(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
1) 財政状態及び経営成績の状況
通信計測事業の主要市場である情報通信分野においては、各国オペレータが5Gサービスを開始していますが、5Gミリ波の技術的課題や、米国Cバンドの商用化スケジュールの遅れなどにより、5Gスマートフォンの普及速度は緩やかになっています。2022年3月には、3GPPにおいて高周波数帯の拡張、通信エリアの拡大、低消費電力・低コスト通信などの5Gの更なる効率性、性能改善を目的とした新たな仕様「Release 17」(*1)の標準化が完了しました。ミリ波による5G商用化の普及が遅れている米国においても、Sub6GHz帯であるCバンド(*2)による商用化に向けた動きが活発化してきました。5G利活用の領域では、Automotive分野での5G活用に向けた研究開発や、ローカル5Gのようなプライベート領域での5Gネットワーク構築に向けた調査や実証実験が始まっています。さらに、次世代の通信規格である6Gの研究開発も始まっています。
5Gのネットワークでは、オペレータが無線ネットワークをより柔軟に構築できるよう、無線アクセスネットワークのオープン化に取り組むO-RANアライアンスが活動を進めてきました。これまでメーカー独自のインタフェースで構成されていた基地局装置に対してO-RANの標準仕様を適用することで、マルチベンダーでの無線アクセスネットワークの構築が容易になりました。これにより、世界各地のオペレータがO-RANの導入を進めており、5G基地局市場が活性化しています。
また、クラウドサービスの高度化や5Gサービスの進展によりデータ・トラフィックが急増し、ネットワーク・インフラを逼迫させつつあります。ネットワークの更なる高速化を進めるサービス・プロバイダでは、100Gbpsサービスの導入が本格化するとともに、ネットワーク機器メーカーでは、400Gbpsネットワーク装置の開発も進展しています。
新型コロナウイルス感染症については、変異株の感染再拡大に伴う都市のロックダウンなど依然として先行きが不透明な状況が継続しています。また、ウクライナ情勢悪化に伴う地政学リスクの高まり、資源価格の高騰、世界的な半導体不足の長期化も企業業績に対する重要なリスク要因となっています。
半導体不足をはじめとした部品調達リスクに対しては、取引先と強固な関係を構築し、情報を速やかに把握する仕組み作りや、戦略的な部品在庫の確保などの対策を講じています。あわせて、リスクの高い部品については代替品への変更などによりリスクの最小化を図っています。
このような環境のもと、通信計測事業グループは、5Gの開発投資需要を獲得するためのソリューションの開発と組織体制の整備に注力し、5G商用化に向けた開発関連需要を獲得しました。また、ネットワーク高速化に向けた開発・生産関連需要も獲得しました。
PQA事業の分野においては、加工食品生産ラインの自動化投資が進んでおり、X線を用いた異物混入検査や包装品質検査など品質保証工程の自動化に係る需要が堅調に推移しました。PQA事業グループは、このような状況下でX線を軸としたソリューションの競争力と販売体制の強化に取り組みました。
また、当社は、中期経営計画GLP2023において「EV、電池測定」を重点的に成長させる分野の一つとして掲げています。2022年1月には、高電圧・大電流・大容量の電気エネルギー制御技術を持つ株式会社高砂製作所を当社の連結子会社とし、EV、電池測定市場の事業基盤拡大に取り組みました。
この結果、受注高は110,665百万円(前年同期比2.9%増)、売上収益は105,387百万円(同0.5%減)、営業利益は16,499百万円(同16.0%減)、税引前利益は17,150百万円(同13.5%減)、当期利益は12,841百万円(同20.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は12,796百万円(同20.5%減)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、153,261百万円となり、前期末に比べ9,160百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、38,819百万円となり、前期末に比べ4,174百万円増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は、114,442百万円となり、前期末に比べ4,986百万円増加しました。
なお、当社グループの当連結会計年度の財政状態の状況は、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 2) 財政状態」に記載しています。
(*1)3GPPで標準化される規格番号
(*2)マイクロ波帯を分割する際の一つの周波数帯(4~8GHz)の呼び名
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。なお、各セグメント別の売上収益は外部顧客に対する売上収益を記載しています。
① 通信計測事業
当事業は、サービス・プロバイダ、ネットワーク機器メーカー、保守工事業者などへ納入する、多機種にわたる通信用及び汎用計測器、測定システム、サービス・アシュアランスの開発、製造、販売を行っています。
