業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(2020年3月31日)等を適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度の当社グループの事業環境につきましては、世界経済の正常化や新型コロナウイルスワクチンの普及により回復基調が継続いたしました。また、社会のデジタル化や脱炭素化を背景にエレクトロニクス関連の投資が好調に推移するとともに、自動車関連の投資も堅調に推移いたしました。しかしながら、原材料価格や物流費の高騰、半導体・電子部品不足が継続し、第4四半期にはウクライナ情勢の悪化や中国のロックダウンにより世界経済への影響が懸念される状況となりました。

 こうした中、当社グループは、5G・IoTに関する市場や自動車の自動運転・電動化に関する市場を中心に活動を

強化し、受注高は前連結会計年度比で36.5%増加し過去最高となる51,303百万円となりました。一方、製造面では電子部品不足が解消されず、代替調達や設計変更などの対策を講じたものの製品納期の長期化が継続いたしました。その結果、売上高は前連結会計年度比で8.2%の増加にとどまり41,852百万円となりました。利益面につきましては、調達コストの上昇による原価率の悪化や、受注拡大に伴う人件費や活動経費の増加により営業利益は前連結会計年度比で23.5%減少し1,968百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益などにより前連結会計年度比で2.8%の減少にとどまり1,905百万円となりました。

 

 

前連結会計年度

(第68期)(百万円)

当連結会計年度

(第69期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

37,580

51,303

36.5

売上高

38,668

41,852

8.2

営業利益

2,572

1,968

△23.5

経常利益

2,840

2,322

△18.2

親会社株主に帰属する当期純利益

1,961

1,905

△2.8

 

 

 セグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。

 

当連結会計年度のセグメント別業績

 

受注高

(百万円)

売上高

(百万円)

営業利益又は

営業損失(△)

(百万円)

装置事業

43,535

34,518

1,370

サービス事業

6,771

6,407

618

その他事業

1,265

1,188

△23

連結消去

△269

△261

2

51,303

41,852

1,968

 

 

 

装置事業

 

 

前連結会計年度

(第68期)(百万円)

当連結会計年度

(第69期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

30,755

43,535

41.6

売上高

30,669

34,518

12.6

営業利益

2,062

1,370

△33.5

 

 

サービス事業

 

前連結会計年度

(第68期)(百万円)

当連結会計年度

(第69期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

6,153

6,771

10.0

売上高

6,063

6,407

5.7

営業利益

446

618

38.5

 

その他事業

 

前連結会計年度

(第68期)(百万円)

当連結会計年度

(第69期)(百万円)

対前期増減率(%)

受注高

976

1,265

29.6

売上高

2,241

1,188

△47.0

営業利益又は営業損失(△)

60

△23

 

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末における総資産は61,922百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,314百万円の増加となりました。

 負債は16,330百万円で前連結会計年度末と比べ2,706百万円の増加となりました。

 純資産は45,592百万円で前連結会計年度末と比べ607百万円の増加となりました。

 これらの結果、自己資本比率は73.3%と前連結会計年度末と比べ3.5ポイントの減少となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加2,018百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの減少932百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの減少2,830百万円、現金及び現金同等物に係る換算差額の増加600百万円などにより、期首時点に比べ1,144百万円減少し、当連結会計年度末には16,157百万円となりました。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

 当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は、次のとおりであります。

a.生産実績

セグメントの名称

生産高(百万円)

対前期増減率(%)

装置事業

32,773

16.1

サービス事業

43

4.5

その他事業

合計

32,816

16.1

(注) 上記金額は販売価格によっております。

 

 

b.受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

対前期増減率

(%)

受注残高(百万円)

対前期増減率

(%)

装置事業

43,535

41.6

19,201

103.8

サービス事業

6,771

10.0

1,382

35.7

その他事業

1,265

29.6

166

87.3

51,572

36.1

20,750

97.1

消去

△269

△20

合計

51,303

36.5

20,729

97.1

 受注残高の主な増加要因は、5G・IoTに関する市場や自動車の自動運転・電動化に関する市場を中心に活動を強化した結果、受注高が増加した一方で、製造面では電子部品不足が解消されず、代替調達や設計変更などの対策を講じたものの製品納期の長期化が継続した影響によるものであります。

 

c.販売実績

セグメントの名称

販売高(百万円)

対前期増減率(%)

装置事業

34,518

12.6

サービス事業

6,407

5.7

その他事業

1,188

△47.0

42,114

8.1

消去

△261

合計

41,852

8.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

 当連結会計年度の事業環境といたしましては、社会のデジタル化や脱炭素化を背景にエレクトロニクス関連を中心に投資が好調に推移いたしました。当社の取り組みといたしましては、装置事業では5G・IoT関連市場や自動車の自動運転・電動化に関する市場など、特に需要の拡大が見込める先端技術分野を中心に活動を強化いたしました。また、低GWP(地球温暖化係数)冷媒を搭載した環境配慮型製品のラインアップ拡充や、WEBセミナーの開催・特設サイトの立ち上げなどオンラインを活用したマーケティングを展開いたしました。サービス事業では、クラウドを活用した新サービスを開発するとともに100%再生可能エネルギーによる受託試験サービスを提供してまいりました。

