課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

下記の事項には、将来に関するものが含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループ(当社および連結子会社)は、「-共に未来を生きる- 私たちは革新的なモノづくりを通じて、世界中のお客様と社会のために、安らぎに満ちた、今日にない明日を届けます。」という企業理念の下、お客様と社会に寄り添い、新しい価値の提供により、快適・安心・安全な社会の実現に貢献することを目指しております。

 

(2)経営環境および対処すべき課題

当社グループ(当社および連結子会社)の主力事業であるヒートポンプ技術を活用した空調機は、世界各国・地域においてクリーンかつ省エネ性・快適性・安全性に優れた必需品であるだけでなく、暖房や給湯用途で化石燃料機器の代替製品として気候変動の抑制に貢献すると期待されております。

また、情報通信・電子デバイスも、災害対応力強化への社会的要請や電子機器の小型化・省エネ化へのニーズを背景に、今後の事業拡大が期待できます。

一方、各市場での競争激化およびコロナ禍やそれに伴う急激な事業環境の変化が生じており、部品・海運輸送逼迫による世界的なサプライチェーンの混乱、部品価格・海上運賃のかつてないほどの急激かつ異常な高騰に見舞われ、正常化には時間を要すると考えられます。また、ウクライナ情勢や中国等での新型コロナウイルス感染拡大の動向や影響も注視が必要です。

このような状況において当社グループは、「サステナブル経営」を成長戦略の中核に据え、予測困難な状況下での事業継続とリスク耐性を確保しつつ、中期経営計画に掲げた施策の推進、さらに長期的な事業の成長・発展を図るべく、企業理念の実践を通じた持続可能な社会実現への貢献を目指します。

 

〔中期経営計画について〕(図Aご参照)

欧米を中心に空調機の需要が引き続き旺盛であることに加え、欧州において脱炭素化の流れのなかヒートポンプ機器の普及が加速するとともに、近い将来一大市場への成長が見込まれるインド市場の拡大など、空調機の需要は拡大傾向にあります。

そのなかで当社グループは、空調機におけるビジネス領域の拡大、開発体制の革新、営業活動の強化といった重点テーマとして取り組んできた諸施策を通じ、重点市場と位置付ける北米、インド、欧州を中心に着実に販売を拡大してきました。

また、情報通信・電子デバイスについても、安心・安全を支える防災・消防システムの提供や産業機器等の省エネに貢献するパワーモジュール事業の立ち上げなど事業基盤の強化を進めています。

一方、サプライチェーンの正常化およびコスト増への対応を喫緊の課題と捉え、開発の生産性向上や設計プロセスの革新、VE、生産体制・調達方法の見直し、製品売価施策をはじめ、事業活動すべての面において改善施策に取り組んでいますが、これらの施策によっても急激なコスト増を短期間ですべて吸収することは困難な状況です。

これらを踏まえると、従来掲げていた2022年度売上高目標は達成できる見込みであるものの、営業利益の目標数値は見直さざるを得ない状況となりました。

当社グループは、外部環境への対応力強化を目下の優先課題として取り組んでいますが、従来から掲げている中期経営計画の重点テーマについては、着実に成果をあげてきており、2023年度以降も基本的な方針は変わらず一層推進・強化を図ってまいります。

また、基幹業務システムの再構築を含め、単なる業務プロセス改善を超えて、事業拡大・新たなビジネス創出につながるDX推進や、新たな組織体制の下でのブランディング強化にも取り組んでまいります。

 

図A〔中期経営計画〕

 

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〔「サステナブル経営」の取り組み〕(図Bご参照)

当社グループは、中長期的な事業の成長・発展を通じた持続可能な社会実現への貢献を目指す「サステナブル経営」をすべての事業活動の基本に据えており、前述の中期経営計画の重点テーマや外部環境への対応力強化の取り組みにより当社グループの成長・発展、事業基盤強化を図ることに加え、「地球との共存(Planet)」「社会への貢献(Society)」「社員との共感(Our People)」を三つの柱として、以下の施策に取り組んでいます。

 

①地球との共存(Planet)

地球温暖化対策がグローバルで求められるなか、2022年4月1日に当初計画より3年前倒しで当社グループ全体の使用電力を再生エネルギー100%に転換しました。これにより、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)達成について、当初の2030年度から2025年度に計画を前倒ししました。

また、化石燃料使用機器から高効率のヒートポンプ機器への置き換えなど温室効果ガスの排出量削減や社会課題解決に大きく貢献する製品やサービスとして当社が認定する「サステナブル・プロダクト(以下サスプロ)」の開発・販売強化を進め、2030年度には「サスプロ」の連結売上高構成比30%以上を目指します。

 

②社会への貢献(Society)

「安心・安全の未来をつくる」を基本方針として、情報通信システムでは、当社が日本国内の自治体に設置した約5,000に及ぶ屋外防災子局を活用し、局地豪雨の際の浸水アラートシステムや防災無線放送の音声改善など、災害時に迅速・確実な住民の避難行動を促す技術開発をはじめ、社会へ貢献する事業の創出に努めてまいります。

また、熱中症対策として高齢者のエアコン利用促進を目指すサブスクリプションサービス実証事業への参加をはじめ、社会課題解決に貢献する商品・サービス提供の取り組みを進めています。

 

③社員との共感(Our People)

従業員が健康で気力を保ち、生産性とモチベーションの向上を図れる職場づくりに向け、従来から取り組んでいる健康経営の推進に努めます。また、データとデジタル技術を活用したイノベーション創出を促すDXリテラシー研修のほか、様々なビジネススキルに対応したオンデマンド型研修プログラムなど、社員のニーズや働き方に合わせた自発的なキャリア形成を支援する仕組みを導入・拡充していきます。

 

こうした努力を続けることにより、経営基盤ならびにお客様や社会からの信頼をより一層強固なものとし、当社グループの継続的な成長を目指して常に自己革新を追求してまいります。

 

図B〔「サステナブル経営」の取り組み〕

 

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