研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループの主力製品は、心臓や血管、肺などの呼吸・循環器系疾患の検査・診断及び治療等に使用される機器であります。

その中で研究開発活動の中心は、創業以来、研究開発を積み重ねてきた心電計を中核とする心電図関連機器をはじめ、各種生体情報モニタ、超音波診断装置、除細動器、さらに酸素濃縮装置などがあります。また、これらの機器とともに使用される生体電極、センサ類も重要な製品であります。

当社グループの研究開発活動は、従来より「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する」との経営理念に沿って、また、「ユーザーニーズへの適合」を常に念頭において取り組んでまいりました。今後も一層その理念の追求に努めます。さらに、顧客満足度の限りない向上と“医療と健康をつなぐテクノロジー”を旗印に掲げ、研究開発体制の体質改善を図り、新技術の確立とタイムリーな新製品の市場投入に努め、経営基盤のさらなる強化につなげていく所存です。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は3,448百万円(売上高の2.6%)で、内訳は次のとおりです。

生体検査装置部門      1,546百万円

生体情報モニター部門    1,146百万円

治療装置部門         755百万円

消耗品等部門           0百万円

 

 開発成果として、生体検査装置部門では、ACS(急性冠症候群)の診断をサポートし、ブルガダ型心電図の検出率がより向上した心電図検査装置を発売しました。

 ACS診断補助機能として、12誘導心電図から右胸部と背部の合成心電図を生成する機能を搭載し、併せて狭窄、閉塞している可能性のある冠動脈の解析と問診解析を組み合わせて診断することで、より高度なACS診断をサポートします。また、ブルガダ型心電図の検出に有用な高位肋間心電図を12誘導心電図から生成する機能を搭載したことで、標準12誘導では捉えきれないブルガダ型心電図の疑いを感知し、検出率が向上しています。

 生体情報モニター部門では、当社の心房細動解析機能を搭載し、医療従事者によってあらかじめ設定された基準値を超えた時にアラームを発生する解析機能付きセントラルモニタを発売しました。28種類の不整脈解析アルゴリズムに加え、当社の心房細動解析機能を搭載することで、ホルター解析で培った当社の解析技術をモニタでも使用することができます。さらに患者急変の予兆を知らせるスコアリング機能を搭載しました。また、生体情報モニタのアラーム発生状況を見える化することで不必要なアラームを削減し、質の高いモニタリングをサポートします。

 研究分野においては、生体検査装置部門、生体情報モニター部門、治療装置部門、消耗品等部門のいずれにおいても、担当分野の基礎研究、要素技術開発に取り組んでおり、今後のさらなる新製品開発の基盤作りに努めております。

 

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