当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を与える可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、以下に記載しました将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、以下の記載は当社グループの事業に関連するリスクをすべて網羅するものではありません。
TWC Tech Holdings II Corp.及びCellebrite DI Ltd.(以下、「Cellebrite社」という。)において認識される負債等に関するリスクが発生しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(追加情報)」をご確認ください。
1.当社グループの事業について
① モバイルデータソリューション事業
・最近の動向と当社グループの対応について
当社グループは、Cellebrite社において開発・製造されるモバイルインテリジェンス・ソリューションの販売を行っております。また、競争力を保つべく、新規携帯電話の対応及び新製品・新サービスの継続的な開発を行っております。しかしながら、当社グループの計画通りに事業が展開しない場合は、開発投資等の負担により、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・海外市場動向の影響について
同事業における主要な顧客は米国を中心とした全世界の犯罪捜査機関等であり、同機器について更なる機能向上とワールドワイドな展開を推進し、当社グループの海外地域における業績は拡大基調にあります。今後も同事業につきましては、販売地域の拡大等海外展開を継続する予定であることから、米国及び各国の経済環境や政治情勢の急激な悪化、為替相場の変動、予期しない法的規制や税制の変更等が生じた場合は、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
② エンターテインメント関連事業
・法令規則の影響等について
エンターテインメント関連事業の販売に係る製品の顧客は、パチンコ業界の遊技機メーカーであります。パチンコ業界は、「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律」等の法令規則の規制を受けております。また、遊技機メーカーまたはパチンコホールの業界団体は、行政の指導により自主的な規制を行うことがあります。このため、法令規則の改正及び自主規制により遊技機メーカー及びパチンコホールの経営環境が急激に変化した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、エンターテインメント関連事業は、需要変動が比較的大きな傾向を有しております。当社グループでは、市場動向への適切な対応に努めるべく各種の施策を講じておりますが、これらの施策にもかかわらず当社グループの経営成績が大きく変動する可能性があります。
・パチンコ制御基板
ⅰ) 最近の動向と当社グループの対応について
最近の市場動向としましては、遊技人口の減少や「のめり込み防止策」等の影響により、パチンコホールの経営環境はより厳しく推移することが推測されます。このような状況の中、パチンコホールの新機種導入は、ゲーム性が高く集客が見込める機種に集中する傾向が高まっております。
当社グループでは、このような市場環境に対応すべく、パチンコ遊技機の開発及び生産面において、取引先に対する協力体制の構築に努めており、従来の取引関係、開発・販売実績等から、安定的な取引関係を有しているものと考えております。しかしながら、競合状況等によっては、現在の取引関係が今後も維持し得るかは明らかではありません。
また、パチンコ遊技機の需要動向等により業績が大幅に変動する場合があります。
ⅱ) 法的規制について
当社グループの製造・販売する制御基板が組込まれるパチンコ遊技機は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則第四号(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合することが必要であります。そのため、機種毎に国家公安委員会の指定試験機関である財団法人保安電子通信技術協会(保通協)による型式試験及び各都道府県の公安委員会による型式検定を受けており、保通協の型式試験に合格した機種が販売を許可され、その後、各都道府県公安委員会による検定に適合した機種だけがパチンコホールに導入されます。
今後、これらの法律、規制等に重大な変更が加えられた場合、パチンコ遊技機の開発・製造・販売のため新たな対応を余儀なくされる可能性があります。当社グループはこれらの要因に対し、適切な対応を図るよう努めておりますが、これらの対応にもかかわらず、当社グループの販売計画、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
ⅲ) 特定の取引先との取引関係について
当社グループが開発・製造するパチンコ制御基板の販売は、少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーに限定されております。なかでも、株式会社藤商事に対する販売実績比率が高く、当社グループの総販売実績に対する同社の割合は、2021年3月期12.4%、2022年3月期12.6%となっております。
当社グループでは、これら少数かつ特定のパチンコ遊技機メーカーとは、安定的な取引関係にあり、企画提案力の向上を図る等、より一層の関係強化に努めておりますが、これら販売先の販売状況、仕入方針、他のパチンコ制御基板メーカーとの競合の状況によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
ⅳ) 需要の大幅な変動について
パチンコ遊技機は、新機種の発売当初に急激に需要が増加し、ヒット機種以外ではその後の需要は急速に減少する傾向を有しております。また機種毎の需要動向は、遊技者の嗜好の変化、遊技機メーカーの競合の状況、更にはパチスロ遊技機に対する需要動向等により、大幅に変動する傾向を有しております。このため、当社グループが開発・製造・販売を行っているパチンコ制御基板の需要動向も、大幅に変動する傾向を有しております。
当社グループでは、このような需要動向の変化に対応できる生産体制をとっておりますが、想定していない需要が生じた場合、又は当社グループ製品への需要が想定を大幅に下回った場合等には、新たな対応を余儀なくされ、そのような場合には、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
また、パチンコ業界に対する行政指導等、当社グループが予想し得ない変化が発生した場合、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
・樹脂成形品及び金型
当社グループは、イードリーム株式会社において射出成形による樹脂成形品及び金型の製造・販売を行っております。射出成形・金型加工技術は、当社グループのパチンコ関連事業、情報通信関連事業の製品製造に不可欠であり、同社の射出成形・金型加工技術の維持向上を図り、パチンコ業界への企画提案営業を推進しております。しかしながら、主要な販売先はパチンコ遊技機メーカーであるため、パチンコ遊技機の需要動向等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
