業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度における世界の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症により厳しい状況が続くなか、社会経済の正常化に向けて全体としては持ち直しつつあります。しかしながら、原料価格の上昇や為替相場の変動、サプライチェーンに起因した供給制約等により依然として不確実性を有しており、ロシアのウクライナ侵攻により先行きの不透明感は一層高まってきております。

このような状況のなか、当社グループは国内外の主力分野であるカーエレクトロニクス・ホームアプライアンス・電子応用関連で受注が堅調に推移いたしました。その結果、当連結会計年度における売上高は29,397百万円(前年同期比31.5%増)となりました。

営業損益につきましては、経営構造改革の一環として全社的な経営意思決定の迅速化と、不採算の管理可能個別固定費の削減により経営資源の再配分を図った結果、当連結会計年度の営業利益は1,558百万円(前年同期比13倍)となり、経常利益は1,476百万円(前年同期比295倍)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,327百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失208百万円)となりました。

なお、業績の回復を受け当連結会計年度の期末配当は、10円の復配とさせていただく予定であります。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

 

(プリント配線板事業)

プリント配線板事業につきましては、前連結会計年度の第3四半期から需要が急速に回復し、カーエレクトロニクス・アミューズメント・ホームアプライアンス・電子応用関連のいずれの分野でも前年同期を上回る結果となりました。売上高は28,782百万円(前年同期比33.0%増)、セグメント利益は生産効率の向上と管理可能個別固定費の圧縮による原価低減に努めたことにより、営業利益は1,555百万円(前年同期比16倍)となりました。

(検査機・ソリューション事業)

検査機・ソリューション事業につきましては、新型コロナウイルスの感染急拡大による海外への販売活動が制限された影響により依然として厳しい状況が続いております。その結果、売上高は508百万円(前年同期比17.5%減)、セグメント利益は管理可能個別固定費の圧縮に努めたものの、営業損失は21百万円(前年同期は営業損失4百万円)となりました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(2)財政状態

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、22,340百万円(前期末比2,018百万円増)となりました。その内訳は、流動資産が12,068百万円(前期末比1,666百万円増)、固定資産が10,272百万円(前期末比352百万円増)であり、主な増減要因は次のとおりであります。

流動資産につきましては、受取手形及び売掛金が522百万円、製品が944百万円、原材料及び貯蔵品が319百万円の増加と、現金及び預金が371百万円減少したこと等によるものであります。固定資産につきましては、有形固定資産が218百万円、投資その他の資産が156百万円増加したこと等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、18,243百万円(前期末比397百万円増)となりました。その内訳は、流動負債が13,460百万円(前期末比2,086百万円増)、固定負債が4,782百万円(前期末比1,689百万円減)であり、主な増減要因は次のとおりであります。

流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が1,095百万円、1年内返済予定の長期借入金が191百万円、1年内償還予定の社債が200百万円、賞与引当金が218百万円増加したこと等によるものであります。固定負債につきましては、社債が200百万円、長期借入金が1,383百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、4,097百万円(前期末比1,621百万円増)となりました。主な増減要因は、経営体質強化を図る経営構造改革の効果が発現し利益剰余金が1,316百万円増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,693百万円となり、前期末比では371百万円減少いたしました。なお、当連結会計年度における各活動におけるキャッシュ・フローの状況は、次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における営業活動による資金の獲得は2,525百万円となり、前年同期比では1,241百万円の増加となりました。主な要因は、当連結会計年度で税金等調整前当期純利益が1,407百万円発生したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における投資活動による資金の流出は620百万円となり、前年同期比では496百万円の流出額の減少となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が371百万円減少したことや、有形固定資産売却による収入が247百万円増加したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度末における財務活動による資金の流出は2,366百万円(前年同期は474百万円の獲得)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が1,609百万円減少したことや、長期借入金の返済による支出が1,801百万円増加したこと等によるものであります。

 

 

(4)生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度におけるプリント配線板事業の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

片面プリント配線板

664

156.6

両面プリント配線板

22,263

202.7

多層プリント配線板

11,254

165.2

その他

69

73.7

合計

34,251

187.0

 

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 「検査機・ソリューション事業」については社内生産を行っていないため記載を省略しております。

3 「その他」の欄は「プリント配線板事業」における透明フィルム基板(SPETシリーズ)等であります。

 

b. 受注実績

当連結会計年度におけるプリント配線板事業の受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

片面プリント配線板

333

111.4

7

24.2

両面プリント配線板

16,549

141.4

3,540

200.2

多層プリント配線板

12,814

146.8

3,264

183.9

その他

982

102.1

120

133.0

合計

30,678

141.5

6,933

189.1

 

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 「その他」の欄には、「プリント配線板事業」における片面・両面・多層プリント配線板以外の品目が含まれております。

3 受注実績においては、「プリント配線板事業」が大部分を占めるため、「検査機・ソリューション事業」についての記載を省略しております。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

プリント配線板事業

 

 

 片面プリント配線板

358

130.7

 両面プリント配線板

14,777

130.0

 多層プリント配線板

11,324

138.7

 その他

2,322

127.2

28,782

133.0

検査機・ソリューション事業

495

81.4

その他

119

106.8

合計

29,397

131.5

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 「プリント配線板事業」については、品目別に示しております。

3 プリント配線板事業「その他」の欄には、「プリント配線板事業」における片面・両面・多層プリント配線板以外の品目が含まれております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金の主たるものは、当社グループの製品製造に必要な原材料及び外注加工費のほか、製造経費、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、給料手当等の人件費及び製品発送にかかわる運賃荷造費であります。

また、設備資金としてプリント配線板の生産設備に対する設備投資がありますが、その重要性、緊急性を充分に勘案し、必要なものに絞り設備投資を実施しております。

 

当社グループの資金調達につきましては、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、事業展開で必要とされる資金需要に対する安定的、効率的な資金調達手段の確保及び資金調達の柔軟性・機動性の向上を図るために、シンジケート方式によるコミットメント期間付タームローン契約を締結しております。

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく、事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

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