 当連結会計年度の経営成績といたしましては、装置事業の主に環境試験器が好調に推移し、受注高は前連結会計年度比で36.5%増加し過去最高となる51,303百万円となりました。しかしながら、電子部品不足により製品納期の長期化が継続し、売上高は8.2%の増加にとどまり41,852百万円となりました。売上原価につきましては、部品不足への対策として実施した設計変更費用や電子部品・部材の価格高騰などにより、原価率は66.5%と前連結会計年度比で1.2ポイント悪化し、27,849百万円となりました。販売費及び一般管理費につきましては、受注拡大に伴う人件費や活動経費の増加に加え物流費の高騰もあり12,034百万円(前連結会計年度比1,194百万円の増加)となりました。これらの結果、利益面につきましては、営業利益は前連結会計年度比で23.5%減少し1,968百万円、経常利益は18.2%減少し2,322百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、投資有価証券売却益などにより2.8%の減少にとどまり1,905百万円となりました。

 

b.セグメントごとの経営成績

<装置事業>

 環境試験器につきましては、国内市場では受注高は汎用性の高い標準製品、カスタム製品ともに前連結会計年度比で増加し、売上高は前連結会計年度並みとなりました。海外市場においても受注は好調に推移し、売上高は中国、北米、欧州、韓国、東南アジアにおいて増加いたしました。

 エナジーデバイス装置につきましては、自動車関連の投資の回復により二次電池評価装置の受注を獲得し、前連結会計年度比で受注高・売上高ともに増加いたしました。

 半導体関連装置につきましては、メモリおよび自動車関連の投資が継続し、前連結会計年度比で受注高は増加いたしましたが、売上高は減少いたしました。

 こうした結果、装置事業全体では、前連結会計年度比で受注高は41.6%増加し43,535百万円、売上高は12.6%増加し34,518百万円となりました。利益面につきましては、原価率の悪化および販管費の増加により営業利益は前連結会計年度比で33.5%減少し1,370百万円となりました。

 

<サービス事業>

 アフターサービス・エンジニアリングにつきましては、保守契約など予防保全サービスが堅調に推移し、前連結会計年度比で受注高・売上高ともに増加いたしました。

 受託試験・レンタルにつきましては、受託試験が堅調に推移し、前連結会計年度比で受注高・売上高ともに増加いたしました。

 こうした結果、サービス事業全体では、前連結会計年度比で受注高は10.0%増加し6,771百万円、売上高は5.7%増加し6,407百万円となりました。利益面につきましては、売上高の増加により営業利益は前連結会計年度比で38.5%増加し618百万円となりました。

 

<その他事業>

 環境保全事業および植物工場事業を中心とするその他事業では、受注高については森づくりや水辺づくりが増加するとともに植物工場の受注も獲得し、前連結会計年度比で29.6%増加し1,265百万円となりました。売上高につきましては、前連結会計年度に植物工場の大型案件があったため47.0%減少し1,188百万円となりました。利益面につきましては、売上高の減少により営業利益は前連結会計年度比で83百万円減少し23百万円の営業損失となりました。

 

②財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度末における総資産は61,922百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,314百万円の増加となりました。これは主に、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産ならびに電子記録債権)の増加275百万円、金銭信託の減少による有価証券の減少999百万円、受注残高の増加に伴う原材料及び貯蔵品などの棚卸資産の増加3,149百万円、その他流動資産の増加595百万円、のれんの増加373百万円、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券の減少785百万円、繰延税金資産の増加427百万円などによるものであります。

 負債は16,330百万円で前連結会計年度末と比べ2,706百万円の増加となりました。これは主に、売上増加に伴い生産、営業活動が増加したことによる仕入債務(支払手形及び買掛金ならびに電子記録債務)の増加1,067百万円、受注増加に伴う契約負債などその他流動負債の増加1,619百万円などによるものであります。

 純資産は45,592百万円で前連結会計年度末と比べ607百万円の増加となりました。これは主に、当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益が1,905百万円計上された一方、配当金として1,350百万円が利益処分されたこと等による利益剰余金の増加539百万円、企業環境の変化に対応した機動的な資本政策に伴う自己株式の取得による減少1,055百万円、為替換算調整勘定の増加1,278百万円などによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は73.3%と前連結会計年度末と比べ3.5ポイントの減少となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は2,018百万円(前年同期は、3,041百万円の資金の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,711百万円の計上による資金の収入、減価償却費の計上1,298百万円、受注残高の増加に伴う棚卸資産の増加による資金の支出2,388百万円、仕入債務の増加による資金の増加545百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は932百万円(前年同期は、2,034百万円の資金の支出)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が846百万円となったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,830百万円(前年同期は、1,503百万円の資金の支出)となりました。これは主に配当金の支払額が1,346百万円、自己株式の取得による支出が1,066百万円となったことによるものであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金および設備資金を自己資金で賄うことを基礎としておりますが、必要に応じて銀行借入により資金調達しております。

 また、運転資金の効率的な調達を行うため、当連結会計年度末において複数の機関との間で合計3,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高3,000百万円)。

 事業活動における運転資金需要の主なものは、当社製品の製造に係る原材料費、労務費、外注加工費等の製造費用、各事業についての販売費及び一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、製造用設備やレンタル用設備、受託試験用設備への投資に加え、情報処理のためのソフトウエアへの投資等があります。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって適用した重要な見積りの方法につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大による影響が、会計上の見積りに重要な影響を与える事象に関しては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記情報(追加情報)」及び「2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記情報(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

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