業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン接種が促進され、行動制限の緩和が進んだことなどにより、景気の持ち直しが期待されたものの、新変異種である「オミクロン株」の発生により再び予断を許さない状況となりました。

 このような状況のもと、当社は、今まで培ってきたモノづくりの技術を生かして、メディアPlatformとなり得る様々な場所に企画を提案し、提携先とのアライアンスの強化と総合的なロケーションメディアの構築を目指してまいりました。

 

(Platform,Product&Planning事業)

 Platform,Product&Planning事業(以下、「PPP事業」といいます。)では、人が集まる場所にロケーションメディアを構築する事業を展開しております。

 当事業年度においては、美容サロンサイネージが、全国的な広告出稿意欲減衰の大きな影響を受けたほか、その他のメディアPlatform向け製品販売においては、世界的な半導体不足の影響により、原価の高騰、製品納品までのリードタイムの長期化に収束の目途が立たず、商談における受注・納品時期の不確実性が営業活動に大きな影響を与えました。

 その結果、PPP事業の売上高は、前事業年度よりは大幅に増加したものの、当初予想より大幅に減少し、163,310千円(前事業年度比303.8%増)となりました。

(受注型Product事業)

 受注型Product事業では、自社開発のIoT製品を受注し販売する事業を展開しております。

 当事業年度は、PPP事業に対してリソースを集中した影響により、売上高が前事業年度より大幅に減少いたしました。

 その結果、受注型Product事業の売上高は139,261千円(前事業年度比64.2%減)となりました。

(テクニカルサービス事業)

 テクニカルサービス事業では、法人の社内用システムの開発・保守事業、エンジニアの派遣事業を展開しております。

 当事業年度は、エンジニア派遣は好調であったものの、開発・保守事業は、PPP事業に対してリソースを集中した影響により、売上高が前事業年度より大幅に減少いたしました。

 その結果、テクニカルサービス事業の売上高は102,001千円(前事業年度比35.2%減)となりました。

 

 また、これらに加えて、経営環境の著しい悪化を受けて、固定資産の減損処理を実施し、減損損失として135,531千円の特別損失を計上いたしました。

 以上の結果、当事業年度の売上高は404,573千円(前事業年度比31.0%減)、営業損失は356,584千円(前事業年度は246,504千円の損失)、経常損失は365,193千円(前事業年度は246,719千円の損失)、当期純損失は517,836千円(前事業年度は384,303千円の損失)となりました。

 

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における総資産は298,879千円となり、前事業年度末に比べ627,360千円減少いたしました。これは主に「現金及び預金」が312,370千円、「売掛金」が119,846千円、「有形固定資産」が126,832千円減少したことによるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は89,711千円となり、前事業年度末に比べ110,204千円減少いたしました。これは主に「長期借入金」が60,000千円増加した一方で、「買掛金」が28,293千円、「短期借入金」が100,000千円、「未払金」が21,317千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は209,167千円となり、前事業年度末に比べ517,155千円減少いたしました。これは主に当期純損失が517,836千円発生し、利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、増加要因として、売上債権の減少額132,465千円、減損損失135,531千円、定期預金の払戻による収入100,000千円があったものの、減少要因として、税引前当期純損失516,411千円、短期借入金の返済による支出100,000千円があったことにより、前事業年度末に比べ212,370千円減少し、120,099千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果支出した資金は263,077千円となりました。これは主に、増加要因として、売上債権の減少額132,465千円、減損損失135,531千円があったものの、減少要因として、税引前当期純損失516,411千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は89,457千円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入100,000千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果支出した資金は40,076千円となりました。これは主に、増加要因として、長期借入れによる収入60,000千円があったものの、減少要因として、短期借入金の返済による支出100,000千円があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.仕入実績

 当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

仕入高(千円)

前年同期比(%)

Platform,Planning&Product事業

57,622

受注型Product事業

97,985

△31.4

テクニカルサービス事業

(注)1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

Platform,Planning&Product事業

106,619

受注型Product事業

175,494

△58.0

67,500

20.5

テクニカルサービス事業

7,965

1,920

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、当社はターミナルソリューション事業の単一セグメントのため、サービス区分を以下のとおり区分して記載しております。

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

Platform,Planning&Product事業

163,310

283.8

受注型Product事業

139,261

△64.0

テクニカルサービス

102,001

△35.0

合計

404,573

△31.0

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

富士ソフト株式会社

710

0.1

60,678

15.0

株式会社DINOS CORPORATION

37,102

6.3

43,271

10.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 当事業年度における売上高は404,573千円(前年同期比31.0%減)となりました。これは主に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことによるものであります。

(売上原価)

 当事業年度における売上原価は323,362千円(前年同期比14.8%減)となりました。これは主に売上高の減少にによるものであります。

 この結果、売上総利益は81,210千円(前年同期比60.7%減)となりました。

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は437,795千円(前年同期比3.4%減)となり、これは主に人件費及び地代家賃が減少したことによるものであります。

 この結果、営業損失は356,584千円(前年同期は246,504千円の営業損失)となりました。

(営業外損益)

 当事業年度における営業外収益は425千円(前年同期比71.2%減)となりました。これは主に為替差益の減少によるものであります。また、営業外費用は9,034千円(前年同期比433.4%増)となりました。これは主に遊休不動産関係費用の発生によるものであります。

 この結果、経常損失は365,193千円(前年同期は246,719千円の経常損失)となりました。

(特別損益及び当期純損益)

 当事業年度における特別利益は1,912千円(前年同期比35.9%減)となりました。これは主に固定資産売却益の発生によるものであります。また、当事業年度における特別損失は153,129千円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に減損損失の発生によるものであります。

 この結果、当期純損失は517,836千円(前年同期は384,303千円の当期純損失)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、仕入活動、製造活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金及び設備投資は自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し顧客のニーズに合った製品・サービスを提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得