業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績

当連結会計年度の当社グループの業績は、半導体セグメントにおいて販売が増加し、売上高は224,314百万円と前期比19.9%の増収、営業利益は32,046百万円、経常利益は32,038百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21,311百万円と、それぞれ前期比62.7%、65.1%、61.6%の増益となりました。

この間、為替相場を見ますと、当連結会計年度の平均為替レートは、1USドル109.90円、1ユーロ129.91円と、前年と比べUSドルは2.9%の円安、ユーロは6.6%の円安になりました。

 

セグメント別の状況は、次のとおりであります。

 

(自動車セグメント)

エンジン排ガス測定装置の販売が減少したことなどから、売上高は61,249百万円と前期比4.2%の減収となりました。この結果、13百万円の営業損失となりました(前期は2,465百万円の営業利益)。

 

(環境・プロセスセグメント)

アジアにおいて、煙道排ガス分析装置の販売が増加したことなどから、売上高は20,217百万円と前期比10.3%の増収、営業利益は1,947百万円と同18.8%の増益となりました。

 

(医用セグメント)

アジア、欧州において、血球計数装置の販売が増加するとともに、米州にて生化学用検査装置および試薬の販売が増加しました。この結果、売上高は25,882百万円と前期比23.0%の増収、営業利益は148百万円となりました(前期は426百万円の営業損失)。

 

(半導体セグメント)

半導体の需要増加などにより半導体メーカーの設備投資が拡大し、半導体製造装置メーカー向けの販売が大幅に増加しました。この結果、売上高は87,004百万円と前期比52.7%の増収、営業利益は28,006百万円と同99.3%の増益となりました。

 

(科学セグメント)

米州において、光学モジュールの販売が増加したことなどから、売上高は29,958百万円と前期比11.7%の増収となりました。利益面では、研究開発費が増加したことなどから、営業利益は1,957百万円と同0.3%の減益となりました。

 

② 財政状態

当連結会計年度末における財政状態につきましては、総資産は前連結会計年度末に比べ43,516百万円増加し、371,585百万円となりました。現金及び預金が増加したことや、売上の増加に伴い受取手形及び売掛金が増加したことなどによります。

負債総額は前連結会計年度末に比べ17,693百万円増加し、167,092百万円となりました。仕入の増加に伴い、支払手形及び買掛金が増加したことなどによります。

純資産は前連結会計年度末に比べ25,823百万円増加し、204,493百万円となりました。利益剰余金が増加したことや、円安により為替換算調整勘定が増加したことなどによります。

 

③ キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ19,782百万円増加し、133,938百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は、次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上などにより35,268百万円のプラス(前連結会計年度は32,253百万円のプラス)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、中国やドイツ、フランスなどにおける有形固定資産の取得による支出などにより、14,662百万円のマイナス(前連結会計年度は14,016百万円のマイナス)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、4,045百万円のマイナス(前連結会計年度は843百万円のプラス)となりました。

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

自動車

58,009

△3.1

環境・プロセス

20,579

15.3

医用

24,652

32.1

半導体

98,900

71.2

科学

30,174

10.6

合計

232,316

28.0

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前期比(%)

受注残高

(百万円)

前期比(%)

自動車

68,737

35.9

54,738

15.8

環境・プロセス

20,921

7.1

7,108

11.0

医用

26,530

25.8

4,908

15.2

半導体

117,293

96.6

42,181

254.7

科学

32,863

20.8

13,386

27.7

合計

266,346

49.6

122,323

52.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

自動車

61,249

△4.2

環境・プロセス

20,217

10.3

医用

25,882

23.0

半導体

87,004

52.7

科学

29,958

11.7

合計

224,314

19.9

(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループ経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日(2022年3月28日)現在、入手しうる情報に基づいて当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、製品保証引当金、たな卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る会計処理などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあるものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が会計上の見積りに与える影響に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 追加情報」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

c.資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの財務政策は、資産構成に合わせた最適な資金調達を行うことを基本方針としております。事業成長に向けた投資資金需要に対しては、その投資の内容に加え、資本コスト、資金調達環境及び条件、自己資本比率、手許流動性の水準などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資すると考える方法により対応しております。運転資金需要に対しては内部留保や短期借入などにより対応しております。借入については、主に社債の発行や金融機関からの調達であります。

なお、連結子会社が資金調達を実施する際には、グローバルな資金効率を向上させる観点から、グループ内で資金融通を行う一方、経営規律向上、ガバナンス強化を目的として、金融機関からの借入も実施させております。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2019年8月に5年後の2023年度を目標年度とする中長期経営計画「MLMAP2023(Mid-Long Term Management Plan 2023)」を策定し、連結売上高3,000億円、営業利益400億円、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上をめざしております。

当連結会計年度における業績につきましては、半導体セグメントにおいて販売が増加し、売上高は2,243億円、営業利益は320億円、ROE(自己資本当期純利益率)は11.2%となりましたが、MLMAP2023達成に向けて、引き続き諸施策を推し進めてまいります。達成に向けた施策及び当連結会計年度における取り組みにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載しております。

 

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