(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
前連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、決算日が9月30日であった当社は15ヶ月間(2019年10月1日~2020年12月31日)、決算日が6月30日であった連結子会社は18ヶ月間(2019年7月1日~2020年12月31日)を連結対象期間とした変則的な決算となっております。このため、対前期増減率については記載しておりません。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ10,046百万円増加し、35,719百万円となりました。現金及び預金が5,789百万円、受取手形及び売掛金が2,940百万円、たな卸資産が1,204百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
有形固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,733百万円増加し、11,015百万円となりました。建設仮勘定が1,060百万円増加したことが主な要因であります。
無形固定資産は、前連結会計年度末に比べ64百万円減少し、980百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末に比べ1,169百万円減少し、2,020百万円となりました。投資有価証券が1,567百万円減少したことが主な要因であります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末から10,545百万円増加し、49,737百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,816百万円増加し、14,219百万円となりました。支払手形及び買掛金が1,685百万円、未払法人税等が1,630百万円、賞与引当金が484百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ556百万円減少し、2,459百万円となりました。繰延税金負債が557百万円減少したことが主な要因であります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末から3,259百万円増加し、16,679百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,285百万円増加し、33,058百万円となりました。利益剰余金が7,207百万円増加したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は66.3%(前連結会計年度末比0.9ポイント増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における世界経済は、大規模な金融緩和や財政出動などの経済政策効果により回復局面に入ったものの、経済活動の再開と同時に一部地域、特に東南アジア地域での半導体サプライチェーンの混乱が発生するなど、半導体供給不足とともに関連製品の生産に影響が出ています。また、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大が、個人消費や雇用の回復の重石となった他、引き続きヒト・モノの移動制限が多いことなどから、依然として不透明な経済情勢となっております。
半導体市場における各種製品の販売動向をみると、社会全般のデジタル化によるパソコン、AI関連の半導体需要の増加、データセンター関連投資の拡大がメモリ需要をけん引したことから、DRAM及びNANDフラッシュの生産が好調に推移しました。また、5Gスマートフォンの普及や性能進化を受けスマートフォン向け半導体の高性能化と需要が拡大しました。
FPD市場においては、巣ごもり需要の影響によりノートパソコン、スマートフォン、タブレット、モニター等の需要が拡大したものの、パネル価格の下落に加え需要の反動減により、先行きに不透明感が出ております。
このような状況の下、当社グループは、長期的に当社が目指す姿を纏めた『MJC Future Vision』を2018年9月期に策定・公表し、「QDCCSSを更に推し進めて品質と納期での競争力を高め、市場へ安心・安全を提供する事で『より豊かな社会の発展に貢献』する」企業を目指す活動に注力してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は39,998百万円となりました。地域別の売上高は、国内売上高が7,320百万円、海外売上高が32,678百万円となり、売上高に占める海外売上高の比率は81.7%となりました。また、受注高は40,884百万円となり、受注残高は10,941百万円となりました。
売上総利益は17,020百万円、売上総利益率は42.6%となりました。
販売費及び一般管理費は8,776百万円となり、売上高に対する比率は21.9%となりました。
営業利益は8,243百万円となりました。経常利益は営業外収益468百万円、営業外費用23百万円を加減算し8,688百万円となりました。特別利益2,599百万円、特別損失42百万円を加減算した税金等調整前当期純利益は11,245百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は8,237百万円となりました。特別利益の主な内訳は、投資有価証券売却益2,596百万円です。
これらの結果、1株当たり当期純利益は、215円14銭となりました。
<セグメントの状況>
(各セグメントの売上高は、外部顧客に対するものであります。)
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(プローブカード事業)
当該事業の主力製品は、半導体製造のウェーハ検査工程において、シリコンウェーハ上のICチップの電極にピンを接触させ、テスタと電気信号を送受信することで良否判定を行うプローブカードです。現在はメモリ向けプローブカードで市場優位性を有しておりますが、長期的には非メモリ向けプローブカードの拡販を目指しております。
当連結会計年度における売上高は、データセンター関連投資の継続需要等の拡大により、メモリ向けプローブカードが好調に推移しました。また、非メモリ向けプローブカードが車載関連等の需要を取り込み堅調となりました。利益面においても、高水準な受注高を維持できたことで安定した稼働が続いたことに加え、プロダクトミックスの変化もあり好調に推移しました。
この結果、売上高は36,719百万円、セグメント利益は10,482百万円となりました。
(TE事業)
当該事業の主力製品は、パネルにテスト用の電気信号を伝えるためのコンタクタであるプローブユニット、半導体の検査で使用されるテスタやマニュアル・セミオートウェーハプローバ等です。製品ポートフォリオの見直し、オペレーションの改善等に取り組んでおり、中長期計画で業績の回復を目指しております。
当連結会計年度における売上高は、プローブユニットが安定的なビジネスを継続しました。また、特定顧客向け半導体検査装置の需要を取り込み、売上を伸ばしました。利益面においても、セグメント黒字となりました。
この結果、売上高は3,279百万円、セグメント利益は227百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,506百万円増加し、当連結会計年度末は16,914百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は7,382百万円となりました。
主な増加要因として、税金等調整前当期純利益11,245百万円、減価償却費1,929百万円等があり、主な減少要因として、売上債権の増加額2,676百万円、投資有価証券売却益2,596百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用された資金は1,941百万円となりました。
主な収入は、投資有価証券の売却による収入2,822百万円であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出3,156百万円、定期預金の純預入額1,182百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用された資金は1,253百万円となりました。
主な内訳は、配当金の支払額1,030百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
プローブカード事業(百万円) |
38,337 |
- |
TE事業(百万円) |
3,401 |
- |
合計(百万円) |
41,738 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
プローブカード事業 |
37,277 |
- |
9,092 |
- |
TE事業 |
3,606 |
- |
1,849 |
- |
合計 |
40,884 |
- |
10,941 |
- |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
プローブカード事業(百万円) |
36,719 |
- |
TE事業(百万円) |
3,279 |
- |
合計(百万円) |
39,998 |
- |
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年10月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Samsung Electronics Co.,Ltd. |
11,192 |
27.9 |
11,358 |
28.4 |
Micron Memory Taiwan Co., Ltd. |
4,789 |
11.9 |
5,275 |
13.2 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等に関する分析
(財政状態)
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
(経営成績)
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー)
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、顧客の技術要求に応え、性能面で他社と差別化を図るための研究開発費と変動する需要に対して納期面で柔軟に対応するための設備投資等となっております。これに加え、高水準な海外売上高比率に見合う顧客サービス等の更なる拡充も将来的に必要だと考えています。
これらの資金需要に対する資金調達については、営業キャッシュ・フローで得られる自己資金の他、金融機関等から資金調達することを方針としていますが、現時点では、有利子負債比率は低水準で推移しています。安定的な資金財源の確保及び運転資金の効率的な調達なため、取引銀行3行とコミットメントライン契約を締結しており、金融機関との良好関係を維持することに努めています。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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