業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、感染者数も減少傾向となり、経済活動の改善に向けた動きがみられました。一方で、新たな変異株が発生する等、依然として先行きは不透明な状況が続いています。

当社グループが事業活動を展開するインターネット関連事業及び通信事業におきましても、新型コロナウイルス感染症の長期化により、外出をしないことを前提とした新しい生活様式の広がりや、ICT(情報通信技術)を活用したサービスへの需要は高まる一方、企業の戦略的IT投資の景気後退に伴う影響・動向については、予断を許さない状況になっております。また、調剤薬局及びその周辺事業におきましても、ワクチン接種が進展するなか、個人消費は弱いながらも持ち直しの兆しがみられる一方、新たな変異株の発生により収束は見通せず先行きは不透明な状況にあります。

当社グループにおきましては、引き続き感染防止策や衛生管理をしっかりと行いながら営業を継続し、サービスの提供に努めました。インターネット関連事業、通信事業におきましては、SES事業、システム受託開発、セキュリティ製品販売、クラウドサービスやホスティングサービスを中心に、サービスの機能強化並びにシェア獲得によるビジネスの拡大に注力してまいりました。また、第1四半期連結会計期間に株式会社ニシムラ事務機の事業の一部を譲り受け、オフィスソリューション事業を開始するなど、持続的な事業基盤の更なる強化を図っております。また、調剤薬局及びその周辺事業におきましては、引き続き、事業運営における業務の効率化による経費削減の推進に特に力を入れてまいりました。

 

これらの結果、当連結会計年度の経営成績としましては、売上高が11,783百万円(前年同期比3.5%増)となりました。利益面におきましては、営業利益883百万円(前年同期比20.8%増)、経常利益889百万円(前年同期比18.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益613百万円(前年同期比22.2%増)となりました。

 

財政状態においては、次のとおりであります。

(資産の状況)

当連結会計年度末における資産合計は8,595百万円(前連結会計年度末比12百万円減)となりました。これは主として、前連結会計年度末に比べ現金預金が221百万円増加した一方、のれんが368百万円減少したことによるものであります。

 

(負債の状況)

当連結会計年度末における負債合計は6,590百万円(前連結会計年度末比631百万円減)となりました。これは主として、前連結会計年度末に比べ短期借入金が100百万円増加した一方、長期借入金が668百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産の状況)

当連結会計年度末における純資産合計は2,004百万円(前連結会計年度末比619百万円増)となりました。これは主として、利益剰余金が613百万円増加したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ221百万円増加し、当連結会計年度末には2,339百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は1,068百万円(前年同期は1,230百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益等が主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は150百万円(前年同期は86百万円の獲得)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出等が主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は696百万円(前年同期は793百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出等が主な要因であります。

 

③生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

該当事項はありません。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

 至  2022年3月31日 )

前年同期比(%)

インターネット関連事業(千円)

57,279

1,860.9

通信事業(千円)

45,862

315.0

調剤薬局及びその周辺事業(千円)

4,374,331

96.6

報告セグメント計(千円)

4,477,473

98.5

その他(千円)

合計(千円)

4,477,473

98.5

 

(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

c. 受注状況

当社グループは概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。

 

d. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

 至  2022年3月31日 )

前年同期比(%)

インターネット関連事業(千円)

1,216,483

125.5

通信事業(千円)

3,570,524

107.7

調剤薬局及びその周辺事業(千円)

6,996,114

98.5

報告セグメント計(千円)

11,783,122

103.5

その他(千円)

合計(千円)

11,783,122

103.5

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.販売実績合計と連結損益計算書の売上高との差額は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報 4.」に記載しております。

3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度
 (自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

当連結会計年度
 (自 2021年4月1日
  至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

楽天コミュニケーションズ㈱

2,148,425

18.9

1,929,027

16.4

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 
a.固定資産の減損
  固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。資産計上したサーバ等のハードウエアやサービスの提供に用いるソフトウエア、開発仕掛中のソフトウエア、また、調剤薬局及びその周辺事業における保険調剤システム、及びのれん等について、開発コストの増加や事業環境の悪化等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。
 
b.繰延税金資産
  繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の分析

1)経営成績

「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、当連結会計年度の当社グループの売上高は11,783百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は883百万円(前年同期比20.8%増)、営業利益率は7.5%となりました。

補助金収入17百万円等により、営業外収益37百万円を計上した一方、支払利息28百万円等により営業外費用31百万円を計上した結果、当連結会計年度の経常利益は889百万円(前年同期比18.7%増)となりました。

