(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
① 経営成績等の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルスの感染状況に左右され、国や地域によるばらつきを伴いながらも、防疫と経済の両立進展により、総じてみると回復傾向が継続しました。一方、海上物流の逼迫や、半導体不足をはじめとした供給制約に加え、部品・原材料不足の深刻化、資源価格の上昇、中国の生産減速等、経済の悪化要因も数多く存在しております。更にはロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格上昇等もあり、先行きの不確実性が極めて高い事態となっております。
当社グループの属する自動車業界におきましては、世界的な半導体不足に加え、東南アジアでの感染再拡大に伴う部品不足を受けた生産調整の影響等により、コロナ禍以前の自動車生産台数と比較すると、大幅な減産となりました。また、材料費高騰や運賃上昇による輸送費高騰等、引き続き、大変厳しい事業環境となっております。
このような状況のもと、当社グループは足元における収益確保及びコスト競争力の強化を目的とし、2020年4月に策定した「第二次コスト構造改革計画」を強力に推進し、材料費の削減、徹底した経費の削減、製造コスト削減等、事業活動に係る全てのコストに関し、抜本的な構造の改革を断行し、車載アンテナビジネスの収益力の向上に取り組んでまいりました。
一方、中長期的な視点では、コネクテッドが実現する豊かなカーライフに貢献することを目指し、「新たな成長への挑戦」を基本戦略とした4か年(2019年4月~2023年3月)の中期経営計画「NEW GROWTH」に掲げる各施策の実行に注力してまいりました。「NEW GROWTH」では「車載アンテナビジネスの強化」、「新しい価値づくり、新しい顧客創造」、「更なる成長の土台となる組織基盤の強化」の3つの戦略を掲げておりますが、コスト構造改革の更なる進化による一層の収益力の向上や自動運転、また5G分野への対応力強化等、特に「車載アンテナビジネスの強化」に係る諸施策を推進してまいりました。また、「新しい価値づくり、新しい顧客創造」に係る活動として、今後更なる拡大が見込まれるIoT市場に対し、コネクテッドを促進するIoT通信端末を開発いたしました。本端末はカーシェアリングの分野をはじめとした車両の運行管理等、多様な利用シーンへの貢献を実現できるものであります。
この結果、当連結会計年度における売上高は、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済の停滞からの持ち直しにより、世界の自動車生産台数はやや増加傾向にあったものの、当下期においては、世界的な半導体不足や感染再拡大等の影響により、世界経済が停滞していた昨年と比較しても大幅な減産であった結果、358億11百万円(前連結会計年度比3.2%増)となりました。利益面につきましては、想定を下回った売上高による収益への影響を最小限に抑えるべく、固定費の抑制や徹底した経費の削減等に取り組んだものの、材料費高騰の影響が極めて大きいことに加え、アセアン地域での新型コロナウイルス感染再拡大や、サプライチェーンの混乱を主要因とした不可抗力の航空機等による輸送費が多額に発生したことから、営業損失は11億63百万円(前連結会計年度は営業損失10億89百万円)、経常損失は、支払利息1億52百万円を計上したものの、債務免除益等により9億51百万円(前連結会計年度は経常損失11億18百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は11億5百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失12億93百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(イ) 日本
自動車生産台数の減少等により、外部売上高は129億19百万円(前連結会計年度比1.8%減)、セグメント間の内部売上高は19億6百万円(同7.3%減)、営業損失は4億円(前連結会計年度は営業損失3億39百万円)となりました。
(ロ) アジア
中国市場及びアセアン市場における自動車生産台数の回復や拡販活動、為替の影響等により、外部売上高は83億62百万円(前連結会計年度比10.9%増)、セグメント間の内部売上高は149億97百万円(同20.1%増)、営業損失は1億72百万円(前連結会計年度は営業損失5億88百万円)となりました。
(ハ) 北中米
北中米市場における自動車生産台数の回復や為替の影響等により、外部売上高は97億26百万円(前連結会計年度比0.4%増)、セグメント間の内部売上高は1億88百万円(同22.0%減)、営業利益は67百万円(前連結会計年度は営業損失1億8百万円)となりました。
(ニ) 欧州
欧州市場での自動車生産台数は減少したものの、拡販活動や為替の影響等により、外部売上高は48億3百万円(前連結会計年度比11.3%増)、セグメント間の内部売上高は14億74百万円(同47.5%増)、営業損失は6億24百万円(前連結会計年度は営業損失1億70百万円)となりました。
なお、セグメントの売上については外部顧客に対する売上高とセグメント間の内部売上高を記載しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度と比較して9億14百万円減少し、37億26百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、「売上債権の減少額」11億95百万円、「減価償却費」11億20百万円等の増加要因がありましたが、「棚卸資産の増加額」33億33百万円、「税金等調整前当期純損失」10億48百万円、「仕入債務の減少額」10億5百万円等の減少要因により、35億69百万円の支出(前連結会計年度は1億52百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の売却による収入」5億91百万円等の増加要因がありましたが、「有形固定資産の取得による支出」6億89百万円等の減少要因により、1億31百万円の支出(前連結会計年度は7億2百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、「短期借入金の返済による支出」571億14百万円等の減少要因がありましたが、「短期借入れによる収入」598億89百万円等の増加要因により、25億3百万円の収入(前連結会計年度は1億68百万円の支出)となりました。