当期は、5Gチップセット及び携帯端末の開発需要が堅調に推移しました。また、データセンター等でのネットワーク高速化に向けた開発・生産関連需要も獲得しましたが、世界的な半導体不足や米国でのCバンド商用化スケジュールの遅れが売上収益に影響し、前年同期比で減収となりました。費用面では部品調達費用や販売促進費の増加に加えて、第2四半期には固定資産除却損355百万円が発生しています。この結果、売上収益は73,320百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は15,202百万円(同14.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、当事業は従来「計測事業」としていた名称を「通信計測事業」に変更しております。
② PQA事業
当事業は、高精度かつ高速の各種自動重量選別機、自動電子計量機、異物検出機などの食品・医薬品・化粧品産業向けの生産管理・品質保証システム等の開発、製造、販売を行っています。
当期は、アジアや米国などの新型コロナウイルス感染症の状況が改善している地域において、食品市場の品質保証プロセスの自動化、省人化を目的とした設備投資が堅調に推移しましたが、半導体不足による部品調達費用の増加等により、増収減益となりました。この結果、売上収益は21,978百万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は1,173百万円(同12.5%減)となりました。
③ その他の事業
その他の事業は、環境計測事業、センシング&デバイス事業、物流、厚生サービス、不動産賃貸等からなっております。
当期は、センシング&デバイス事業においては、価格競争の激化等により減収となりましたが、2022年1月4日付で株式会社高砂製作所を連結子会社とし、当第4四半期より同社を連結対象としたことにより、売上収益は10,089百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は1,123百万円(同37.5%減)となりました。
2) キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、45,689百万円となり、前期末に比べ4,120百万円減少しました。なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、7,324百万円のプラス(前期は15,452百万円のプラス)となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、純額で16,031百万円(前年同期は20,481百万円の獲得)となりました。これは、税引前利益の計上により資金が増加した一方、法人所得税の支払いにより資金が減少したことが主な要因です。なお、減価償却費及び償却費は5,132百万円(前年同期比186百万円増)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、純額で8,706百万円(前年同期は5,029百万円の使用)となりました。これは、株式会社高砂製作所の取得による支出4,012百万円及び有形固定資産の取得による支出が主な要因です。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、純額で13,395百万円(前年同期は14,458百万円の使用)となりました。これは、配当金の支払額6,077百万円(前年同期の配当金支払額は4,878百万円)及び自己株式の取得による支出5,079百万円が主な要因です。
3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
通信計測(百万円) |
71,858 |
96.7 |
PQA (百万円) |
22,557 |
105.3 |
報告セグメント計(百万円) |
94,415 |
98.6 |
その他(百万円) |
10,156 |
104.6 |
合計(百万円) |
104,572 |
99.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
通信計測 |
77,109 |
100.9 |
21,318 |
133.9 |
PQA |
23,118 |
107.2 |
6,595 |
127.2 |
報告セグメント計 |
100,228 |
102.3 |
27,914 |
132.2 |
その他 |
10,437 |
108.6 |
4,023 |
275.6 |
合計 |
110,665 |
102.9 |
31,937 |
141.5 |
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
通信計測(百万円) |
73,320 |
98.0 |
PQA (百万円) |
21,978 |
102.6 |
報告セグメント計(百万円) |
95,298 |
99.0 |
その他(百万円) |
10,089 |
103.9 |
合計(百万円) |
105,387 |
