々激化している状況にあります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社の主力である重電機器市場は、電力自由化によるコスト競争の激化やシステムのデジタル化、再生エネルギーの活用・電源分散化を前提とした電力網の構築など、その事業環境は大きく変化しており、当社では、収益力の強化とコスト改善が今後の課題であると認識しております。
収益力の強化については、重電機器市場における既存製品の販売拡大はもとより、ユーザーや時代のニーズに沿った製品開発を行うとともに、仕入販売や装置販売を推進し、収益基盤の多角化を図ってまいります。
また、国内市場のみならず、アジアや中東地域を中心に、販売網の強化に努め、海外仕様に特化した付加価値の高い製品の開発・販売を進めてまいります。
コスト改善については、設備投資による生産性向上を通じた製造原価の低減や一層の業務のデジタル化を推進し、コスト競争力を高めてまいります。
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