なお、当企業集団のキャッシュ・フローの関連指標の推移は下記のとおりであります。
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
自己資本比率(%) |
39.7 |
39.2 |
39.9 |
35.3 |
31.2 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
71.5 |
51.2 |
52.4 |
60.1 |
57.8 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(債務償還年数) |
4.8 |
76.8 |
24.9 |
- |
- |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
15.7 |
0.8 |
1.9 |
- |
- |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
5.2021年3月期及び2022年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジレシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
日本(百万円) |
- |
- |
アジア(百万円) |
26,150 |
116.8 |
北中米(百万円) |
9,314 |
99.3 |
欧州(百万円) |
- |
- |
合計(百万円) |
35,465 |
110.4 |
(注)金額は、販売価格によっております。
(ロ) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比 (%) |
日本 |
12,841 |
96.5 |
344 |
81.6 |
アジア |
8,482 |
102.5 |
2,129 |
106.0 |
北中米 |
9,747 |
101.6 |
305 |
107.5 |
欧州 |
4,827 |
112.0 |
236 |
111.4 |
合計 |
35,899 |
101.2 |
3,015 |
103.0 |
(ハ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
日本(百万円) |
12,919 |
98.2 |
アジア(百万円) |
8,362 |
110.9 |
北中米(百万円) |
9,726 |
100.4 |
欧州(百万円) |
4,803 |
111.3 |
合計(百万円) |
35,811 |
103.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対す
る割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
Ford Motor Company |
3,972 |
11.4 |
3,896 |
10.9 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ) 経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、売上高は358億11百万円(前連結会計年度比3.2%増)となり、営業損失は11億63百万円(前連結会計年度は営業損失10億89百万円)、経常損失は9億51百万円(前連結会計年度は経常損失11億18百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は11億5百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失12億93百万円)となりました。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、358億11百万円(前連結会計年度347億5百万円)となり、11億6百万円増加いたしました。
また、セグメントの売上高は次のとおりであり、外部顧客に対する売上高を記載しております。
日本
自動車生産台数の減少等により、外部売上高は129億19百万円(前連結会計年度131億56百万円)となり、2億37百万円減少いたしました。
アジア
中国市場及びアセアン市場における自動車生産台数の回復や拡販活動、為替の影響等により、外部売上高は83億62百万円(前連結会計年度75億42百万円)となり、8億19百万円増加いたしました。
北中米
北中米市場における自動車生産台数の回復や為替の影響等により、外部売上高は97億26百万円(前連結会計年度96億90百万円)となり、35百万円増加いたしました。
欧州
欧州市場での自動車生産台数は減少したものの、拡販活動や為替の影響等により、外部売上高は48億3百万円(前連結会計年度43億15百万円)となり、4億88百万円増加いたしました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業損失は、11億63百万円(前連結会計年度は営業損失10億89百万円)となり、74百万円減少いたしました。
主に売上原価率の上昇によるものであります。
(営業外収益)
当連結会計年度における営業外収益は、4億4百万円(前連結会計年度3億4百万円)となり、99百万円増加いたしました。
主に当期における「債務免除益」の計上、「助成金収入」の減少によるものであります。
(営業外費用)
当連結会計年度における営業外費用は、1億92百万円(前連結会計年度3億33百万円)となり、1億41百万円減少いたしました。
主に「為替差損」及び「支払利息」の減少によるものであります。
(特別利益)
当連結会計年度における特別利益は4百万円(前連結会計年度3百万円)となり、1百万円増加いたしました。
「固定資産売却益」の増加によるものであります。
(特別損失)
当連結会計年度における特別損失は1億2百万円(前連結会計年度2億13百万円)となり、1億11百万円減少いたしました。
主に前期における「事業構造改善費用」の計上によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純損失は11億5百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失12億93百万円)となり、1億87百万円増加いたしました。
(ロ) 財政状態の分析
