当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(事業環境)
当連結会計年度のわが国経済は、年初に発出された新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が、長期間に渡って継続されたことにより、依然として厳しい状況でありましたが、個人消費や企業収益、生産などに持ち直しの動きもあり、一部に明るい兆しもみられました。一方で世界的に半導体等の部品供給が滞った影響などもあり、全体としては先行きへの不透明感が未だ残るなかで推移いたしました。
(受注高、売上高及び受注残高の状況)
このような事業環境のなか、受注高は11,241百万円(前期比12.6%増)となりました。依然としてお客様の設備投資に対する姿勢は想定以上に慎重であり、コロナ禍において当社の受注活動は引き続き制約を受けておりますが、回復の傾向がみられ、前年を上回りました。
売上高は、9,852百万円(前期比16.8%減)となりました。前連結会計年度からの受注残高が大きく減少していたことが主な要因であります。これらの結果、当連結会計年度末の受注残高は、5,145百万円(前期比37.0%増)となりました。
(損益の状況)
損益面では、 営業損益は859百万円の損失 ( 前期は566百万円の営業損失 )、 経常損益は685百万円の損失 ( 前期は523百万円の経常損失 )、親会社株主に帰属する当期純損益は 1,271百万円の損失 ( 前期は576百万円の親会社株主に帰属する当期純損失 )となりました。
生産の省力化や、特注試験装置の標準化への取り組みの成果が出たことなどにより、売上原価率は 56.1%(前期は57.2%)と改善することができました。販売費及び一般管理費は、昨年末にリリースした新商品の開発が一段落したことで試験研究費が減少したほか、全体的な費用の見直しを進めました。このように費用圧縮の成果が出ているものの、売上高減少の影響が大きく、損失の計上となりました。また、繰延税金資産を取崩したこと等により611百万円の法人税等調整額を計上いたしました。
セグメント別の業績は、次の通りであります。
<計測機器>
「計測機器」は、受注高は4,091百万円(前期比12.9%増)、売上高は3,765百万円(前期比4.4%増)、セグメント損益は309百万円の損失(前期は645百万円の損失)となりました。
主力であるデータ処理分野におきまして、昨年末から順次リリースを開始した新商品の受注が順調に伸びたこと、回転速度分野、寸法変位分野など生産ライン関連商品が前年を大きく上回り、また、音響・振動関連のセンサが好調に推移したことなど、当初想定には及ばなかったものの、回復の傾向もみられました。
<特注試験装置及びサービス>
「特注試験装置及びサービス」は、受注高は 7,137百万円 ( 前期比12.5%増 )、売上高は、 6,075百万円 ( 前期比26.1%減 )、セグメント損益は 549百万円の損失 ( 前期は81百万円の利益 )となりました。期首受注残高が大きく減少していたことから売上高は減少しました。お客様からの引合案件は増加しているものの、全体的には先行きに対する不透明感からお客様の慎重な姿勢は継続しております。一方で、モータトルク試験装置や、シミュレーションベンチなどの分野で受注が前年を上回っており、回復の傾向がみられました。また、修理・校正などのアフターサービスや受託試験などのエンジニアリング領域は、現況下でも堅調に推移しております。
<その他>
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、損害保険代理業務及び当社が所有する土地・建物の管理業務、その他当社からの委託業務等を行っております。
当区分の売上高は155百万円(前期比0.3%増)、セグメント利益は28百万円(前期比88.1%増)となりました。なお、当区分の外部顧客に対する売上高は12百万円(前期比1.7%増)であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 (調整額)はセグメント間取引消去であります。
2 上記金額は消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 (調整額)はセグメント間取引消去であります。
2 上記金額は消費税等を含んでおりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)本田技研工業株式会社は2020年4月1日付で株式会社本田技術研究所の四輪商品開発機能を事業承継したため、主要な顧客ごとの情報については、合わせて記載しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は19,446百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,361百万円減少しました。 主な内訳は、現金及び預金の減少、たな卸資産の増加、繰延税金資産の取崩しによる減少であります。
当連結会計年度末における負債合計は6,725百万円となり、前連結会計年度末に比べ129百万円増加しました。主な内訳は、短期借入金の増加、1年内返済予定長期借入金の返済による減少、未払消費税等の減少であります。
当連結会計年度末における純資産は12,720百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,490百万円減少となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上による減少、自己株式の取得による減少、投資有価証券の時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ816百万円減少(△28.7%)し、2,026百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、498百万円の支出(前期は1,879百万円の収入)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純損失590百万円、減価償却費798百万円、売上債権の増加額144百万円、たな卸資産の増加額429百万円、仕入債務の増加額156百万円、未払消費税等の減少額194百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2百万円の支出(前期は1,303百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出139百万円、無形固定資産の取得による支出85百万円、投資有価証券の売却による収入234百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、374百万円の支出(前期は317百万円の収入)となりました。主な内訳は、短期借入金の増加額600百万円、長期借入金の返済による支出414百万円、自己株式の取得額446百万円、配当金の支払額111百万円であります。
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,533百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,026百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表作成において、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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