事業譲渡益等による特別利益5百万円を計上した一方、調剤薬局の店舗に関わる減損損失や関係会社株式売却損等により特別損失を19百万円を計上した結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は875百万円(前年同期比43.5%増)となりました。

税効果会計適用後の法人税等は、261百万円となり、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は613百万円(前年同期比22.2%増)となりました。

 

2)財政状態

(資産の状況)

当連結会計年度末における流動資産は4,551百万円となり、前連結会計年度末に比べ327百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が221百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は4,043百万円となり、前連結会計年度末に比べ340百万円減少いたしました。これは主にのれんが368百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、総資産は、8,595百万円となり、前連結会計年度末に比べ12百万円減少いたしました。

(負債の状況)

当連結会計年度末における流動負債は3,530百万円となり、前連結会計年度末に比べ90百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が100百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は3,059百万円となり、前連結会計年度末に比べ721百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が668百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は、6,590百万円となり、前連結会計年度末に比べ631百万円減少いたしました。

 

(純資産の状況)

当連結会計年度末における純資産合計は2,004百万円となり、前連結会計年度末に比べ619百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が613百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、自己資本比率は23.3%(前連結会計年度末は16.1%)となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析は、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

4)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経営環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。

長期資金需要につきましては、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討しております。短期資金需要につきましては、金融機関からの短期借入を基本としております。また、M&Aにかかる資金需要につきましては、主に金融機関からの長期借入金で調達しております。

なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,970百万円、現金及び現金同等物の残高は2,339百万円となりました。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、安定経営を基に企業価値の継続的な向上を高めるためには、本業の収益力の指標として営業利益率を重視しております。中長期の売上高営業利益率の目標は8.0%としております。また、財務基盤強化の指標として自己資本比率の向上を目指しています。これは、当社グループは、総資産における有利子負債を返済し、財務体質の改善に努める必要があると考えているためです。中長期の自己資本比率の目標は30%としております。

当連結会計年度におけるこれらの指標は、売上高営業利益率は7.5%(前連結会計年度は6.4%)、自己資本比率は23.3%(前連結会計年度は16.1%)となりました。

 

d.セグメント毎の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

[インターネット関連事業]

売上高は、ICT(情報通信技術)を活用したサービスへの需要の高まりにより、SES事業が特に増加しました。また、オフィスソリューション事業も順調に立ち上がっており、インターネット関連事業の成長に寄与しました。利益面につきましては、外注業務の内製化等による収益力の向上に注力したことや、利益率の高い案件が伸長したことなどから、売上高は1,233百万円(前年同期比25.5%増)、セグメント利益は121百万円(前年同期比38.9%増)となりました。

[通信事業]

コロナ禍によるテレワークの普及や、企業における働き方改革への取り組みなどを背景により、MVNO(※1)は自社サービスに加え、MVNO事業者支援サービスが順調に顧客を増やし、FVNO(※2)は着信課金(※3)サービスの通信量が増加した結果、売上高は3,600百万円(前年同期比8.5%増) 、セグメント利益は483百万円(前年同期比11.6%増)となりました。

[調剤薬局及びその周辺事業]

売上高は、第1四半期連結会計期間に一部店舗を譲渡したことや、2021年4月の薬価改定の影響等により微減となりました。利益面につきましては、譲渡した店舗に係る損失の減少や、利益率の高い技術料や介護報酬の獲得に努めたことなどにより増益となりました。その結果、売上高は7,005百万円(前年同期比1.5%減)、セグメント利益は390百万円(前年同期比7.9%増)となりました。

なお、当連結会計年度の末日現在において当社グループにおける薬局総数は、1店舗出店、1店舗譲渡し、56店舗となりました。

 

[その他]

その他には海外事業及び経営コンサルティング事業が含まれておりますが、海外事業を行っていたSOPHIA ASIA-PACIFIC,LIMITEDは、第2四半期連結会計期間において清算結了しております。また、経営コンサルティング事業を行っていた株式会社エムオーは、第3四半期連結会計期間において清算結了しております。

その結果、当連結会計年度において売上高はありません(前年同期も売上高はありません)。なお、セグメント損失は0百万円(前年同期はセグメント損失7百万円)となりました。

 

(※1) Mobile Virtual Network Operatorの略。自社で無線通信回線設備を持たず、他の移動体通信事業者から借りてあるいは再販を受けて移動体通信サービスを提供する事業者。

(※2) Fixed Virtual Network Operatorの略。自社で固定回線のネットワークを持たず、他の事業者から借りてあるいは再販を受けて固定通信サービスを提供する事業者。

(※3) 着信トラフィック集客によりキャリアからインセンティブを受け取るビジネスモデル。

 

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