(1) 経営方針、経営環境
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、株主様、お客様・お取引先様、社員とその家族、地域社会、地球という5つの存在が当社グループを支えていただく主体であると認識し、当社グループとの間に「信頼」を築き上げていくことを企業使命として、これに基づき企業価値向上を目指すことを経営の基本方針としております。
② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
今後の経済見通しにつきましては、世界の景気は回復傾向にあるものの、ウクライナ情勢による食料価格・エネルギー価格の高騰や米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め停滞などによるインフレの加速、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)の感染拡大によるサプライチェーンの混乱等により先行きは引き続き非常に不透明感が強い状況にあります。
当社グループの属する電子部品業界におきましても、世界的な半導体不足による自動車業界の生産への影響や中国の都市封鎖による経済活動の停滞等、次期の受注動向に対しては慎重な見方が必要であります。利益面においても、原材料価格の上昇、為替変動等の懸念材料があります。しかしながら中長期的にみれば、“Society 5.0”に代表されるサイバー(仮想)空間と現実社会を高度に融合させたシステムで、経済発展と社会的課題の解決を両立させるアプローチは、自動運転をはじめとしてすでに現実のものになっております。サイバー空間への入り口は「センサ」であり、1年間に全世界で1兆個のセンサが使用される「トリリオン(兆)・センサ社会」も近づいております。
このような経営環境下において当社グループはこの度、2030年に向けた長期ビジョン(2030ビジョン)及び2022年度から2024年度の3年間の中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画は2030ビジョン実現に向けた当社グループの挑戦におけるフェーズ1「確実な成長のための基盤づくり」と位置付けており、重点施策である「2030年に向けた供給体制の構築」、「KPS(KOA Profit System)の『しんか』」、「イノベーション・マネジメントシステム(IMS)の導入」、「再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減」、「未来を創造する人づくり」、「ガバナンスの新たな取り組み」を推進してまいります。なお詳細につきましては、2022年4月22日に開示しました「2030ビジョンおよび2024中期経営計画策定のお知らせ」をご参照ください。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
エレクトロニクス業界は、「環境」「安全」「利便性」をキーワードに進化する自動車分野における技術革新に代表されるように、更なる市場の発展が見込まれる一方、国際的な価格競争力、製品品質と信頼性、顧客への技術提案力に加えて、将来にわたり安定した製品供給ができる企業が求められております。
このような業界のなかで当社グループは、今後も抵抗器事業を中心に、品質と信頼性を重視する分野にフォーカスし、お客様と共に安心・安全な未来の社会を創る活動を進めることで、お客様から最初にお声がかかる会社を目指します。また、抵抗器事業で培った基盤技術を活用したセンサ/センサモジュールなどにより、社会課題の解決に取り組んでまいります。
具体的には、特に、カーボンニュートラル実現に向けた主要自動車メーカーの電動化戦略が加速しており、当社の主力製品である面実装抵抗器の需要が拡大することから、お客様の成長を支えるための供給体制の構築が急務であります。さらに、桁違いの品質を求められる市場での競争優位性を維持するため、引き続き「ゼロディフェクト・フローの構築」を全グループの目標に掲げ、品質・信頼性向上の活動を進めてまいります。併せて、生産性の大幅な向上を目指した改善活動と経費削減活動の継続により、収益性の向上を図ってまいります。
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