(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて65億62百万円増加し、394億47百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べて23億43百万円増加し、108億48百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べて42億19百万円増加し、285億99百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数も収束に向かいつつあり、経済活動にも回復の兆しが見られたものの、ロシア・ウクライナ情勢は長期化の様相を呈しており、資源価格の高騰などによりインフレ傾向が続きました。欧米各国で金融引き締めが行なわれたことで、為替が大きく変動するとともに、世界的な景気後退の懸念が高まっており、先行きは依然として不透明な状態が続いています。
フラットパネルディスプレー業界におきましては、液晶パネルの価格が昨年7月以来下落し続けたため、パネルメーカーの量産ラインで生産調整の動きがみられました。一方、主に中国において、有機ELパネル工場の新設および増設、液晶パネル工場の増設が行われました。さらに、各国の携帯電話メーカーが新機種の開発を積極的に行ったため、5G通信対応やフォルダブルなどのスマートフォン向けに、有機ELパネルの開発が活発となりました。
このような業界の動きを背景としてフォトマスク需要は、有機ELパネル用につきましては、主にスマートフォン向けに増加し、液晶パネル用につきましては、IT製品、車載パネル向けに増加しました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの売上高につきましては、248億76百万円(前期比21.7%増)となりました。利益につきましては、営業利益38億17百万円(前期比129.3%増)、円安の進行による為替差益が発生したことにより、経常利益43億2百万円(前期比213.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益33億20百万円(前期比209.6%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ50億87百万円増加し、139億31百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は、62億72百万円(前期は36億64百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益42億99百万円、減価償却費30億1百万円、売上債権の増加額14億47百万円、棚卸資産の増加額10億81百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は、5億29百万円(前期は42億97百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億40百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は、12億79百万円(前期は12億24百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出9億50百万円や配当金の支払額2億11百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業は、主としてフォトマスクの設計・製造・販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため単一セグメントとなっており、セグメント情報に関連付けては記載しておりません。
(注) 金額は、製造原価によっております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当該割合が100分の10未満である相手先別の販売実績につきましては、記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当該有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする項目については、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は、以下のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性について
当社グループは、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積もった上で回収可能性を判断し、繰延税金資産を計上しております。当該見積りについて、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要となった場合、翌年度以降において認識する繰延税金資産および法人税等調整額の計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
a.経営成績等の状況
1)財政状態
(資産)
資産の増加は、主に有形固定資産が16億73百万円減少した一方で、現金及び預金が50億87百万円増加し、受取手形及び売掛金が17億12百万円増加したことによるものであります。
(負債)
負債の増加は、主に1年内返済予定の長期借入金が1億50百万円減少し、長期借入金が8億円減少した一方で、支払手形及び買掛金が9億42百万円増加し、契約負債が8億92百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産の増加は、主に剰余金の配当により2億11百万円減少した一方で、為替換算調整勘定が12億53万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益を33億20百万円計上したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末の74.1%から1.6ポイント下降し、72.5%となりました。
2)経営成績
当連結会計年度につきましては、スマートフォン向けの有機ELパネル用フォトマスクや、IT製品、車載パネル向けの液晶用パネルの需要が増加いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は44億36百万円増加し、248億76百万円となり、営業利益は38億17百万円となりました。経常利益は、主に為替差益の影響で、43億2百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は33億20百万円となりました。また、目標とする経営指標である売上高営業利益率は前連結会計年度より7.2ポイント上昇し、15.3%となりました。
3)キャッシュ・フロー
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料費・外注加工費の支払いのほか、設備の維持に係る修繕費、人件費等の費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金は主として自己資金によって賄っており、必要に応じて借入れによる資金調達を実施しております。
当連結会計年度末における有利子負債の残高は26億45百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は139億31百万円となっております。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
お知らせ