当社グループは財務体質の改善目標として営業利益率など収益性の改善ももちろんのことでありますが、当社グループの課題である経営の安全性を高めるため、有利子負債の削減、棚卸資産の圧縮、自己資本の充実等に努めてまいりました。この結果、次のとおりの財政状態となりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は263億78百万円(前連結会計年度末234億56百万円)となり、29億22百万円増加いたしました。これは主に「現金及び預金」が9億12百万円減少し、「商品及び製品」が21億13百万円、「原材料及び貯蔵品」が20億28百万円増加したことによるものであります。固定資産は95億64百万円(前連結会計年度末93億38百万円)となり、2億25百万円増加いたしました。これは「無形固定資産」が73百万円減少し、「投資その他の資産」が1億57百万円、「機械装置及び運搬具」等の増加により「有形固定資産」が1億41百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は359億42百万円(前連結会計年度末327億94百万円)となり、31億47百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は231億42百万円(前連結会計年度末193億15百万円)となり、38億27百万円増加いたしました。これは主に「短期借入金」が35億76百万円増加したことによるものであります。固定負債は15億94百万円(前連結会計年度末18億91百万円)となり、2億96百万円減少いたしました。これは主に「長期借入金」が1億62百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は247億37百万円(前連結会計年度末212億6百万円)となり、35億30百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は112億5百万円(前連結会計年度末115億88百万円)となり、3億82百万円減少いたしました。これは主に「為替換算調整勘定」が7億34百万円増加し、「利益剰余金」が11億60百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご確認ください。
当社グループの資金の源泉は、「現金及び現金同等物」、「営業活動によるキャッシュ・フロー」等であります。当社グループの事業活動における資金需要は主に運転資金と設備投資資金であり、自己資金を充当することを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入れによる資金調達を行っております。
その結果、当連結会計年度末における長期借入金は5億円、短期借入金は160億88百万円となり、有利子負債総額は165億88百万円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び預金の残高は37億47百万円となりました。新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響につきましては、依然として先行きの不透明な状況が続いてはおりますが、手許資金については十分に確保しており、必要に応じて金融機関等から機動的な資金調達が可能な体制を整えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる事項)」に記載しております。また、特に以下の重要な会計方針及び見積りの適用が、その作成において用いられる見積り及び予測により、当社の連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
(イ) 固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。事業計画や経営環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損を認識する可能性があります。
(ロ) 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」をご覧ください。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご確認ください。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
「経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは経営目標として売上高の増加、売上高営業利益率など成長性及び収益性の改善はもちろんのことでありますが、当社グループの課題である経営の安全性を高めるため財務体質を改善すべく、有利子負債の削減、棚卸資産の圧縮、自己資本の充実等に努めております。
2020年3月期から2023年3月期の4か年を期間とする中期経営計画「NEW GROWTH」では、財務体質の健全性の確保、経営資源の最大限の有効活用、利益の最大化、企業価値・株主価値の向上を目指し、現状の資本コストを上回るROE10%以上の安定的な確保を目標としております。
また、2022年3月期の業績目標は売上高360億円、営業損失9億60百万円、経常損失8億円、親会社株主に帰属する当期純損失9億50百万円と設定いたしました。
当連結会計年度における売上高に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済の停滞からの持ち直しにより、世界の自動車生産台数はやや増加傾向にあったものの、当下期においては、世界的な半導体不足や感染再拡大等の影響により、世界経済が停滞していた昨年と比較しても大幅な減産であった結果、358億11百万円となりました。利益面につきましては、想定を下回った売上高による収益への影響を最小限に抑えるべく、固定費の抑制や徹底した経費の削減等に取り組んだものの、材料費高騰の影響が極めて大きいことに加え、アセアン地域での新型コロナウイルス感染再拡大や、サプライチェーンの混乱を主要因とした不可抗力の航空機等による輸送費が多額に発生したことから、営業損失は11億63百万円、経常損失は、債務免除益を計上したものの、支払利息等により9億51百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は11億5百万円となりました。なお、当連結会計年度のROEは△9.7%であります。
また、有利子負債の削減、棚卸資産の圧縮、自己資本の充実等の財務体質の改善についても、経営の安全性を高めるべく、改善を図ってまいります。
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