99.5 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の結果は、将来に関する事項の記述とは異なる可能性があります。その主な要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますが、それらに限定されるものではありません。
1) 経営成績
当社グループは、通信計測事業、PQA事業の2つを報告セグメントとしています。
① 通信計測事業
当社グループの売上収益の70%を占める通信計測事業は、「モバイル市場」「ネットワーク・インフラ市場」「エレクトロニクス市場」向けの3つのサブセグメントに区分しております。
a. モバイル市場
モバイル市場には、携帯電話サービスを行うサービス・プロバイダの端末受入検査用途向け計測器や、スマートフォン等の携帯電話端末やICチップセット、その他関連電子部品メーカーでの設計、生産、機能・性能検証、保守用途向けの計測器等を含めております。
当市場の需要は、携帯電話サービスの技術革新や普及率、加入者数の推移のほか、端末/チップセット・メーカーの新規参入又は撤退、端末やチップセットのモデルチェンジや出荷数などに影響される傾向があります。
現在、5G通信システムを用いたサービスが世界各国で開始され、各国オペレータの5G商用化スケジュールはミリ波の技術的課題はあるものの進捗しています。日本においても都市部を中心とした一部のエリアから全国に5Gサービス範囲を拡大しています。
このような市場環境のもと、端末開発市場では5GをサポートするICチップセットや携帯電話端末の開発が継続し、5G開発用計測器への需要が堅調に推移しています。
加えて、2022年3月には高周波数帯への拡張、通信エリアの拡大、低消費電力・低コスト通信などの仕様策定が完了し、IoT分野や自動運転・テレマティクス分野、ローカル5G分野では、新たなサービスの実現に向けたモバイル通信技術の開発も事業機会として顕在化しています。また、5Gの各性能をさらに高めた次世代の通信規格である6Gの研究開発も始まっています。
当社は、引き続き競争力のある最先端計測ソリューションを開発・投入するとともに、開発ポートフォリオ・マネジメントを的確に遂行することで、収益基盤の強化に努めてまいります。
b. ネットワーク・インフラ市場
ネットワーク・インフラ市場には、有線・無線通信事業者のネットワーク建設、保守、監視及びサービス品質保証用途向けのソリューションや、ネットワーク機器メーカーの設計、生産、試験及び調整用途向けソリューション等を含めております。
当市場においては、クラウドサービスの高度化や5Gサービスの進展によりデータ・トラフィックが急増しているため、ネットワークの更なる高速化を進めるサービス・プロバイダでは100Gbpsサービスの導入が本格化するとともに、ネットワーク機器メーカーでは400Gbpsネットワーク装置の開発も進展しています。これに伴い、関連する計測ソリューションの需要も堅調に推移しています。さらに、800Gbpsの実用化やオール光化などのネットワークの高度化に向けた研究開発も始まっています。
当社は、通信機器の研究開発向けソリューションに加え、通信インフラの構築・監視からサービス品質保証までの総合ソリューションを提供することで、事業の拡大に取り組んでまいります。
c. エレクトロニクス市場
エレクトロニクス市場には、通信ネットワークに関連する通信機器やその他の電子機器に使用される電子デバイスの設計、生産、評価をはじめ、エレクトロニクス分野で幅広く利用されている計測器等を含めております。
当市場の需要は、通信機器や情報家電、自動車等に使用される電子部品及び電子機器の生産規模に影響を受ける傾向があります。モバイル・ブロードバンド・サービスやWi-Fi/Bluetoothデバイスなどを使用したIoTサービスの拡大により、多岐にわたる用途の無線モジュールの開発・製造用計測ソリューション需要が増加しております。また、6Gに向けた研究開発の始まりに伴い関連する測定器の需要が顕在化しています。
当社は、エレクトロニクス市場に対するソリューションを拡充し、更なる事業の拡大に努めてまいります。
② PQA事業
PQA事業は、当社グループの売上収益の21%を占めています。当事業は、食品産業向けの売上収益が8割以上を占めているため、食の安全安心に関する意識の高まりや食品メーカーの業績に影響を及ぼす消費支出水準の変化に大きな影響を受けます。
主力製品には、食品製造ラインにおいて高速搬送しながら高精度に計量する重量選別機や食品中に混入する金属や石などの異物を高感度に検出し製造ラインから排除する異物検査機器(X線検査機等)などがあります。日本市場においては新型コロナウイルス感染症の影響長期化に伴い一部顧客で設備投資に慎重な姿勢がみられるものの、異物混入に対する顧客の関心は引き続き高く食品生産ラインの自動化、省人化を目的とした設備投資は底堅く推移しました。
また、海外市場では、米州、欧州、中国などでグローバルに事業を展開する重要顧客の需要が堅調に推移し、当事業の海外売上比率は約5割となっています。
食品メーカーの品質検査への関心は高く、この需要に応えるために、新製品及び品質保証ソリューションの開発に努めるとともに、海外現地生産を含むサプライチェーンの最適化とグローバルオペレーションの効率化を推進し、事業拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。
2) 財政状態
① 資産