③ 新規IT関連事業
・M2M通信機器
ⅰ) 最近の動向と当社グループの対応について
M2M通信機器市場は、モバイル通信インフラの急速な高速・大容量化と通信料金の固定化・低価格化、またクラウド環境のインフラを利用し、あらゆる機器がインターネットへつながるIoT(Internet of Things)への関心の高まりとあいまって、その規模は急速に拡大しておりますが、他業種からの新規参入も相次ぎ、M2M通信機器関連製品及び関連サービスの競争は激しさを増しております。
当社グループでは、特にM2M(マシン to マシン)市場に焦点をあて、そのニーズを的確に捉えた新製品の開発をいち早く行うことで、価格競争に巻き込まれない事業展開を図りますが、対応が遅れたり、予想し得ない新技術が普及し新たな対応を余儀なくされた場合、更には、他社との競合状況等によっては、当社グループの経営成績が影響を受ける可能性があります。
ⅱ) 法的規制について
当社グループが開発・製造・販売を行っているM2M通信機器は、電気通信事業法に基づき、総務省が定める技術基準に適合することが必要であり、このため機種毎に指定試験機関(一般財団法人電気通信端末機器審査協会(JATE)及び一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC))による審査・認定を適宜受けております。
今後、これらの法律・規格等の改廃が行われた場合、当社グループにおいて新たな対応を余儀なくされる可能性があり、経営成績に影響を与える可能性があります。
2.当社グループの財政状態及び経営成績の変動について
当社グループは、連結財務諸表作成時において、在外連結子会社の資産及び負債等は円換算されるため、米ドルやイスラエル・シェケル等の為替の変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
3.その他事業遂行上のリスクについて
① 新株予約権等の付与について
・当社
当社は、インセンティブを目的として当社及び子会社の取締役、監査等委員及び従業員に対し新株予約権を付与しております。
当連結会計年度において、2021年9月24日に第9回新株予約権を当社の取締役、監査等委員及び従業員に付与しております。なお、2009年7月10日に発行した第3回新株予約権は、行使期間満了に伴い消滅しております。
上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。
(注) 潜在株式数合計122,410株は、2022年3月31日現在の発行済株式総数23,992,328株の0.5%に相当しております。
・Cellebrite DI Ltd.
当社の連結子会社であるCellebrite社は2008年9月24日にストック・オプションとしての新株予約権の発行枠(目的となる株式数の上限は40,579千株)、2019年6月17日にストック・オプションとしての新株予約権の発行枠(目的となる株式数の上限は21,637千株)並びに2021年8月1日にストック・オプションとしての新株予約権の発行枠(目的となる株式数の上限は28,075千株)を決議し、段階的に発行及び同社従業員に付与しております。
なお、当連結会計年度において2021年8月にCellebrite社が米国ナスダック市場に上場する際に、当社が保有するCellebrite株式の一部を譲渡したこと及び上記ストック・オプションの一部が行使されたことにより、2021年12月31日現在の同社に対する当社持分は50.9%となっております。
上記、新株予約権による潜在株式数の残高は、以下のとおりであります。
(注) 潜在株式数合計25,487千株は、2021年12月31日現在の発行済株式総数187,680千株の13.5%に相当しております。
② 事業投資等について
当社グループは、今までに蓄積してきました最新の技術・ノウハウを積極的に自社事業展開に応用し、これらの技術・ノウハウを軸とした、自社事業とのシナジー効果が見込まれるビジネスパートナーとの資本・業務提携等を積極的に行ってまいります。
しかしながら、当初想定していた相乗効果が得られない場合、また、投資金額の回収が困難である場合等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 情報セキュリティについて
当社及び国内連結子会社は、経営に関する情報・取引先に関する情報・個人に関する情報の保護の観点から、情報システムセキュリティに関する社内規程を整備し、個人情報保護方針の策定、ITセキュリティの強化、従業員教育等を実施しております。また、Cellebrite社は、情報セキュリティに関する国際規格「ISO27001」の認証を取得しており、同規格に基づいた情報セキュリティ管理体制を構築、継続的に運用しております。
しかしながら、過失や外部からの攻撃等により情報漏洩・改ざん等の問題が発生した場合には、損害賠償金等の費用発生、信用低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
④ 知的財産権について
当社グループでは、製品・サービスの企画・開発過程で創造される発明案件につきましては、法務・知的財産部が管理を行い、顧問弁護士・弁理士と連携の上、速やかに特許申請等を行える体制を構築しております。また、特許申請を行わない方が競争優位に立てると判断した発明案件につきましては、意図的に特許申請を行わない場合もあります。しかしながら、他社による類似製品及びサービス等の製造・販売を効果的に防止できない可能性があります。
一方、他社の知的財産権の侵害を回避するため、法務・知的財産部において事前調査を実施しておりますが、当社グループが他社の知的財産権を侵害していると司法判断され、知的財産権の使用料・損害賠償金等を請求された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑤ 海外事業展開について
当社グループは海外への事業展開を積極的に進めており、当社グループが事業展開する国・地域における政治、社会、経済状況、関連法規制等につきましては、現地の動向を随時把握し、適切に対応していくよう努めております。
しかしながら、当該国・地域における紛争・自然災害・疾病流行等の発生、社会環境の変化、関連法規制の変更等、不測の事態が発生し、計画通りの事業展開が見込めない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
⑥ 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、当社グループでは在宅勤務等感染予防のための様々な取り組みを徹底してまいりました。今後の感染状況に対応するとともに当社では引き続き、ⅰ) 在宅勤務、時差出勤、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底、ⅱ) 開発、生産、販売、在庫、物流状況の把握、ⅲ) 感染者が発生した場合のBCP対策、ⅳ) 資金管理等を徹底して、影響の最小化に努めます。
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