資産合計は、153,261百万円となり、前期末に比べ9,160百万円増加しました。主に棚卸資産並びに、のれん及び無形資産が増加した一方、現金及び現金同等物が減少しました。
② 負債
負債合計は、38,819百万円となり、前期末に比べ4,174百万円増加しました。これは、主に営業債務及びその他の債務が増加したことによるものです。
③ 資本
資本合計は、114,442百万円となり、前期末に比べ4,986百万円増加しました。これは、主に利益剰余金並びに、その他の資本の構成要素が増加した一方、自己株式5,079百万円の取得で減少したことによるものです。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は74.5%(前期末は75.8%)となりました。
有利子負債残高は6,521百万円(前期末は5,848百万円)、デット・エクイティ・レシオは0.06(前期末は0.05)となりました。
(注)デット・エクイティ・レシオ:有利子負債/親会社の所有者に帰属する持分
3) キャッシュ・フロー
当社グループは、当連結会計年度末において45,689百万円の資金を保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しています。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度の設備投資額は、5,658百万円(前年同期比3.8%増)となりました。主に新製品開発と原価低減に向けた投資を継続するとともに、グローバルでの情報システム統一に向けた投資を実施しました。研究開発投資については、11,386百万円(前年同期比1.2%増)となりました。主に新製品開発とソリューションの競争力強化に向けた投資を実施しました。これらの設備投資額及び研究開発投資は、主に自己資金によって賄われました。
翌連結会計年度においては、約6,500百万円の設備投資と約12,000百万円の研究開発投資を予定しています。設備投資額は、開発環境基盤強化を目的とした通常の投資のほか、生産体制の整備、気候変動対策として再生可能エネルギー設備への投資等を見込んでおります。研究開発投資については、更なる事業拡大にむけて、主力の通信計測事業においては、5Gにおける競争力強化、PQA事業については、グローバルビジネス展開を目的とした投資を行っていきます。これらの設備投資額及び研究開発費投資を、主に自己資金によって賄う予定です。
4) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発費が主なものであり、主に営業活動によって獲得した内部資金のほか、直接調達・間接調達により十分な資金枠を確保しています。また、2020年3月に設定した借入枠75億円のコミットメントライン(2023年3月まで有効)により財務の安定性を確保しています。今後とも、大きく変動する市場環境のなかで、国内外の不測の金融情勢に備えるとともに、運転資金、長期借入債務の償還資金及び事業成長のための資金需要に迅速、柔軟に対応してまいります。
当期末の有利子負債残高は、6,521百万円(前期末の有利子負債残高は5,848百万円)となりました。また、デット・エクイティ・レシオは0.06(前期末は0.05)となりました。
今後ともROEの向上、CCC向上によるキャッシュ・フロー創出及びグループ内キャッシュ・マネジメント・システム等による資金効率化に取り組み、強固な財務体質の維持に努めてまいります。
当社の格付(R&I:㈱格付投資情報センター)は、発行体格付が「A」、短期格付が「a-1」となっています。当社は、更なる格付向上に向けて、新たな経営ビジョンのもと、安定した収益を上げる企業としての2,000億円企業を目指してまいります。
株主還元については、連結当期利益の上昇に応じて、親会社所有者帰属持分配当率(DOE:Dividend On Equity)を上げることを基本に、連結配当性向30%以上の配当を行うとともに、総還元性向も勘案した株主還元施策も機動的に行っていくことを基本方針としています。
また、剰余金については、5G市場における競争力強化、IoTを活用した産業分野への事業拡大、クラウドサービス市場等への事業展開、新成長分野の開拓及び6Gをはじめとした次世代技術の獲得等に向けた戦略的投資(含むM&A)のための資金需要等に備える計画です。このような新規事業への投資も含めて、企業価値の向上に取り組みます。
(注)CCC:キャッシュ・コンバージョン・サイクル
5) 経営戦略と今後の方針について
経営戦略と今後の方針は、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、予想される将来のキャッシュ・フローや、経営者の定めた会計方針に従って財務諸表に報告される数値に影響を与える項目について、経営者が見積りを行うことが要求されます。これらの見積りは過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、結果として、これらの見積りと実際の結果が異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりであります。
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